シーメンスとNVIDIA、インダストリアルAIの発展を加速

シーメンス株式会社

  • チップからAIファクトリーまで、AIを支えるテクノロジーを進化させ、フィジカルな産業を変革するAIアプリケーションを提供
  • より優れたチップ設計:AIエージェントが複雑な設計タスクを自動化し、チップ設計者が検討できる設計オプションを50倍に拡大
  • AIファクトリーの迅速な構築:リファレンスデザインにより計画と導入を簡素化。シーメンスとDeltaが共同設計したプレハブ式受配電モジュールにより、データセンターの市場投入までの時間を最大50%短縮
  • AIファクトリーの環境負荷を低減:物理ベースのデジタルツイン技術により、エネルギー使用の最適化、系統接続の評価、建設前の騒音低減対策の検証を支援
  • エンジニアリングにおけるAI活用:エンジニアが製品性能を最大1,000倍高速に予測
  • 製造現場におけるAI活用:適応型製造のモデルケースとなるシーメンスのエアランゲン工場で実証済みのAIアプリケーションを市場投入へ

シーメンスとNVIDIAは、製品設計と生産の現場にAIを導入するとともに、それを支えるAIファクトリーの構築を推進しています。CESで両社がパートナーシップの拡大を発表してから10カ月、両社は新製品の提供を開始するとともに、共同プロジェクトから得られた具体的かつ測定可能な成果を発表しました。

「インダストリアルAIは、お客様に100年に一度の機会をもたらし、これまで不可能だったことを可能にします。NVIDIAとともに、私たちは「Industrial AI Operating System」を構築しています。NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングとAIプラットフォームに、当社を代表するハードウェア、ソフトウェア、インダストリアルAI、データを組み合わせるものです。これにより、産業界が求める安全性、セキュリティ、信頼性を確保しつつ、お客様がよりスマートな製品をつくり、工場の生産性を高め、インフラをより効率的に運用できるよう支援します。」と、シーメンスAG代表取締役社長兼CEOのローランド・ブッシュは述べています。

NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・フアン氏は、次のように述べています。「AIは新たな産業革命を牽引し、あらゆる産業を変革するとともに、私たちが何を、どのようにつくることができるのかを再定義しています。シーメンスとともに、私たちはチップの設計方法やAIファクトリーの構築方法を再構築し、そのインテリジェンスを現実世界で活用することで、自律型エンジニアリングと製造の新たな時代を切り拓いていきます。」

AIを支えるチップの設計

AIはチップから始まります。より高い演算能力をより速く提供するため、シーメンスとNVIDIAは、シーメンスの電子設計自動化(EDA)ツールとNVIDIAのAIインフラストラクチャーを活用し、複雑なチップ設計タスクを自動化して、その結果を検証するAIエージェントを開発しました。最新のアプリケーションでは、この取り組みを電気解析と熱解析にまで拡張しています。

チップメーカーがより高性能なチップを構築するためにコンポーネントを積層するにつれ、熱管理は困難になり、性能向上の制約要因となり得ます。シーメンスのAI駆動型電気熱解析ワークフローにより、エンジニアは製造開始前に、熱がどこに蓄積し、それがチップ性能にどのような影響を与えるかを予測できます。AIエージェントは、シーメンスのEDAソフトウェアポートフォリオ内の複数のエンジニアリングツールにまたがって解析を計画・実行します。また、NVIDIA CUDA-Xライブラリは熱シミュレーションワークフローを高速化し、エンジニアによる代替設計案の迅速な評価を支援します。このワークフローにより、エンジニアは従来数日かかっていた複数のツールのセットアップを5分未満で済ませることができ、手作業と比較して50倍の設計案を検討することが可能になります。

AIを支えるインフラの構築

AIファクトリーは、データとエネルギーを大規模なAIへと変換します。NVIDIA DSXは、AIファクトリー向けのリファレンスアーキテクチャを定義しています。データセンターインフラの主要プロバイダーであるシーメンスは、電力網との接続からAIラックまで、NVIDIA DSXアーキテクチャに対して、配電、保護、オートメーション、制御システムを提供するとともに、施設全体を一つのシステムとして設計・構築・運用するためにお客様が活用するデジタルツインを提供しています。

シーメンス、NVIDIA、およびエコシステムパートナーは、米国および欧州市場向けに「NVIDIA DSX Vera Rubin Reference Design」を発表しました。この再現可能なアーキテクチャは、NVIDIA DSXの要件を実装可能な電力・制御インフラへと変換し、電力、冷却、コンピュートの各要件を統合し各地域の規格に対応させることで、計画、建設、運用を簡素化します。シーメンスとDeltaが共同設計した工場試験済みのプレハブ式受配電モジュールは、データセンターの市場投入までの時間を最大50%短縮できます。

NVIDIAと共同開発し、NVIDIA Omniverseライブラリを用いて構築されたシーメンスの物理ベースのデジタルツインは、事業者がこのインフラを単一のシステムとして計画・最適化することを支援します。建設が始まる前から、施設と電力網の連携、冷却能力が不足する可能性のある箇所、および連続稼働する冷却機器からの騒音が近隣住民にどのような影響を与えるかをデジタルツイン上で確認できます。事業者は、資金投入前に潜在的なボトルネックを特定して対処し、消費電力当たりのトークン生成効率に影響するインフラのトレードオフを評価し、騒音低減策を事前に検証することができます。これにより、現地の規制要件を満たし、地域社会からの信頼を築くことが可能になります。また、デジタルツインは、電力会社にも系統連系の評価判断材料を提供し、支援します。運用時において、連携されたテレメトリとシミュレーションにより、冷却効率や電力使用量を改善するためのポイントを特定できます。

