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実践女子大学(東京都渋谷区、学長:難波雅紀)文学部美学美術史学科の下山肇教授と学生らは8月22日(土)、福島県相馬市でアートワークショップを実施します。最新のデジタル技術を使って、市内のリアルな風景の中に城門のオブジェを重ね合わせ、地元の子供たちや市民に故郷の良さを再発見してもらおうという試みです。もともと、東日本大震災の被災地支援の一環で始まったこのイベントですが、将来的には、連携する市や東京のアートマネジメント会社と共に江戸時代の絵図に残る城下町の風景の数々を再現する「デジタル歴史博物館構想」の実現へと夢が広がっています。
擬人化して舞踏会の物語りに。学生の思いが込められたオブジェ
ワークショップは、相馬市中央公民館が主催する街中チャレンジ講座のふくしまSOSOアートワークショップin相馬「巻いてつくる門!~もんたとゆかいな仲間たち~」で、昨年夏、市の歴史的遺産の「中村城跡」をテーマに実施したアートワークショップの第2弾となります。講座の小学生向けのプログラムは、美学美術史学科の学生が「アートプロジェクト実践」の授業中にデザインしました。
完成した門のオブジェ。実際のサイズは15㌢ほど
プログラム開発の起点となったのは、中村城を中心に城下町が描かれている江戸時代の「中村城下絵図(正保絵図)」(2・4㍍×2・6㍍)です。絵図によると、かつては天守閣を取り囲むように多くの門が築かれていましたが、現在は唯一、大手門だけが残されています。学生はそれ以外の失われた城門に着目しました。子供たちや市民が参加しやすいよう、大手門を「もんた」というキャラクターに見立て、舞踏会を開くための仲間の門を作るという物語風のプログラムをデザインしました。
下山教授が提唱する「文化翻訳」で、地域の価値の再発見を
当日は、相馬市中央公民館で、学生が中心になってプログラムを進め、参加者たちに寄り添いながら、高さ約15㌢ほどのプラスチック容器に色鮮やかなモールやヤーンを巻き付け、門のオブジェを製作し、唯一無二のオリジナル作品を完成させます。この容器はプロジェクトに賛同いただいた福島ヤクルト販売株式会社様、東京ヤクルト販売株式会社様から無償で提供いただきました。
その後、門のオブジェを撮影し、デジタル化してスマートフォンやタブレットで読み込むと、リアルな風景とデジタル情報を重ねて表示し現実世界を拡張するAR(拡張現実)アートのオブジェを出現させます。午後は中村城跡へ移動し、同じようにARによって約400年前に存在した門の跡地に参加者たちが作った門のオブジェを出現させ、現在の街並みの中に城下町の姿を想像します。下山教授が提唱する、アートとデジタル技術を駆使して地域文化を現代の人々が、体験・理解・共有可能なかたちへ再構成する「文化翻訳」という手法です。
400年前の絵図を基盤に将来は街全体がデジタルの歴史博物館に
一方で、絵図や失われた城門の存在は、地元でもあまり知られていません。このため、下山教授と、一緒にワークショップに取り組むアートマネジメント会社を経営する、相馬市出身の作山雄彦氏は、この絵図を地域の歴史を知るための共通基盤とし、文化財の保存にとどまらず、教育、観光、地域づくりに活用する「相馬城下町デジタル博物館構想」を描いています。絵図の中にある中村城跡や相馬中村神社、城下町に残る旧街道、武家屋敷、寺社、民俗芸能など、市内の歴史文化資源をデジタルでつなぎ、街全体を一つの「歴史博物館」として体験できる仕組みです。
中村城下絵図(相馬市教育委員会提供)
将来的には、生成AIによる中村城のAR表現、中村城下絵図と現在の地図を重ねるデジタルマップ、歴史資料や映像のデジタルアーカイブ、多言語による観光ルートなどへの展開を想定しています。
今回のワークショップは、こうした構想を実現するための取り組みの一つです。まず市民や子供たちが絵図や地域の歴史に関心を持ち、改めて自ら街の魅力を見つけ、共有する土壌をつくることを目指します。
下山肇教授のコメント
これまでは中村城跡という一つの場所を中心に取り組んできました。今回は、城下町の各所にあった門に目を向けます。城だけであれば一つの『点』ですが、門は街の中に広がっていたため、『面』として城下町を感じることができます。『ここにも門があったんだ』と気付くことで、今の街と当時の城下町とのつながりを、より身近に感じてもらえるのではないかと考えています。東京の学生が相馬にあるものを題材にし、『外からはこのように見える』『こんなにおもしろいものがある』とアートで表現します。地元の方に、自分たちの街にはこんなに良いものがあったのかと、改めて感じてもらいたいと思っています。さらに、古い資料をそのまま提示するだけでは、現代の子供たちにとって距離があります。古いものと新しいものを結び付ける手段として、生成AIやARがあります。さらに、アートを学ぶ学生の感覚を介することで、歴史やデジタル技術へのハードルを下げ、誰でも参加できるものになります。過去を忠実に復元するだけではなく、今を生きる人の感覚で歴史文化を読み替え、身近なものにしていくことに意義があります。
【イベント開催概要】
街中チャレンジ講座
ふくしまSOSOアートワークショップin相馬
「巻いてつくる門!~もんたとゆかいな仲間たち~」
・日時:2026年8月22日(土)
第1部:作品制作(9時~11時30分)
会場:相馬市中央公民館 1階会議室
内容:モールやヤーンなどを使った門のオブジェ制作
第2部:AR体験(13時~14時)
会場:相馬中村城跡
内容:制作した門をデジタル化し、ARで城跡周辺に表示
対象:小学1~6年生 ※保護者の同伴可、相馬の歴史に興味・関心のある方
・募集人数:30人程度 ※申込者多数の場合は抽選
・参加費:無料
・持ち物:スマートフォンまたはタブレット、弁当(第1部、第2部の両方に参加する場合)
・申込期限:8月13日(木)
・問い合わせ:相馬市中央公民館(電話:0244-37-2198)
<主催>相馬市中央公民館
<共催>相馬商工会議所、チームオオカミ、実践女子大学アートWSデザインプロジェクト研究所、株式会社織絵、株式会社Art Marketing Japan
<協力>株式会社Palan、環境芸術学会未来芸術研究部会FARC、Tripo AI、福島ヤクルト販売株式会社、東京ヤクルト販売株式会社
▼本件に関する問い合わせ先
実践女子学園
経営企画部広報課
住所:東京都日野市大坂上4-1-1
TEL:042-585-8804
メール:koho-ml@jissen.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/