雇用や飲食、進学、クルマ選びの7領域に新たな波 2020年のトレンド予測を発表
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■2020年のトレンド予測キーワード
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「おもて無グルメ」(飲食領域)
「アルダイバー」(雇用領域(アルバイト))
「健朗シニア」(雇用領域(シニア))
「出勤オフ派遣」(雇用領域(派遣))
「職住融合」(住まい領域)
「ワクモチ進路」(進学領域)
「らしさCAR」(自動車領域)
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■詳細
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●飲食領域:「おもて無グルメ」
味優先でサービス簡略化OK!“おかまいな食ぅ”な消費者に料理勝負の提案が活発に!
【概要】
消費者は食事や食べ方にも多様性を求めており、外食では「料理のクオリティ」に妥協しない傾向がある。
一方、外食業界では「軽減税率」「キャッシュレス推進」「人件費高騰」などの環境変化やテクノロジー導入などをきっかけに、「料理」と「サービス」の価値や対価を見直し、両者を分けて考える動きが広がってきている。
消費者と外食業界のニーズの接点であるサービスを簡略化し、その分、おいしさを追求した「おもて無グルメ」が人気を博している。
【背景】
①消費税増税で外食10%・中食8%と2ポイントの差がついた2019年。外食にはより高い満足度が求められている。
②消費者が外食に求める優先順位は「料理」>「サービス」。
③「サービス(接客、設備・空間など)に価値を置かずに質の高い料理を提供する外食店」は少なく、消費者ニーズとのギャップがあった。
●雇用領域(アルバイト):「アルダイバー」
多国籍アルバイターが、分け隔てなく活躍できている状態に一般化の兆し!
【概要】
従来の人手不足解消の目的に加え、将来の会社の戦力として多国籍人材の積極採用・定着に成功している企業が増え始めている。
また、2019年4月「改正出入国管理法」施行影響も含め、在留外国人数は増加傾向。アルバイトとして働き始めて、その後、店長・リーダーのような企業の重要な戦力として活躍している多国籍人材も増え始めている。
多国籍人材を積極活用する企業、そこで活躍する多国籍人材が増えていく状態を“アルダイバー”と呼びます。
【背景】
①多国籍人材雇用に関する、企業の意識変化。人手不足の対応ではなく、戦略的に採用している先進的な企業が増加。
②生活者・先進企業において “多国籍人材のアタリマエ化”は進行。
③特にサービス業で、多国籍人材の活躍が社内の従業員満足度を上げ、人材が定着することで顧客対応の質も上がり、業績も向上する好循環を生んでいる。
●雇用領域(シニア):「健朗シニア」
イキイキ活躍し続けられる職場で働く、心身ともに元気なシニア従業員が増加傾向!
【概要】
日本の生産労働人口が減少するなか、企業にとってシニア人材の受け入れは大きな課題だ。
シニア世代が活躍するための3大要素は「生きがい」「健康」「お金」。
企業が「社会貢献」「従業員への健康サポート」「多様な人材への投資」を意識して支援することで、「健康」で心身ともに「朗らか」なシニアが増えていく兆しがある。
【背景】
①内閣府の統計で、2001~2016年の平均寿命と健康寿命(※)は男女ともに延びた。
しかし、平均寿命から健康寿命を引いた差は、男性で約8歳、女性で約12歳である構図に変化はなく、健康寿命に改善は見られていない。
※「健康寿命」とは、人の手助けなし、日常生活に制限がない期間
②シニアの「永く働きたい」という就業意欲は高い。60~74歳の男女を対象とした調査では、5~10年先まで働きたい人が多勢で、70歳を越しても「働きたい」シニアが約7割だった。
③シニアの働く理由は「お金、健康、生きがい」で、不安なのは「体力」。一方でシニア採用に積極的ではない企業が7割を占めるが、その理由も「健康状態・体力が不安なため」だった。
●雇用領域(派遣):「出勤オフ派遣」
介護や育児、傷病などの制約があったり、副業と両立したりする派遣スタッフが、就業先での勤務と在宅ワークを組み合わせることで、活躍し始めている!