AIを現実世界の成果につなげる

産業界でAIを実用化するということは、エンジニアがより優れた製品をより迅速に開発できるよう支援し、製造業者がより強靱で効率的なオペレーションを行えるようにすることを意味します。エンジニアが試作品を製作する前に、より多くの設計案を検証できるようにするため、シーメンスは自社のシミュレーションソフトウェアSimcenterと、NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングおよびNVIDIA CUDA-Xライブラリを組み合わせ、対応するシミュレーションワークロードを高速化しています。このパッケージはインターネット接続なしでも実行可能であり、機密データを現場に保持できます。シミュレーションは最大10倍高速化されます。Simcenter PhysicsAIは、シミュレーションデータで学習したモデルを使用し、従来のシミュレーションと比較して最大1,000倍高速に設計性能を予測します。さらに、ローカルAIエージェントがシミュレーションタスクを加速させ、手作業の負担を軽減し、エンジニアによる迅速な設計改善を支援します。

エアランゲンのシーメンス電子機器工場は、適応型製造のモデルケースとなっています。ここでは、シーメンスとNVIDIAが生産タスクを連携させ、品質検査の準備を行うAIアプリケーションを開発し実証してきました。Intelligence Center Xとシーメンスのオペレーションソフトウェアは、基幹業務システム(ERP)と製造現場からのデータおよびワークフローを統合します。NVIDIA Factory Operations Blueprint(FOX)を使用して構築されたAIエージェントは、この情報を活用して生産計画の調整と最適化を行い、製造業者が変化する状況に迅速に適応し、コストを最大20%削減できるよう支援します。

自動光学検査向けには、Process Preparation XがシーメンスのデジタルツインとNVIDIA Cosmos Data Factoryを活用してトレーニングデータを生成します。これにより、品質検査の準備における大きなボトルネックである物理的な試作品の製作が不要となり、市場投入までの時間を最大40%短縮することが可能になります。

また、製造業者は生産現場に変更を適用する前に、仮想空間でその影響を検証することも可能です。NVIDIA Omniverseライブラリを使用して構築されたDigital Twin Composerは、仮想工場モデルと実際の運用データを連携させ、AIを活用した工場スケジューリング機能により、部品の在庫状況、設備のメンテナンス、その他の変動要因に基づいて生産を最適化できます。先行顧客への導入事例では、スループットが20%向上しました。この実装は、運用のためのSiemens Intelligence Center X for operationsを通じて、NVIDIA Factory Operations Blueprint(FOX)を実用化するものです。

【参考資料】
本資料はシーメンスAG(ドイツ、ミュンヘン)が2026年10月22日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。本資料の正式言語はドイツ語および英語であり、その内容および解釈についてはドイツ語、英語が優先します。原文プレスリリースおよび関連資料は以下の URL よりご覧いただけます(英文)。
https://sie.ag/f5W6d

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)は、プロセスおよびディスクリート製造業界のあらゆる規模の企業が、バリューチェーン全体にわたるデジタルトランスフォーメーション(DX)とサステナビリティ変革を加速できるよう支援しています。シーメンスの最先端のオートメーションおよびソフトウェアポートフォリオは、製品と生産の設計、実現、最適化に革命をもたらします。また、オープンなデジタルビジネスプラットフォームであるSiemens Xceleratorを使用すると、このプロセスがさらに簡単、迅速、スケーラブルになります。シーメンスデジタルインダストリーズは、パートナーやエコシステムとともに、お客様がサステナブルなデジタルエンタープライズになることを支援します。 シーメンスデジタルインダストリーズは、世界中に約7万人の従業員を擁しています。

シーメンスAGについて
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、インダストリー、インフラストラクチャー、交通、ヘルスケアを中核事業とするテクノロジーカンパニーです。テクノロジーによってすべての人の毎日を変えることを、パーパスとして掲げています。シーメンスは、デジタルと現実世界を結び付けることで、顧客企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)とサステナビリティの変革を加速し、工場の効率化、都市の住みやすさ、輸送のサステナビリティの強化を支援します。産業用AIのリーディングカンパニーであるシーメンスは、その深い専門知識を活用し、生成AIを含むAIを現実世界のアプリケーションに応用することで、多様な産業のお客様にとってAIを身近で影響力のあるものにしています。またシーメンスは、「We pioneer breakthroughs in healthcare. For everyone. Everywhere. Sustainably. ヘルスケアをその先へ。すべての人々へ。」が企業理念で、世界的な大手医療技術プロバイダーである上場企業Siemens Healthineersの過半数の株式を保有しています。 2025年9月30日に終了した2025年度において、シーメンス・グループの売上高は789億ユーロ、純利益は104億ユーロでした。 2025年9月30日時点の全世界の社員数は約31万8,000人です。詳しい情報は、 https://www.siemens.com/ にてご覧いただけます。 https://www.siemens.com/

日本におけるシーメンスグループ
シーメンスは、1887年に東京・築地に初めてのオフィスを開設して以来、135年以上にわたり日本のお客様から信頼を寄せられるパートナーとして、日本の産業界の発展に貢献してまいりました。近年は特にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する先進的な製品やサービス、ソリューションの提供を中核事業として展開しております。グローバルなテクノロジーと知見、日本市場における経験を活かし、日本のお客様にデジタル化とサステナビリティの実現、競争優位性と価値創造力の強化をご支援してまいります。2025年9月末に終了した2025年度において、日本のシーメンスの売上高は約2,458億円、社員数はおよそ2,770人です。詳しい情報は http://www.siemens.com/jp にてご覧いただけます。

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