天然ゴム資源であるグアユールのゴム生産性向上に寄与する基盤技術を開発
天然ゴム供給源の多様化に向けて、グアユールのゲノム編集個体作出に成功
株式会社ブリヂストン(以下、ブリヂストン)は、福岡バイオコミュニティが実施するプロジェクトに参画※1し、国立大学法人九州大学(以下、九州大学)と共同でゲノム編集技術※2を用いたグアユール※3のゴム生産性向上に関する研究開発を進めてきました。このたび、グアユールのゲノム編集個体の作出に世界で初めて成功※4し、ゴム生産性向上に寄与する基盤技術を開発しました。本成果は、天然ゴム供給源の多様化に向けて、ブリヂストンが2012年よりグアユールの実用化に向けて進めてきた品種改良研究の加速に大きく貢献するものです。天然ゴムの主な供給源であるパラゴムノキは、生育地が赤道付近と地理的に限られるうえ、気象変動や病害といった外部要因の影響を受けやすい樹種です。グローバルでの自動車保有台数の増加に伴い、将来の天然ゴム需要増加が見込まれています。ブリヂストンは天然ゴムの安定供給に向け、病害診断技術やバイオ技術などを活用したパラゴムノキ由来の天然ゴムの生産性向上に取り組むとともに、天然ゴム供給源の多様化にも努めています。グアユールについては、2012年から研究を本格化し、米国・アリゾナ州にグアユール研究農園と研究施設を設立・運営しています。実用化に向けた研究開発やレース用タイヤへのグアユールの採用などの取り組みを進めていますが、単位面積当たりのゴム生産性向上が実用化の課題の1つとなっています。
本共同研究では、まずはグアユールのゲノム編集細胞から植物体を再生するという技術課題に対し、九州大学の植物ゲノム編集技術と、ブリヂストンが培ってきた天然ゴムに関する知見・ノウハウを融合することで克服し、ゲノム編集個体の作出に成功しました。今後は、本ゲノム編集技術を活用して、グアユールのゴム生産性向上に関わる有用遺伝子の探索や機能解明を進めていきます。
8月27日(木)には、株式会社ブリヂストン 執行役CIO※5の草野智弘と先端技術総合研究所長の大月正珠が、久留米市の原口新五市長を表敬訪問しました。また、同日開催された福岡バイオコミュニティフォーラム2026では、株式会社ブリヂストン サステナブル技術戦略・研究部長の内山俊宏が、本成果の報告を行いました。
ブリヂストン 先端技術総合研究所長 大月正珠 (ブリヂストン サステナブル技術戦略・研究部長 内山俊宏)
久留米市 副市長 牧野浩志氏
※1 福岡バイオコミュニティとは、内閣府が推進する「バイオ戦略」に基づき認定を受けた、地域に応じた特色あるバイオ分野の取組を展開することで持続可能な循環型社会を実現し、世界市場にも進出する企業の活躍・発展を目指す地域コミュニティ(第1号認定)です。福岡バイオコミュニティ推進会議(事務局:株式会社久留米リサーチ・パーク)を中核組織として、福岡県と久留米市が連携し、新産業・バイオベンチャーの創出や、バイオ関連企業・研究機関等が集積するバイオコミュニティの形成を目指しています。
2024年6月27日 福岡バイオコミュニティのプロジェクトに参画し、グアユールの生産性向上技術の共同研究を開始(https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2024062701.html )
※2 ゲノム編集とは、生物の設計図(ゲノム)を構成するDNA鎖を、人工酵素を用いて部分削除する技術です。外来遺伝子を入れない、非遺伝子組み換え技術(non-GMO)です。
※3 グアユールは、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、その組織内にゴム成分を含む植物です。
※4 ブリヂストンおよび九州大学調べ。
※5 Chief Innovation Officer
