アフリカ貿易保険機構(ATI)、日本貿易保険(NEXI)および日本の大手銀行が日本からアフリカへの投資促進に向けた基盤を整備
- 東京で第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開催される中、アフリカ貿易保険機構(ATI)は日本の最大手の銀行3社および日本の輸出信用機関である日本貿易保険(NEXI)と覚書を締結
- ATIおよびNEXIはTICAD7において、日本の企業や投資家向けにリスク回避のための個別サポートを提供するためにケニア・ナイロビのATI本部にジャパンデスクを開設することを発表
- ATIは現在、日本の銀行から10億USドルを超えるトランザクションパイプラインを確保
横浜-EQS - 2019年8月30日 - 本日閉幕した第7回アフリカ開発会議は、期間中、数十億ドル規模の提携関係やトランザクションが調印されるプラットフォームを提供して、アフリカの開発をテーマとした国際的なイベントとしては世界最大級の規模となりました。今回、さまざまな新たな合意に加え、アフリカ貿易保険機構(ATI)と日本の輸出信用機関である日本貿易保険(NEXI)は、ATIのナイロビ本部にジャパンデスクを設立することも発表しました。両機関はより多くの日本企業にアフリカ市場への進出や投資を促すために、リスクに対する保証の枠組み強化に取り組むことになり、ジャパンデスクはこの取り組みが円滑に進むよう支援します。
ATIはまた、すでに覚書を交わしている三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)に加えて、今回、三井住友銀行(SMBC)、みずほ銀行とも覚書を締結し、日本の大手銀行3行と覚書を交わすことになりました。この合意は、日本がアフリカを戦略投資先として見ていることを世界に示すと同時に、日本企業や投資家が世界で最も急速に成長を遂げるアフリカ地域における商機をより有効に収益化する機会を提供するものでもあります。
ATIは過去3年間、日本の最大手の金融機関の融資の一部をカバーする保険を提供し、アフリカ向けの総額10億ドル近いトランザクションがソブリン・デフォルトに陥るリスクに対する保証を行ってきました。これらの資金の一部は、アフリカ各国への援助として、現地通貨債務であることの多い高額な短期融資を、より返済可能な構造の長期融資に組み替えられました。このようなサポートは幅広い範囲の優先分野貸付でも行われ、日本の最大手の銀行によって画期的な2つの資本市場トランザクションが行われることによって、ATIの保証を受けた融資は新たなクラスの機関投資家を一気にアフリカ市場へ呼び込みました。
こうした連携強化と併せて、ATIは総額10億ドルを超える強力なトランザクションパイプラインを確保しており、今後、アフリカ各国で日本からより多くの輸出企業や金融機関をサポートできるものと期待しています。
コメント:
アフリカ貿易保険機構 暫定CEO ジョン・ランテーニュ(John Lentaigne)氏:
TICAD7への参加が素晴らしい成果を挙げました。日本の企業や金融機関により高いレベルのリスク回避が提供できる見通しが得られ、今後、日本からアフリカへの投資の可能性をさらに大きく拡大させる大きな要因になるものと、大いに期待しています。
日本貿易保険(NEXI) 代表取締役社長 黒田 篤郎氏
NEXIとATIとの協力の枠組みを確立できたことは、今回のTICAD7期間中の最大の成果の1つだと言えます。ATIはアフリカにおける開発プロジェクトの支援に関して豊富な実績を持つ多国間の金融組織として高く評価されており、ここにジャパンデスクを開設することで、日本企業はATIによる信頼性の高いリスク回避策に簡単にアクセスできるようになります。TICAD7の公式サイドイベントでお約束したとおり、NEXIは今後ATIと緊密に連携して、日本企業のアフリカビジネスを一層促進して行きます
MUFG マネージングディレクター、 クリストファー・マークス(Christopher Marks)氏
ATIは超国家的な権限を活用し、アフリカ大陸全体に渡って戦略的な開発プロジェクトへの民間部門の投資を可能な限り効率化させ、アフリカにおけるリスク軽減のための唯一の組織としての地位を確立させています。ATIはこの分野における高次のイノベーションのためにまたとないパートナーです。
みずほ銀行 常務執行役員 EMEA地域本部長 永峰 宏司氏
今回の覚書の調印は、アフリカビジネスをさらに成長させていきたいという当社の強い意志と願望を示しています。当社は現地の信頼できる企業と密接に協働してアフリカにおける拠点を構築する戦略を採用しており、パートナーには優れた評判と特定分野における専門知識、アフリカの事情についての深いノウハウや実績が求められます。
アフリカでビジネスを展開する企業のニーズがますます複雑化する中、ATIは地域を支援するだけでなく、そうしたニーズに対応できる高度な資金調達策の創出の点でもまさに最前線にある機関でもあり、これ以上ない理想的なパートナーだといえます。
この覚書に調印したことによって、みずほグループもATIの洗練された資金調達ソリューションを活用できるようになり、アフリカ地域でこれまで以上に臨機応変にお客様をサポートできるようになります。
SMBC常務執行役員、欧阿中東本部長・欧州三井住友銀行、今枝哲郎氏
アフリカで当社の事業を拡大してお客様のニーズに応えていくには、現地の金融機関との協力が不可欠です。
今回、アフリカにおけるもっとも重要なパートナーの1つであるATIと覚書を締結したことによって、SMBCはアフリカでATIが提供するさまざまな保証と通じてお客様のアフリカとのビジネスをサポートすることができ、すでにこれまで築いてきた信頼関係を一層強化できるものと期待しています。
報道関係者のお問合せ:
Sherry.Kennedy
アフリカ貿易保険機構
シニアコミュニケーションオフィサー
sherry.kennedy@ati-aca.org, Mobile +254 714 606 787
備考:
アフリカ貿易保険機構(ATI)について
ATIはアフリカでビジネスを行う企業の貿易や投資のリスクをカバーするために、アフリカ各国によって2001年に設立されました。ATIは政治的リスク、保証債券、信用保険、政治的暴力、テロおよびサボタージュをカバーする保険を提供しています。2018年末時点でATIはアフリカ全体で460億USドル相当の貿易および投資を支援しており、その対象はアグリビジネス、エネルギー、輸出、住宅、インフラ製造、鉱業、電気通信と多岐にわたっています。ATIは10年以上に渡って、スタンダード&プアーズの財務基盤およびカウンターパーティ信用格付けにおいて「A/安定的」の格付けを維持しており、ムーディーズからは先ごろAAAの格付けを得ています。http://www.ati-aca.org/
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