シーメンス、NVIDIA との協業でAI 駆動型自律工場の実現を加速

シーメンス株式会社

  • シーメンスのエアランゲン工場で新たなAIソリューションを披露。同工場をAI駆動型自律製造のグローバルモデルへ
  • 生産プロセスの完全な仮想化により、エンジニアリング工数を最大85%削減
  • AIエージェントを活用した生産計画により、変化に柔軟に対応できる製造と最大20%のコスト削減を実現
シーメンスは、ドイツ・エアランゲンの電子機器工場で新たなAIソリューションを発表し、NVIDIAとの協業によるAI駆動型自律製造の実現に向けて、新たなマイルストーンを達成しました。製造業界でも先駆的なこれらのアプリケーションは、AIとデジタルツインを活用して生産立ち上げを加速するとともに、変化に柔軟に対応できる生産計画を実現します。両社は、2026年1月にラスベガスで開催されたCESで、世界初となる完全AI駆動型製造拠点の構築を発表しました。

それ以来、エアランゲン工場でアプリケーションの共同開発と検証を進めてきました。  エアランゲン工場は、インダストリアルAIの実証拠点であると同時に、これらの機能を産業界全体へ展開するためのモデルケースでもあります。シーメンスとNVIDIAは、AIを製造業のオペレーティングシステムとして位置づけ、バリューチェーン全体にわたる製品の設計、製造、納品のあり方を変革することを目指しています。今後数カ月以内に、さらなるアプリケーションの展開も予定しています。

 「ドイツと欧州にとって、AIをデータセンターから工場へ導入し、産業規模で活用することは、歴史的な好機です。本日、エアランゲンの電子機器工場で、NVIDIAとともにその実現方法を披露します。エアランゲン工場は年間7%の生産性向上を達成しており、世界で最も先進的な製造拠点の一つです。同時に、年間約3,000人のお客様を迎える、産業イノベーションのグローバルな交流拠点でもあります。ここでは、産業の未来が議論されるだけでなく、今まさに現実のものとなっています。」と、シーメンスAG取締役兼デジタルインダストリーズCEOのセドリック・ナイケは述べています。

 NVIDIAのフィジカルAIおよびシミュレーション担当バイスプレジデント、レブ・レバレディアンは次のように述べています。
「工場には、反復作業への対応だけでなく、変化への適応も求められます。AIとシミュレーションは、その両方を可能にします。エアランゲンでは、シーメンスとNVIDIAが長年にわたる協業の成果を実際の生産現場に生かしています。物理的な試作品が完成する前に検査システムをトレーニングし、実際の生産環境に変更を加える前に、シミュレーション上で生産計画を設計・検証しています。私たちは共に、世界各地で自律型工場を実現するための青写真を構築しています。」 

シーメンスとNVIDIAの共同チームは、NVIDIAのAI、シミュレーション、アクセラレーテッドコンピューティング技術と、シーメンスの産業用ソフトウェア、オートメーション、製造に関する専門知識を組み合わせ、10カ月足らずで最初のAIソリューションを開発しました。実際の製造現場で直接検証することで、現場の要件を反映したソリューションを開発しました。これらの新技術は、生産計画や製品開発などの分野において、これまでにない改善をもたらします。 

エアランゲン工場で製造するドライブや周波数変換器の中核部品となる新しいプリント回路基板(PCB)アセンブリでは、生産準備を仮想環境で行うことにより、エンジニアリング工数を最大85%削減し、市場投入までの期間を最大40%短縮できます。このワークフローは、従来の重要なボトルネックを解消します。これまでは、画像検査システムのトレーニングや検査装置の手動設定に物理的な試作品が必要だったため、品質検査の準備に数週間を要していました。現在では、AIがデジタルツインを基にPCBアセンブリのフォトリアルな画像を生成し、画像検査システムをトレーニングします。これにより、エンジニアは物理的な試作品が完成する前に検査準備を進めることができます。

  工場の生産計画でも、新たなAI技術により、設備稼働率、資材の在庫状況、納期、生産ライン間のバランスを、より迅速かつ効率的に最適化できます。従来は、計画担当者が経験に基づいてさまざまな要因を比較検討し、最適な判断を下す必要がありました。現在、シーメンスのエアランゲン電子機器工場では、AIエージェントがこのプロセスを支援しています。新規注文を受けると、AIエージェントが複数の生産シナリオを自動生成し、設定されたKPIに基づいて、それぞれの選択肢が及ぼす影響を計画担当者に提示します。実行に移す前に、各提案を生産設備全体のデジタルツインで検証します。このエンド・ツー・エンドのAIエージェント型生産計画により、新規受注、資材不足、顧客要件の変更に製造現場がより柔軟に対応できるようになると同時に、最大20%のコスト削減が可能になります。

