金属ガラスに潜在するゆらぎの解明を目指して~ 椎原教授の研究課題がJST「戦略的創造研究推進事業(CREST)」に採択 ~ 

豊田工業大学

学校法人トヨタ学園 豊田工業大学(学長:中野義昭、名古屋市天白区)の椎原良典 教授(大学院工学研究科 機械システム分野 計算力学研究室)が、JST「戦略的創造研究推進事業(CREST)」に採択されました。本事業は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主導する事業で、今回は応募総数922件に対し62件(6.7%)の研究課題が採択となり、本採択情報は、2026年9月17日にJSTホームページで公開されました。 https://www.jst.go.jp/pr/info/info1873/index.html 〇戦略的創造研究推進事業(CREST)について *JSTホームページより抜粋 戦略的創造研究推進事業は、日本が直面する重要な課題の達成に向けた基礎研究を推進し、科学技術イノベーションを生み出す創造的な新技術を創出することを目的とした事業です。https://www.jst.go.jp/kisoken/index.html CRESTは、我が国が直面する重要な課題の克服に向けて、独創的で国際的に高い水準の目的基礎研究を推進し、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションに大きく寄与する、新たな科学知識に基づく創造的で卓越した革新的技術のシーズ(新技術シーズ)を創出することを目的としています。そのために、研究総括が定めた研究領域運営方針の下、研究総括が選んだ、我が国のトップ研究者が率いる複数のベストチームが、チームに参加する若手研究者を育成しながら、研究を推進します。https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/index.html 〇研究者 豊田工業大学 大学院工学研究科 機械システム分野 計算力学研究室 椎原良典 教授 〇研究課題名 「金属ガラスに潜在するゆらぎの解明と変形の学理構築」 〇研究期間 2026年10月~2032年3月(5.5年) 〇研究概要 金属ガラスは、結晶構造を持つ従来の金属とは異なり原子が不規則に並んだ特殊な材料で、極めて高い強度を持つ一方で、「突然破断する脆さ」という課題がありました。しかし最新の研究により、一見均一に見える内部にも「変形しやすい場所」と「しにくい場所」のムラ(=変形のゆらぎ)が潜んでいることが分かってきました。 本研究では、研究代表者が独自開発した「原子凍結解析」により、変形の最小単位(STZコア)の特定技術をベースに、コンピューターシミュレーション、データ解析、力学実験、そして放射光計測を融合し、ミクロな原子レベルの動きから、材料全体が破壊に至るまでのプロセスをシームレスに解明します。 「変形のゆらぎ」を自在にコントロールする新たな材料設計指針を確立することは、脆さを改善した高強度・高靭性の金属ガラスの実現に道を拓き、次世代の構造材料やデバイス材料としての幅広い実用化に貢献するものと期待されます。 (STZコアのイメージ図)不規則構造からの協調運動の抽出 集団で歩く人々の中で、1人が歩みを止めると前後も止まる歩行者のように、原子も互いに拘束し合って動いています。この集団の特定が、不規則構造に潜む協調運動を抽出することを可能にしました。 〇用語解説 STZ(Shear Transformation Zone): せん断帯の前駆現象として、原子が局所的に再配置する様子が原子シミュレーションの中で確認されており、これをSTZと呼びます。 せん断帯: 金属ガラスの内部で生じる破壊において見られるせん断変形が集中する領域で、厚さ数十nm程度の細い帯状をしています。1つのせん断帯の成長を防ぎ、多数のせん断帯の成長を同時に起こす、つまり、せん断帯の発生を制御することが、いきなり壊れない金属ガラスを実現する鍵の一つと考えられています。 〇参考論文 タイトル: Cooperative atomic motion during shear deformation in metallic glass 著者名: Yoshinori Shiihara, Takuya Iwashita, Nozomu Adachi, Yoshikazu Todaka & Takeshi Egami 雑誌: Nature Communications DOI: 10.1038/s41467-026-68308-4 https://www.nature.com/articles/s41467-026-68308-4 〇研究内容に関するお問い合わせ 豊田工業大学 大学院工学研究科 機械システム分野 計算力学研究室 教授 椎原 良典(しいはら よしのり) 電話:052-809-1749 E-mail:shiihara(at)toyota-ti.ac.jp ※(at)を@に置き換えてください。 ▼本件に関する問い合わせ先 広報入試室 渉外広報グループ 芹澤 住所:名古屋市天白区久方2丁目12-1 TEL:0528091764 FAX:0528091721 メール:s-koho@toyota-ti.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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