企業や有識者とともに、これからの新しいオフィスの在り方や価値を探る「HUMAN FIRST 研究所」を設立 

野村不動産株式会社

価値創造社会に向けて“人の潜在能力“を解放するオフィスの研究を開始
Withコロナ時代の働く場所と生産性に関する意識調査結果を同時公開

 野村不動産株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:宮嶋 誠一、以下当社)は、企業や有識者とのパートナーシップのもと、新しいオフィスの在り方や価値に係る調査研究を実施する「HUMAN FIRST(ヒューマン ファースト)研究所」を設立したのでお知らせいたします。
 

 
 当社は、規模や効率を重視する社会から、課題解決や価値創造を重視する社会への変革が求められるなか、顧客となる人々の声に耳を傾け、寄り添い、共に発展してまいりました。こうしたなかで当社は、ビジネスにおける価値創造の源泉は「人(=個)」にあると考え、昨年2つのオフィスブランドを開業しました。拠点に縛られない働き方を実現するサテライト型シェアオフィス「H¹T(エイチワンティー)」(Human First Time)、従業員10名未満向けのクオリティ スモール オフィス「H¹O(エイチワンオー)」(Human First Office)、オフィスビルの事業思想「HUMAN FIRST」を具現化した両ブランドは、個人の生産性を高めるオフィスとして評価いただいていますが、生産性がよりいっそう高まる環境づくり、新しいオフィスのあり方について様々な調査研究を通じて探っていく組織が「HUMAN FIRST 研究所」です。

 本研究所の設立にあたり、東京と大阪で働くオフィスワーカー624名を対象に、「働く場所と生産性に関する意識調査」を実施したところ、緊急事態宣言下の在宅勤務の過程でオフィスに求める価値や役割が変化していることが明らかになりました。

【主な調査結果】
■緊急事態宣言下の在宅勤務のパフォーマンスについて57.5%が「よくできている」と回答。在宅勤務で感じるメリットの上位は、「自分のペースで仕事ができる(83.2%)」「家族や余暇に使える時間が増える(81.5%)」。デメリットの上位は「通勤しないため運動不足(79.9%)」「勤務時間とプライベートの切り替えが難しい(62.0%)」

■「オフィスに毎日出社すべき」と考える人の割合は、緊急事態宣言前(40.4%)から緊急事態宣言解除後(6.9%)にかけて大幅に低下。緊急事態宣言解除後は「オフィス、在宅、サテライトを組み合わせた活用がよい」と考える人(72.4%)が大多数

■緊急事態宣言以前と比べ、オフィスに求める価値として上昇したのは、「リラックスして仕事ができる場所(+13.1pt)」「ワークライフバランスが実現できる場所(+12.2pt)」としての役割

 「HUMAN FIRST研究所」では、こうした時代の変化を的確に捉えると同時に、人が本来保有する普遍的な能力の研究を通じてこれからの働く場に必要な視点を発見、それらをオフィスに実装していくことで、価値創造社会の実現に貢献します。

●「HUMAN FIRST 研究所」について
 「HUMAN FIRST 研究所」では、企業や有識者とのパートナーシップの下、様々な協働研究や調査を実施してまいります。また研究や調査で得た新たな知見は、新しいブランドや新サービスのプロトタイプ開発にも役立てていきます。なお、「HUMAN FIRST 研究所」は、今後の協働研究におけるパートナーを広く募集していく予定です。

《今後の研究テーマ(予定)》
✓価値創造社会における新しいオフィスの新条件
✓「人間回帰」と「人間進化」を目指した、オフィス空間の研究
✓ 企業経営に効果的な「生産性」の指標づくり
(=オフィスへの投資と労働生産性向上の関係)

「HUMAN FIRST 研究所」の詳細はこちらからご覧ください。
https://www.officenomura.jp/kenkyujo

●HUMAN FIRSTについて 
 「HUMAN FIRST」とは、価値創造社会を生き抜くために、働く人の気持ちに寄り添い、個の能力を最大限発揮できる(=人の潜在能力を解放する)オフィスとサービスを提供するという事業思想です。当社では、人の潜在能力を解放する方法として2つの考え方が存在すると考えています。ひとつは、デザインやテクノロジーの力で、人間が保有する能力を120%、150%へと高める「人間進化」という考え方。もうひとつが、「ストレスにさらされながら働く現代のビジネスパーソンは、そもそも人間が本来保有する能力を使い切れていないのではないか」という仮説に基づき、個々の能力を100%発揮できる状態に取り戻す「人間回帰」という考え方です。この2つのアプローチを通じて、社員一人ひとりのエンゲージメント、創造欲、ウェルビーイングなどを高め、一人当たりの生産性UP(付加価値/投下時間)を目指します。

 
▼Withコロナ時代の働く場所と生産性に関する意識調査
 当社は「HUMAN FIRST 研究所」の設立にあたり、東京と大阪で働くオフィスワーカーを対象に「働く場所と生産性についての意識調査」を実施しました。価値創造社会およびWithコロナ時代におけるオフィスの新条件の抽出を目的にした本調査は、オフィスワーカーの意識やニーズの変化を的確に把握すべく、今後も研究所の活動として定点的に実施する計画です。次回の調査は2020年秋以降を予定しています。

