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帝京平成大学児玉浩子特任教授が代表者として作成した「亜鉛欠乏症の診療ガイドライン」が、このたび『International Journal of Molecular Sciences』 (IJMS、インパクトファクトー4.556)に掲載された。これは、日本臨床栄養学会承認の「亜鉛欠乏症の診療指針2018」(執筆者:児玉浩子ら)のポイントを紹介したもので、国際的に承認された亜鉛欠乏症の診療ガイドラインとしては2つめ。今後、亜鉛欠乏症の啓発に役立てられることが期待される。
亜鉛欠乏症の患者は世界では約2億人いるといわれ、わが国の亜鉛欠乏症の頻度は先進国では最も高く、国民の10~15%といわれている。しかし、医療従事者の中でも亜鉛欠乏症については十分周知されておらず、見逃されていることが多い。
2018年、帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科の児玉浩子教授・学科長(2020年現在:特任教授)らは「亜鉛欠乏症の診療指針2018」を作成。このたび、同ガイドラインがMDPI(Multidisciplinary Digital Publishing Institute、本部:スイス)による国際学術誌『International Journal of Molecular Sciences』に掲載された。
国際的な亜鉛欠乏症の診療ガイドラインは2018年にイギリス医学会が発表したもののみであり、児玉特任教授らの指針は世界で2番目に承認されたものとなる。
今後、このガイドラインが亜鉛欠乏症の啓発に役立てられることが期待される。
なお、日本臨床栄養学会のホームページに全文が掲載されている。
【ガイドラインのポイント】
・亜鉛欠乏の要因は、高齢者、慢性肝疾患、糖尿病、慢性腎臓病、長期にキレート作用のある薬剤(糖尿病、関節リウマチ、痛風、パーキンソン病などの薬)の使用などである。
・亜鉛欠乏の症状は、味覚異常、皮膚炎、脱毛、繰り返す口内炎、食欲不振、骨粗しょう症、男性不妊症、免疫能低下、成長障害、貧血などで、且つ、血清亜鉛値が低値で診断される。
・対応として、亜鉛を多く含む食品(牡蠣、豚・鳥・牛レバー、牛肉、うなぎ、コメ、豆腐など)を積極的に摂取する。食事で改善しない場合は、亜鉛製剤を服用するとよい。3か月以内に効果がみられる。
(参考)
・NHK今日の健康(2019年11月26日に放送)
「おいしく味わえないのは味覚障害化も?」(亜鉛欠乏のセルフチェックを紹介)
https://www.nhk.or.jp/kenko/doctor/dct_3835.html
・NHK今日の健康2019年11月号
・日経ヘルス2020年10月号
「亜鉛の不足は貧血の原因に」
https://info.nikkeibp.co.jp/media/NH/
・日本臨床栄養学会ホームページ「亜鉛欠乏症の診療指針2018」
http://www.jscn.gr.jp/pdf/aen20190423.pdf
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人 帝京平成大学 入試課
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TEL:03-5843-3200
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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