日本TI、スマート・スピーカーに大声で呼びかけることが不要になる、4倍の距離でファー・フィールド音声キャプチャが可能な新しいBurr-BrownオーディオADCを発表
スマート・ホーム・アプリケーションでのクリアで高音質オーディオのために120dBのダイナミック・レンジを実現
スマート・ホーム・システムが直面している課題に、ファー・フィールド音声キャプチャがあります。現在のシステムでは、限られたマイクの数と信号処理能力の制限から、騒音の大きい環境の中で音声コマンドを受け取って理解することは困難です。この課題に取り組んだ『TLV320ADC5140』では、部屋の反対側からの音声でも良好にキャプチャできるようになります。上位モデルのスマート・スピーカーや、サウンド・バー、ワイヤレス・スピーカー、高解像度テレビ、IPネットワーク・カメラ、テレビ会議システム、スマート家電などのアプリケーションにこのADCを用いることで、小声で発せられるコマンドの認識率が向上します。高性能クラスDアンプ、データ・コンバータ、オペアンプといった、TIの高品質Burr-Brownオーディオ・デバイスの製品ポートフォリオに加わる『TLV320ADC5140』は、アレイのマイクの数を減らすことでシステム設計コストの削減にも貢献します。
『TLV320ADC5140』の主な特長と利点
- ビーム形成システムでどんな環境でもクリアな音声キャプチャ:『TLV320ADC5140』は120dBダイナミック・レンジ・エンハンサ(DRE)を内蔵。システム・レベルで、DRE方式が低音量のオーディオ信号を増幅すると同時に、スピーカー出力のすぐ近くであっても歪みの少ない録音を維持。DREは同様に、あらゆる環境で高音質ファー・フィールド録音を改善
- 最上級マイクの音声に高品質で対応:『TLV320ADC5140』はADCとして初めて、ダイナミック・レンジが106dBを超える、信号対雑音比の高い最新のマイクに完全に対応
- これまでにない統合機能により幅広く応用できるシステム設計を実現:『TLV320ADC5140』のシステムは、最大で4チャネルのアナログまたは8チャネルのデジタル・マイクロフォン(あるいはアナログとデジタルの組み合わせ)に柔軟に対応。また、マイクロフォン・アレイの不整合を均等化するゲインおよび位相キャリブレーションなどのプログラム可能な機能も搭載。その他にも、プログラム可能なゲイン・アンプ、ハイパス・フィルタ、チャネル・ミキシング、リニア・フェーズまたは超低レイテンシのデシメーション・フィルタなどの機能を装備
- 小型で低いシステム消費電力:『TLV320ADC5140』に内蔵された機能を利用することで、デジタル信号処理の負担が軽減されるため、システムの信頼性を損なわずに設計サイズを縮小することが可能。チャネルあたりの消費電力は48kHz時でわずか9.5mW
パッケージ、供給と価格について
『TLV320ADC5140』はTI storeで供給中です。4mm×4mm、24ピンのWQFNパッケージで、1,000個受注時の単価は2.99ドルです。『TLV320ADC5140』クワッド・チャネル、768kHz、Burr-BrownオーディオADCの評価モジュール『ADC5140EVM-PDK』は199ドル(数量限定)にて供給中です。
TIの『TLV320ADC5140』に関する情報
- データシートのダウンロード:オーディオADC『TLV320ADC5140』
- 導入用ビデオ:「オーディオADCを使った騒音環境でのファー・フィールド音声キャプチャの実現」(英語)
- アプリケーション・ノート(英語)
・「TLV320ADC5140/6140のダイナミック・レンジ・エンハンサの利用」
・「共有TDMとI2Cバスを使用する複数のTLV320ADCx140デバイス」
- TIが提供するクラス最高のサウンド品質を誇る高性能オーディオADCの豊富なラインナップを参照
- TI E2ETMデータ・コンバータ・フォーラムで技術/設計質問に対するTIのエキスパートからの回答を検索
※Burr-BrownおよびE2Eは、Texas Instrumentsの商標です。すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
コネクテッド・カーおよびインテリジェントホームから自己測定医療機器や自動化工場まで、テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、会長、社長兼CEO:リッチ・テンプルトン、略称:TI)の製品は、あらゆる種類のエレクトロニクス・システムに活用されています。TIは、30か国以上で事業を展開し、アナログICおよび組込みプロセッサの設計、製造、検証および販売を行っています。世界中で約3万人の当社の従業員は、誠実、革新、コミットメントをコア・バリューとし、テクノロジーの未来を形作るため日々の業務に取り組んでいます。当社の情報はホームページ(http://www.ti.com )をご参照ください。
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:サミュエル・ヴィーカリ、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における外資系半導体サプライヤです。当社に関する詳細はホームページ(http://www.tij.co.jp )をご参照ください。