リベラルアーツ学群田中一孝教授が参画するHumanitextが国際研究プログラムHAVIに採択

桜美林大学

桜美林大学リベラルアーツ学群の田中一孝教授が参画する研究プロジェクト「Humanitext」が、米国の非営利団体Schmidt Sciences(シュミット・サイエンシズ)が主催する国際研究プログラム「Humanities and AI Virtual Institute(HAVI)」に採択されました。世界42か国から501件の応募が寄せられる中、採択された19件の一つです。本プロジェクトでは、AIと人文学の専門知を組み合わせ、古典文献間の引用や批判、言い換えなどの関係を明らかにし、文献同士のつながりを根拠とともにたどることができる知識グラフの構築を目指します。 AIと専門家の協働で西洋古典をつなぐ知の系譜を可視化へ 桜美林大学(東京都町田市、/学長:畑山浩昭)リベラルアーツ学群の田中一孝教授が参画する研究プロジェクト「Humanitext」が、米国の非営利団体Schmidt Sciences(シュミット・サイエンシズ)の国際研究プログラム「Humanities and AI Virtual Institute(HAVI)」に採択されました。世界42か国から寄せられた501件の応募のうち、採択された19件の一つです。 本プロジェクトは、名古屋大学デジタル人文社会科学研究推進センターの岩田直也准教授を研究代表者とし、本学、東京大学、国立情報学研究所の研究者が共同で進めます。AIが古典文献間の引用・批判・言い換えなどの関係を提案し、専門家が検証することで、文献どうしのつながりを根拠とともにたどれる知識グラフを構築します。 採択プロジェクトと助成の概要 正式名称は「Humanitext: A Human-AI Co-Creation Platform for Verified Classical Scholarship(ヒューマニテクスト:検証可能な古典研究のための人間とAIの共創プラットフォーム)」です。助成総額は、2026年10月から2029年9月までの3年間で81万6,667米ドル(約1億2800万円)。助成金は各18か月の2期に分けて交付され、第2期分は進捗評価を経て交付される予定です。 田中教授の役割 田中教授は、ギリシア哲学の専門的知見を生かし、古典文献の解釈と文献間の関係の検証に取り組みます。注釈作業の指針づくりや、注釈者間で判断がどの程度一致するかの評価など、注釈の品質管理を担うとともに、知識グラフデータベースの設計をしながら、専門家として最終検証を行います。 研究の背景 西洋古典学では、一つの文章に複数の読み方や翻訳があり、何世紀にもわたる注釈が積み重なっています。汎用のAIには、こうした解釈の違いや文献間の関係を十分に扱えず、出典の取り違えや存在しない引用などの誤りを生むという課題があります。研究グループはこれまで、ギリシア語・ラテン語の古典2,300作品以上を対象に、自然な言葉で質問すると根拠となる原典箇所を示して答えるAI研究プラットフォーム「Humanitext Antiqua(ヒューマニテクスト・アンティクア)」や関連アプリケーションを開発し、2024年8月に公開しました。 図1 本プロジェクトの基盤となるHumanitext Antiqua AIと専門家が協働して文献間の関係を検証 本プロジェクトでは、Humanitext Antiquaを基盤として、AIと専門家が協働しながら文献間の関係を構築する仕組みを開発します。まず研究者が、哲学の注釈、歴史叙述、文学的な引喩などのジャンルから500件の関係を手作業で構築し、データ設計の検証と評価の基準にします。そのうえでAIが新たな関係の候補を提案し、専門家と大学院生のチームが一件ずつ採択・修正・却下を判断します。 検証した関係は、「引用」「引喩」「言い換え」「批判」といった種類に加え、関係の向き、確からしさ、検証の来歴を記録した知識グラフとして蓄積します。データの管理にはWikibaseとグラフデータベースNeo4jを組み合わせます。 図2 AIと専門家の協働による知識グラフ構築のサイクル さらに、検証済みの関係をAIの回答根拠として活用する手法「GraphRAG」を用い、従来の検索拡張生成(RAG)と比べて回答の信頼性や引用の正確さがどれだけ向上するかを評価します。評価には外部の古典学者の協力も得る予定です。3年間で1万件以上の検証済みの関係を構築し、3年目にはラテン語文献へも展開することを目指します。 期待される成果と波及効果 構築した知識グラフ、注釈用ソフトウェア、評価用ベンチマークデータは、オープンなライセンスで公開する予定です。知識グラフに基づく機能はHumanitextを通じて一般ユーザーにも提供します。これにより、注釈者の間でどの議論が争われてきたか、思想が時代や伝統を越えてどう変化したかといった問いを、データに基づいて誰もが検討できるようになることが期待されます。 また、AIの提案を専門家が検証し、その結果をAIの改善につなげる仕組みは、医学文献や法律など、正確さが求められる専門分野への応用も期待されます。 研究体制 氏名所属と役職主な役割岩田 直也 研究代表者名古屋大学 デジタル人文社会科学研究推進センター 准教授 (クロスアポイントメント機関:国立情報学研究所)研究統括、間テクスト性研究の設計、RAG/GraphRAG開発の統括、専門家としての最終検証田中 一孝桜美林大学 リベラルアーツ学群 教授ギリシア哲学の専門的知見、注釈の品質管理、専門家としての最終検証小川 潤東京大学 大学院人文社会系研究科 助教グラフ設計、LOD連携、注釈インターフェース開発大向 一輝東京大学 大学院人文社会系研究科 准教授知識グラフ基盤全体の技術的統括上松 大輝国立情報学研究所 特任研究員Wikibaseの構築、人物・作品などの同定 写真 研究チーム(左から 岩田直也、田中一孝、小川潤、大向一輝、上松大輝) HAVIについて HAVIは、Schmidt Sciencesが運営する、人文学とAIの研究者が協働して双方の発展を目指す国際研究プログラムです。2026年は19の研究チームに計1,000万米ドルを助成し、過去2年間の助成総額は2,100万米ドルを超えます。人類の歴史・文化・表現を探究する学際的研究を支援し、開発したコード、モデル、ベンチマークデータなどを広く公開することを重視しています。 Schmidt Sciencesについて Schmidt Sciencesは、Google元CEOのエリック・シュミット氏とウェンディ・シュミット氏が2024年に設立した米国の非営利団体です。AI・先端計算、天体物理学、生命科学、気候、宇宙などの分野で、最先端のツールを活用し、科学的知見とブレークスルーを加速させる取り組みを行っています。 関連リンク Humanitext外部リンク HAVI外部リンク 2026年HAVI採択プロジェクト一覧 ▼本件に関するお問い合わせ先 学校法人桜美林学園 総合企画部広報課 TEL:042-797-9772 FAX:042-797-9829 メール:webadmin@obirin.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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