これらの成果は、シーメンスの産業用ソフトウェアと製造に関する専門知識を、NVIDIAのテクノロジーと組み合わせることで実現しました。品質検査では「NVIDIA Cosmos」ワールドモデルがリアルなトレーニングデータを生成します。「NVIDIA Factory Operations Blueprint」は、生産計画を立案し、変化する生産ニーズへの対応を支援するAIエージェントをサポートします。また、「NVIDIA Omniverse」ライブラリを活用することで、実際の工場データに基づき、これらの計画を仮想環境で検証できます。

南ドイツにあるシーメンスのエアランゲン工場は1971年に設立され、約1,000人の従業員が勤務しています。同工場では、工作機械、バッテリー生産、プロセス産業、ディスクリート産業など、産業・インフラ分野向けのパワーエレクトロニクスおよびオートメーション技術を製造しています。10年以上にわたり、実際の操業を続けながら、新たなデジタル製造技術の検証、開発、導入を進めてきました。現在、生産、物流、品質検査、メンテナンスの各分野で、100を超えるAIアルゴリズムが活用されています。同工場は2030年に向けてさらに拡張される予定で、シーメンスはこの変革に5億ユーロを投資しています。
 

上空から見たシーメンスの電子機器工場

【参考資料】
本資料はシーメンスAG(ドイツ、ミュンヘン)が2026年10月19日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に抄訳したものです。本資料の正式言語はドイツ語および英語であり、その内容および解釈についてはドイツ語、英語が優先します。原文プレスリリースおよび関連資料は以下の URL よりご覧いただけます(英文)。
https://sie.ag/3SzdvZ

シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)は、プロセスおよびディスクリート製造業界のあらゆる規模の企業が、バリューチェーン全体にわたるデジタルトランスフォーメーション(DX)とサステナビリティ変革を加速できるよう支援しています。シーメンスの最先端のオートメーションおよびソフトウェアポートフォリオは、製品と生産の設計、実現、最適化に革命をもたらします。また、オープンなデジタルビジネスプラットフォームであるSiemens Xceleratorを使用すると、このプロセスがさらに簡単、迅速、スケーラブルになります。シーメンスデジタルインダストリーズは、パートナーやエコシステムとともに、お客様がサステナブルなデジタルエンタープライズになることを支援します。 シーメンスデジタルインダストリーズは、世界中に約7万人の従業員を擁しています。

シーメンスAGについて
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、インダストリー、インフラストラクチャー、交通、ヘルスケアを中核事業とするテクノロジーカンパニーです。テクノロジーによってすべての人の毎日を変えることを、パーパスとして掲げています。シーメンスは、デジタルと現実世界を結び付けることで、顧客企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)とサステナビリティの変革を加速し、工場の効率化、都市の住みやすさ、輸送のサステナビリティの強化を支援します。産業用AIのリーディングカンパニーであるシーメンスは、その深い専門知識を活用し、生成AIを含むAIを現実世界のアプリケーションに応用することで、多様な産業のお客様にとってAIを身近で影響力のあるものにしています。またシーメンスは、「We pioneer breakthroughs in healthcare. For everyone. Everywhere. Sustainably. ヘルスケアをその先へ。すべての人々へ。」が企業理念で、世界的な大手医療技術プロバイダーである上場企業Siemens Healthineersの過半数の株式を保有しています。 2025年9月30日に終了した2025年度において、シーメンス・グループの売上高は789億ユーロ、純利益は104億ユーロでした。 2025年9月30日時点の全世界の社員数は約31万8,000人です。詳しい情報は、https://www.siemens.com/ にてご覧いただけます。 https://www.siemens.com/

日本におけるシーメンスグループ
シーメンスは、1887年に東京・築地に初めてのオフィスを開設して以来、135年以上にわたり日本のお客様から信頼を寄せられるパートナーとして、日本の産業界の発展に貢献してまいりました。近年は特にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する先進的な製品やサービス、ソリューションの提供を中核事業として展開しております。グローバルなテクノロジーと知見、日本市場における経験を活かし、日本のお客様にデジタル化とサステナビリティの実現、競争優位性と価値創造力の強化をご支援してまいります。2025年9月末に終了した2025年度において、日本のシーメンスの売上高は約2,458億円、社員数はおよそ2,770人です。詳しい情報は http://www.siemens.com/jp にてご覧いただけます。

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