【概要】
未曾有の人手不足のなか、多様な働き手を受け入れる仕組みの導入が求められている。
ITインフラの進化や働き方改革の浸透により、職場環境が変化するなか、派遣スタッフが、在宅ワークを組み合わせることで、活躍している。企業側がITインフラを整備し、ルールを3つ決めるだけで「出勤オフ派遣」を導入でき、人材確保や生産性向上が可能になる。
東京2020オリンピック・パラリンピック開催を前に、事業継続していくために取り組むべき最優先事項である。
【背景】
①深刻な人手不足のなか、育児や介護と仕事を両立する人の割合が増加するなど、多様な働き手が増加している。
②人材確保、働き方改革を目的とした企業のテレワーク導入が増えている。総務省の調査では、テレワーク導入の目的を「優秀な人材の確保」と回答した企業は、2015年の5.1%から2017年には16.1%と3倍以上に。同じく2015年と2017年の比較で、「育児中の女性等への対応」は10.9%から22.5%と倍増した。
③従業員にテレワーク導入している企業は35%ある一方で、派遣スタッフへのテレワーク導入はたったの1%にとどまる。
●住まい領域:「職住融合」
テレワークを前提とした家選びや街選びの潮流が!
【概要】
テレワークの普及により、働く場所が多様化。
その流れから自宅の間取りの一部をオフィス仕様にする「家なかオフィス化」や、街の中のコワーキングで仕事する「街なかオフィス化」が生まれている。
さらに、職住の距離の制約が薄まるなかで、職場に縛られない「街選びの自由化」が進む兆しもある。
【背景】
①東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、国がテレワークを推進している。総務省の調査では、2020年にはテレワーク導入企業が2012年度(11.5%)比で3倍に増えるとしている。
②テレワークをきっかけに、70%は自宅を仕事に適した環境に整えている。さらに、テレワークがきっかけでの引っ越しを実施・検討・希望している人は約5割にのぼっている。
③事業者に目を移しても、室内や共有部にワークスペースを顧客に提案する動きがある。
●進学領域:「ワクモチ進路」
“自分軸”に目覚めることにより生まれた、ワクワクするモチベーションを大切にした進路選び!
【概要】
学校の授業や学校外での「まなび」の機会をきっかけに、自分のやりたいことや夢・目標ベースで学ぶ環境を積極的に選択する高校生が増えてきている。従来は一部の意識高い系やスポーツ選手など、特定の学生に多かった進路選択だが、学校の授業や学校以外でのまなびの経験がきっかけとなり、裾野が広がってきている。
出る杭は打たれる、ではなく出る杭をともに育てていく教育がトレンドになってくる兆しだ。
【背景】
①現在の高校生とその保護者世代が高校生だった時分では、取り巻く環境と必要な資質に違いがある。
②身につけた知識・技術を活用してなりたい自分へ自力で道を切り開きたい「プロ突進タイプ」は年々増加している。2009年の19.6%から、2014年には25.2%に増え、 2019年には33.6%まで上昇した。
③探究モードが加速し、特色あるカリキュラムで出る杭をともに育み・伸ばす高校が増えている。
●自動車領域:「らしさCAR」
自分らしさの実現・表現手段としてのクルマに焦点!
【概要】
「クルマ=移動手段」「クルマ=メーカー製品」という図式がゆるやかに崩れてきている。
自分らしい用途に合わせて居心地よく過ごせる空間(サードプレイス)や自分らしさを反映する大きな持ち物(アウター/アクセサリー)として、クルマの購入・活用の価値が “自分らしさ” の実現・表現 を軸に再定義されていく傾向にある。
【背景】
①メーカー主導で作られているプロダクトの良し悪しでなく、購入者主体の “自分らしさ”を 中心とした消費へ移行。
②モーターショーでも、クルマ単位の展示からクルマとの関わり方に徐々に移行。クルマの使い方に特化したイベントも新たにスタートしている。
③特に若者はクルマに移動手段以上の価値を見出している。20・30歳代の半数以上が、「クルマは自分の人生を広げ、豊かにしてくれるものである」と捉えている。
④見た目の「らしさ化」においても、若者の感度は高い。20歳代の4割以上が「クルマはファッションの一部である」とし、37%が「誰ともかぶらないクルマに乗りたい」と考えている。
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【本件に関するお問い合わせ先】
https://www.recruit.co.jp/support/form/
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