日本TI、コネクティビティの拡張と制御性能の向上によりシステム・レベルの柔軟性を実現する新型C2000マイコンを発表
EtherCAT、イーサネット、およびCAN FDを統合した新しい通信機能により、モーター駆動やファクトリ・オートメーション、大電力グリッドといったアプリケーションに対応
日本テキサス・インスツルメンツは、EtherCAT、イーサネット、CAN FD(Controller Area Network with Flexible Data Rate)などのコネクティビティを統合した、新型のC2000(TM)マイコンを発表しました。C2000 F2838x 32ビット・マイコンにより、単独のチップでこれらの通信機能をACサーボ・ドライブやその他の産業システムに実装できるようになります。F2838xマイコンには3種類の産業用通信プロトコルが実装されているため、1つのマイコンを各システムの独自のニーズに合わせて調整することができます。これを実現する重要な要素が、新しいコネクティビティ・マネージャであるArm® Cortex®-M4ベースのサブシステムで、高い処理能力を必要とする通信の負荷を軽減し、最適なコネクティビティを実現します。これらの機能に加えて、C2000 F2838xマイコンでは、リアルタイム制御性能が強化され、これまでのC2000シリーズ・マイコンと比べて柔軟性も向上しています。F2838xマイコンの詳細については、下記関連リンクをご覧ください。
C2000 F2838xシリーズの主な特長と利点
- EtherCAT、イーサネット、およびCAN FDを統合:電気的に絶縁されたアーキテクチャ向けに、この新型マイコンは8つの受信チャネルを備えた高速シリアル・インターフェイスを使用し、最小ピン数で最大200Mbpsのチップ間通信を実行。CAN FDコントローラとトランシーバを内蔵した『TCAN4550 SBC』などのTIのシステム・ベーシス・チップ(SBC)と組み合わせることで、F2838xの高度に統合されたCAN FD設計を基に、CAN FDポートを手早く増設可能
- リアルタイム制御性能を強化:64ビット浮動小数点ユニットと高速な整数除算ハードウェアを用い、C28x中央処理装置をベースとした制御により差別化された機能と高精度設計を実現。サーボ・ドライブのアプリケーションでは、高速電流ループ・テクノロジーが、精度の高い位置制御を可能にするフィールド・オリエンテッド・コントロールを500ns未満で処理
- リアルタイム制御を容易にする柔軟なセンシング統合:C2000 F2838xシリーズにはシングルエンドの16ビットA/Dコンバータも内蔵され、使用できるチャネルがこれまでのC2000マイコンの2倍に増加するため、必要な外付け部品が最小限になると同時に、最短のシステム・レイテンシと最大限の制御ループ精度を実現。拡張された構成可能ロジック・ブロックにより、周辺機器のカスタマイズが可能になり、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)の必要性が減少あるいは不要
現在、C2000『TMS320F28388D』の量産開始前サンプルは、337ボール・グリッド・アレイ・パッケージでTI storeから供給中です。1,000個受注時の単価(参考価格)は14.00ドルから設定されています。製品開発の迅速な開始に役立つ、C2000『TMDSCNCD28388D』開発キットも249ドルでTI storeから供給中です。モーター制御およびデジタル電源向けのソフトウェア開発キットが6月末までにリリースされる予定です。
C2000 F2838xのテクノロジーの詳細情報
- 技術ブログ記事「新しいコネクティビティ機能を獲得したリアルタイム・コントローラ」を参照
- F2838xのデータシートのダウンロード
- 最新のツールのチェックとサンプルの注文
※C2000はTexas Instrumentsの商標です。すべての登録商標および商標はそれぞれの所有者に帰属します。
テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:グレッグ・ハンタック、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における外資系半導体サプライヤです。当社に関する詳細はホームページ(http://www.tij.co.jp )をご参照ください。