<第1回 働く場所と生産性についての意識調査概要(2020年5月実施)>
 2020年4月7日の緊急事態宣言以降に週3日以上在宅勤務を経験した、東京と大阪に勤務するビジネスパーソン624名を対象に、働く場所と生産性についての調査を実施。以下≪調査結果のポイント≫に記載した以外の調査結果は、「HUMAN FIRST 研究所」ホームページに掲載しています。また、2020年6月末には、調査結果の詳細分析レポートを掲載予定です。
https://www.officenomura.jp/kenkyujo

《調査結果のポイント》
■緊急事態宣言下の在宅勤務のパフォーマンス 過半数の57.5%がよくできていると回答
 緊急事態宣言下における在宅勤務のパフォーマンスについて聞いたところ、57.5%が「よくできている」と回答しました。また「できていない」と回答した人は14.1%、「どちらとも言えない」が28.4%という結果になりました。

 
■緊急事態宣言以前と比べた現在の個人のパフォーマンス 最も向上したのは「ワークライフバランス」
 在宅勤務のなかで、パフォーマンスが「あがった(またはさがった)」と感じる項目を聞いたところ、「ワークライフバランス(61.6%)」、「集中力(38.7%)」、「心理的安全性(35.0%)」、「業務の効率性(34.9%)」は「あがった」との回答が多く、「肉体疲労(59.9%)」、「ストレス(34.1%)」は「さがった」との回答が多く挙げられました。なお、「集中力」は32.3%、「業務の効率性」は31.7%の人が「さがった」と回答しており、個人で感じ方に差が出る結果でした。(カッコ内はあがった/さがったと回答した人の割合)

■≪緊急事態宣言以前≫と≪現在≫で、在宅勤務で感じるメリット・デメリットの度合いに変化
 緊急事態宣言以前と現在のそれぞれにおいて、在宅勤務に対して感じるメリットとデメリットを聞いたところ、回答の割合が上昇し、メリットとして顕在化したのは、「家族や余暇に使える時間が増えた(81.5%,+25.6pt)」「通勤時間削減により仕事に良い影響がある(70.8%,+17.6pt)」「自分のペースで仕事ができる(83.2%,+14.5pt)」「業務時間が有効に使える(78.7%,+8.8pt)」でした。逆にデメリットとして顕在化したのは、「通勤しないため運動不足(79.9%,+22.5pt)」「ネット環境やオンラインツールの不具合で効率が落ちる(52.2%,+20.9pt)」「勤務時間とプライベートの切り替えが難しい(62.0%,+14.1pt)」」「周囲に相談や報告が気軽にしにくい(59.9%,+14.1pt)」でした。

■今後の働き方「オフィス、在宅勤務、サテライトオフィスを組み合わせたい」が72.4%で最多
 本社や支社オフィスに出社して働くことについての考え方を聞いたところ、「本社や支社オフィスに毎日出社して働くべき」と考える人の割合は、緊急事態宣言前(40.4%)から緊急事態宣言解除後(6.9%)にかけて大幅に低下。緊急事態宣言解除後は、「オフィス、在宅勤務、サテライトオフィスを組み合わせた活用がよい」の割合が上昇して72.4%となり、最も多くなっています。
■今後のオフィスの床面積は、「必要」「同じで良い」「必要ない」が約3割で横並びの結果に
 今後の働く場所について、主たる拠点となるオフィスの座席数、会議室等の面積について、現在と比較して必要性があるかどうかを聞いたところ、「必要(34.1%)」「同じでよい(31.4%)」「必要ない(34.1%)」と、それぞれの意見が横並びの結果となりました。
■オフィスに求める価値や役割 「変化した」が6割超
 緊急事態宣言以前と現在の考え方を比べて、主たる拠点となるオフィスに求める価値や役割について聞いたところ、「変化した」との回答が64.4%に上りました。

 
■オフィスに求める価値「リラックスして仕事ができる」「ワークライフバランスが実現できる」が上昇
 緊急事態宣言以前にオフィスに求めていた価値や役割について聞いたところ、上位は、「コミュニケー ションがとりやすい場所」「チームワークを最大化できる場所」「集中力が発揮できる場所」でした。一方で現在は、コミュニケーションやチームワーク、集中力のニーズは引き続き高いものの、「ワークライフバランスが実現できる場所(+13.1pt)」「リラックスして仕事ができる場所(+12.2pt)」のニーズが上昇しています。

【調査概要】
調査期間:2020年5月28日~5月30日                         
調査方法:インターネット調査
対象:2020年4月7日の緊急事態宣言以降に週3日以上在宅勤務を経験した、ビジネスパーソンの男女624名(企業規模:1000名以上/300名以上~1000名未満/300名未満、役職:経営層・管理職/一般職)、かつテレワークができる環境にあったオフィスワーカー(店舗工場等の勤務者除く)

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