京都とコルカタをつなぐ映像交流の出発点│8名のアーティストによる9作品を紹介する『Video Journeyの、したく』を開催

公益財団法人 京都市芸術文化協会

京都芸術センター(京都市中京区)は、2026年6月20日(土)から7月19日(日)まで、『Video Journeyの、したく』を開催します。本企画は、2027年1〜2月開催予定の映像プログラム『Video Journey』第3回へ向けた準備企画です。今回は、インド・コルカタのEMAMI ARTと連携し、日本を拠点に活動する8名のアーティストによる9作品を上映。本上映会で紹介する作品は、2026年9月にコルカタで開催される「EMAMI ART EXPERIMENTAL FILM FESTIVAL」の選考対象となり、選出作品は同映像祭で上映される予定です。

インド・コルカタで開催される実験的映像祭へ向けたショートリストを上映
京都芸術センターは、国内外の文化機関との連携を通じて、アーティストや作品の交流を促進する事業に取り組んでいます。
『Video Journey』は、世界各地のアートセンター等と協働し、それぞれの地域で生まれた映像作品を紹介するプログラムです。第3回となる今回は、インド・コルカタのEMAMI ARTとの連携により実施します。2027年1〜2月には、コルカタから届く映像作品を京都で上映する予定です。

『Video Journeyの、したく』は、その開催に先立って実施する準備企画です。京都からコルカタへ送る作品候補として、公募および京都芸術センターの推薦によって選ばれた8名のアーティストによる9作品を紹介します。本上映会で紹介する作品は、2026年9月にコルカタで開催される「EMAMI ART EXPERIMENTAL FILM FESTIVAL」の選考対象となります。選出された作品は、同映像祭のプログラムの一部として上映される予定です。

来年京都で予定しているインドの映像作品上映へとつながる本企画では、作品が国や地域を越えて行き交うプロセスそのものにも目を向けながら、多様な映像表現との出会いを届けます。

展覧会概要
名   称: Video Journeyの、したく
日   程: 2026年6月20日(土)~7月19日(日)10:00~20:00
       ※6月24日(水)は休館日
       ※7月15日(水)、16日(木)は祇園祭巡行のため16時閉館予定
会   場: 京都芸術センター ギャラリー南
主   催: 京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
WEBページ: https://www.kac.or.jp/events/20260605/


上映作品リスト
荒木悠
《NO HORIZON》2025年、8分
ある装いをした一人の人物が彷徨い歩く姿を通して、日本における英語教育やアメリカ資本主義がもたらした光と影を浮かび上がらせるとともに、その背後にある陽気さと不気味さを映し出します。
荒木悠_NO HORIZON

黒田大スケ
《学校のゆうれい》2024年、15分32秒
魂を宿した物体が壊れてばらばらになるとき、それぞれの破片には魂は宿り続けるのでしょうか?
それともその形が失われると同時に魂は消え去ってしまうのでしょうか。
黒田大スケ_学校のゆうれい

佐野和海
《五十指。》2025年、8分
自然言語である手話とは異なる指文字を、10人のろう者が表現する。指文字はろう者にとってどのような存在なのか。現代に生きるろう者たちの『五十指』を視覚的に感じ取る実験作品。
佐野 和海_五十指。

アリーナ・ジダーノワ
アリーナ・ジダーノワの2作品は、それぞれ「自身の記憶」と、「他者の記憶」という異なる記憶を扱いながらも、絵の具が塗り重ねられていくアニメーションに呼応して、忘れ去られる記憶、または、自身や他者の間で異なる記憶が混ざり合う様子を描き出します。
ジダーノワ・アリーナ_いまと私、わたしともうひとり
ジダーノワ・アリーナ_記憶の沿岸

副島しのぶ
《私の横たわる内臓》2024年、11分
日本の民間信仰である胎内潜りと、その霊性的な空洞世界を舞台にした立体アニメーションは、内と外、肉体内部と外部世界、死と生、との境界線を摩擦し、溶解させることを試みます。
副島しのぶ_私の横たわる内臓

中村直人
《Expt. Your Friendly Neighborhood》2023年、7分25秒
互いの表情の見えない二者が、言葉を喋る以外の「接触」で親密なコミュニケーションを図ろうとする様子を映し出します。
中村直人_Expt. Your Friendly Neighborhood

八幡亜樹
《熊人內經圖 | 都市熊之舞 + 內在黑熊歸山訓練 (Single-channel Version)》2026年、10分57秒
東洋医学の視点に基づく身体図「內經圖(内経図)」と、近年増加する熊の都市出没を接続し、現代の人間と環境の関係を捉えるための身体地図の更新を試みた映像作品。
八幡亜樹_熊人內經圖 都市熊之舞 + 內在黑熊歸山訓練 Single-channel Version

ジョイス・ラム
《A Windy Day》2026年、4分22秒
見るという行為が無意識のうちに分類や判断へと駆動していく過程を浮かび上がらせます。
ジョイス・ラム_A Windy Day

 (計8名、9作品)

