【アロマ最新研究】ヒノキ精油の香りにより高齢者の「睡眠の質」と「心理状態」が改善

公益社団法人 日本アロマ環境協会

ー 筑波大学・東京慈恵会医科大学との共同研究で確認 ー

 公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ、東京都渋谷区)は、筑波大学の水上勝義名誉教授と東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室の森恵莉講師との共同研究において、朝晩20秒ずつ28日間ヒノキ精油の香りを吸入することにより、高齢者の心理状態における「怒り」や「抑うつ」の減少と睡眠の質が改善したことを確認しました。
 

 超高齢社会を迎えた日本において、高齢者のメンタルヘルスや心理的ストレスは極めて重要な課題となっています。特に、認知機能低下を背景とした心理的な不調やネガティブな感情の増幅は、日常生活の質(QOL)を下げるだけでなく、介護現場における行動・心理症状(BPSD)の発生にも深く関連しています。
 ヒノキは古くから日本の建築資材や生活用品として使われており、その香りは多くの日本人にとって親しみやすく、リラックスを誘うことで知られています。
 そこで本研究では、健常高齢者を対象にヒノキ精油の香りの吸入を行い、睡眠の質への影響や心理状態の改善効果について科学的に検証いたしました。

【研究概要】

<対象>
東京都近郊在住の健常な65〜79歳の男女17名

<測定項目>
ヒノキ精油(日本産)の香りを、1回20秒、毎日朝夕の2回、28日間吸入

<評価項目>
①POMS2
情動を気分、感情、情緒といった主観的側面からアプローチすることを目的に開発された気分プロフィール質問票。「怒り―敵意」を含む7つの尺度、およびネガティブな気分状態を評価する「TMD得点」を用いて、検査当日を含めて過去1週間における状態を条件として評価した。
②アテネ不眠尺度
不眠の自己評価尺度。夜間の睡眠困難を評価する項目と日中の機能障害を評価する項目の合計点を解析のデータとして用いた。


【研究結果】

怒り―敵意(AH)」および「抑うつ―落込み(DD)」のスコアが有意に減少         
アテネ不眠尺度の総合スコアが有意に減少
※データの大きさを元に順番に並べ、全体のデータ数を100%としたときの25%、50%(中央値)、75%の位置にあるデータを元にグラフ化
山川毅, 熊谷千津,水上勝義,森恵莉(2026) ヒノキ精油およびα-ピネンによる嗅覚刺激が健常高齢者の認知機能および心理状態に及ぼす影響―ランダム化比較試験一. アロマテラピー学雑誌27(1):1-10.

 
【まとめ】
本研究により、ヒノキ精油の香りの継続的な吸入が高齢者の「怒り」や「抑うつ」を和らげ、睡眠の質を改善する可能性が示唆されました。ヒノキ精油の香りを施設等で導入することは、高齢者の心理状態の安定とQOL向上を支援する新たなケアの選択肢として、負担が少なくネガティブな心理状態や睡眠を改善する有効な手段として役立てられることが期待されます。

■水上 勝義 

筑波大学名誉教授、医学博士
筑波大学医学専門学群卒。都立松沢病院精神科医師、
筑波大学体育系教授などを経て
2025年より名誉教授

■森 恵莉

東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室講師
日本耳鼻咽喉科学会認定指導医
日本鼻科学会認定鼻科手術暫定指導医
AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー
 

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