「令和7年度 広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」を完了
大都市圏での実証により容器包装系廃プラスチックの資源循環モデルの有効性を確認
三菱ケミカル株式会社、日本ポリエチレン株式会社、日本ポリプロ株式会社、アールエム東セロ株式会社、株式会社カナオカホールディングス、大日本印刷株式会社、東洋製罐グループホールディングス株式会社、三井物産株式会社、三井物産流通グループ株式会社、リファインバース株式会社は、経済産業省「令和7年度 広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」を通じて、大都市圏における資源循環システムの実証を実施し、このたび実証を完了しました。本事業では、地域ごとに異なる排出特性やインフラ条件を踏まえ、事業者・自治体等と連携しながら、サプライチェーン横断で資源循環モデルを構築・検証しました。その結果、地域類型ごとに求められるリサイクル手法や広域連携のあり方、再生材利用拡大に向けた課題と方向性を整理しました。
1. 背景・経緯
近年、世界的な資源制約や環境問題に対応するため、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行が加速しています。日本においても、資源自律経済の実現を目指した取り組みが進められている一方で、再生材の利用拡大や地域循環システムの構築は途上にあり、自治体間のさらなる連携や、分別・回収・再資源化の高度化・スキーム構築が課題となっています。
経済産業省は、広域的な循環システムの構築と、再生材の安定供給に向けた各種施策を進めており、株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二)が上記事業の委託先に採択され、三菱ケミカル、日本ポリエチレン、日本ポリプロ、アールエム東セロ、カナオカホールディングス、大日本印刷、東洋製罐グループホールディングス、三井物産、三井物産流通グループ、リファインバースの10社(以下、連携10社)が大都市圏における実証に参画しました。
(参考)三菱ケミカル、日本ポリエチレン、日本ポリプロ、カナオカホールディングス、大日本印刷、東洋製罐グループホールディングス、三井物産、三井物産流通グループ、リファインバース、「令和7年度 広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」に参画
https://www.tskg-hd.com/news/detail/20251104_newsrelease.html
※アールエム東セロ株式会社は上記発表後に参画が決まりました
(参考)三菱総合研究所、「令和7年度 広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」を開始
https://www.mri.co.jp/news/press/20251021.html
2. 実証事業の内容と成果
連携10社が参画した実証事業では、2025年9月から2026年2月末までの間、カナオカホールディングス、東洋製罐グループホールディングス、大日本印刷の各工場で発生した端材等の廃プラスチック(食品容器包装用のポリエチレン(以下、PE)製フィルム、PE製キャップ、印刷済みポリプロピレン(以下、PP)製フィルム)を三井物産、三井物産流通グループ、リファインバースが回収し、リファインバースで前処理を行った後、受け入れ基準を満たした廃プラスチックを三菱ケミカルがケミカルリサイクル(油化)しました。得られたケミカルリサイクルナフサはエチレンやプロピレンなどに変換し、これを原料として、日本ポリエチレンでケミカルリサイクル由来ポリエチレン(以下、CRPE)、日本ポリプロでケミカルリサイクル由来ポリプロピレン(以下、CRPP)を製造しました。CRPEおよびCRPPの品質※を確認した結果、石油由来原料から製造したPEおよびPPと比べて顕著な差は認められず、基本的な物性は同等の水準にあると判断しました。さらに、これらを原料としてアールエム東セロ、カナオカホールディングス、東洋製罐グループホールディングス、大日本印刷が食品容器包装材(軟包装材、袋)を試験的に製造しました。その結果、CRPEおよびCRPPを用いた軟包装材は、石油由来PEおよびPPを用いた軟包装材と比べて、物性・機能の両面で顕著な差は認められませんでした。食品容器包装用途に必要な品質特性の観点からも、両者は基礎物性において同等の性能を有すると判断しました。
なお、地方都市、中小地域における実証事業の結果を含む実証事業全体の詳細な内容については、2026年5月28日付で経済産業省ホームページに掲載された報告書をご参照ください。
(参考)令和7年度「資源自律経済確立産官学連携加速化事業費(広域自治体における資源循環システムの構築に向けた実証事業)」報告書
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2025FY/report_202605260713_0.pdf
※本取り組みはマスバランス方式を採用しています。マスバランス方式とは、石油由来の原料とケミカルリサイクル原料を混ぜて製品をつくる際に、リサイクル材の投入量に応じて、製品の一部にその性質を割り当てる手法です。
表 各社の役割分担
| 事業者 | 主な役割 | 概要・活動内容 |
| 三菱ケミカル株式会社 | 再資源化 | 廃プラスチックをケミカルリサイクルにより油化し、基礎化学品の製造を実施。全体スキームの統括。 |
| 日本ポリエチレン株式会社 日本ポリプロ株式会社 |
樹脂製造 | 油化によって得られた基礎化学品を用い、ポリエチレン/ポリプロピレンを製造。 |
| アールエム東セロ株式会社 | 容器包装材の製造 | 容器包装材の製造・評価を実施。 |
| 株式会社カナオカホールディングス 大日本印刷株式会社 東洋製罐グループホールディングス株式会社 |
廃プラスチックの提供 容器包装製造 |
工場から排出される廃プラスチックの提供に加え、容器包装の製造・評価を実施。 |
| 三井物産株式会社 三井物産流通グループ株式会社 |
廃プラスチックの回収 | 廃プラスチックの回収・輸送を担当。 |
| リファインバース株式会社 | 廃プラスチックの回収 前処理 |
廃プラスチックの回収、脱墨・分別などの前処理を実施し、再資源化工程に供給。 |
3. 実証事業の経済性評価と今後の見通し
社会実装を想定した経済性評価の結果、CRPEおよびCRPPの価格は、製造規模等の前提条件次第では石油由来PEおよびPPと比べて2~3倍程度になることが分かりました。また、CRPEおよびCRPPを一部使用した食品容器包装は、配合比率や層構成等の前提条件次第では石油由来PEおよびPPを用いた場合に比べて、価格は概ね1.5倍前後の価格で製造できることが分かりました。
再生材の利用拡大に向けては、効率的な使用済みプラスチックの回収体制の構築と、使用済みプラスチックの受け入れ基準を広げるための前処理技術の開発およびケミカルリサイクル技術のさらなる高度化が必要です。連携10社は今後、本実証で得た知見を活かし、使用済みプラスチックの有効活用に向けた取組みを推進するとともに、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。
東洋製罐グループについて
東洋製罐グループは、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれの素材が持つ特性を活かしたさまざまな容器をグローバルに提供する総合包装容器メーカーです。包装容器事業のほか、エンジニアリング・充填・物流事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業、不動産関連事業の5つの事業を有しています。
当社グループは、社会や地球環境について長期的な視点で考え、すべてのステークホルダーの皆さまに提供する価値が最大化するよう、2050年を見据えた「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」を2021年5月に策定しました。当社グループの目指す姿・ありたい姿を「世界中のあらゆる人びとを安心・安全・豊かさでつつむ『くらしのプラットフォーム』」と位置づけ、「多様性が受け入れられ、一人ひとりがより自分らしく生活できる社会の実現」「地球環境に負荷を与えずに、人々の幸せなくらしがずっと未来へ受け継がれる社会の実現」を目指し、事業活動を推進していきます。
1917年に創立し、国内44社(東洋製罐グループホールディングス含む)、海外49社のグループ会社を擁し、約19,000人の従業員が働いています(2026年3月末現在)。2026年3月期の連結売上高は9,632億円です。
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