プロフィール
荒木悠(ARAKI Yu)
アーティスト・映画監督。2007年セントルイス・ワシントン大学サム・フォックス視覚芸術学部彫刻専攻卒業。2010年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程修了。2013年ボティン財団主催タシタ・ディーン・ワークショップ参加。令和6年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてリスボンに滞在。文化の伝播や異文化の遭遇、その過程で生じる誤訳や誤解の創造的可能性に関心を寄せる。近年は映像インスタレーションを中心に、歴史的事実と想像のあわいを、再現・再演・再生といった手法を通して探究している。
https://www.mujin-to.com/artist/araki/
荒木悠(ARAKI Yu)©Kaho Okazaki

黒田大スケ(KURODA Daisuke)
1982年京都生まれ。2013年広島市立大学大学院博士後期課程修了。彫刻家、橋本平八の研究で博士号取得。長く広島で活動していたが、2020年から京都を拠点に活動している。近年は主に、リサーチを基に、自身が即興的に演じる映像作品を手掛けている。最近の主な展覧会は、2026年「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」(寺田倉庫、東京)、2025年「被爆80周年記念『記憶と物』(広島市現代美術館、広島)、2025 年個展「天幕のためのプラクティス」(enoco、大阪)など。
https://sites.google.com/view/daisuke-kuroda/home
黒田大スケ(KURODA Daisuke)

佐野 和海(SANO Kazumi)
2016年:映画『LISTEN リッスン』に出演。
2024年:ろう映画制作者育成講座を受講し、短編映画『見て。』を脚本・監督・編集。
2025年:短編映画『五十指。』を監督・撮影・編集。同年、舞台『黙るな 動け 呼吸しろ』に出演。
ろう者の視点から、手話や視覚的コミュニケーションをテーマに映像制作を行っている。
Instagram:@kazuzak.05_syuwa
佐野 和海(SANO Kazumi)

アリーナ・ジダーノワ(Alina ZHDANOVA)
モスクワ生まれ、北海道育ち。現在は京都と岐阜の二拠点で、映像作家・キュレーターとして活動。情報科学芸術大学院大学[IAMAS]専任講師。
幼少期に日本に移住した経験から、人の記憶や人格、そして社会的背景に関心を持つ。忘却や想起を手がかりとして架空言語やアニメーションをつかった映像やインスタレーションを制作。対話を通して他者との関係性の中で立ち上がる記憶の在り方を探っている。
https://www.zhdalina.com/
アリーナ・ジダーノワ(Alina ZHDANOVA)

副島しのぶ(SOEJIMA Shinobu)
米、肉、虫などの有機物や人形を使ったストップモーションによる短編映画やインスタレーションを制作。アニメーションの動力を駆使して、生物と無生物、中心と周縁、みえるものとみえないものなどの境界の融和を試みる。第 68 回オーバーハウゼン国際短編映画祭 エキュメニカル審査員によるスペシャルメンション賞、ファンタジア国際映画祭 今敏賞 ブロンズ、第 22 回 文化庁メディア芸術祭 審査員推薦作品、アートアワードトーキョー丸の内 2018 木村絵理子賞など、国内外の映画祭で受賞、展覧会で発表している。
https://www.shinobusoejima.com/
副島しのぶ(SOEJIMA Shinobu)

中村直人(NAKAMURA Naoto)
滋賀県出身。金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻卒業。現在、東京藝術大学グローバルアートプラクティス専攻に在籍。写真、映像、彫刻、インスタレーション、小説など複数の領域にまたがる作品を制作。家具や空間の断片を通じて、内的な閉塞と外的な拡散という行為の境界において蓄積される翻訳不可能性について問う。
https://www.naotonakamura1.com/
中村直人(NAKAMURA Naoto)

八幡亜樹(YAHATA Aki)
フィールド調査や取材に基づく、領域横断的な美術作品の制作を行なう現代美術家。主なメディアは映像+インスタレーション。歴史・文化的身体と生理的身体の重なりを主な関心とし、その重層性へのアプローチを探究している。近年はその一環としてロードムービーや手食、東洋医学に焦点を当てる。世界の手食文化をアーカイブするウェブサイト「手食Web」主宰・編集。近作では音表現にも取り組む。東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修士課程修了。同博士課程を中退後、滋賀医科大学を卒業。
https://yahataaki.asia/
八幡亜樹(YAHATA Aki)

ジョイス・ラム (Joyce LAM)
香港生まれ、京都市在住。映像やレクチャーパフォーマンス、書籍の制作を通して家族の定義を捉え直す。主な展覧会に個展「Water like Wind」(二手舎 京都、2026)、「あなたが眠りにつくところ」(藤沢市アートスペース、2023)、TOKAS-Emerging 2022 「家族に関する考察のトリロジー」(TOKAS本郷、2022)など。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。2022年度アーツコミッション・ヨコハマU39アーティスト・フェロー。
https://www.joycetsin.com/
ジョイス・ラム (Joyce LAM) ©Miss Bean

京都芸術センター 
京都芸術センターは、芸術文化の振興を目的に2000年4月に開設されました。若い世代を含む多様な芸術家の制作支援を軸に、芸術文化に関する情報発信や、芸術家と市民の交流促進に取り組んでいます。芸術家が創作活動を行い、その成果を発表するための制作室の提供をはじめ、展覧会、演劇、ダンス、音楽、伝統芸能などの公演やワークショップを実施。芸術家の発掘・育成や伝統芸能の継承、国内外の芸術家を受け入れるアーティスト・イン・レジデンス事業にも力を注いでいます。これらの活動を通じ、京都における都市文化創造の拠点として、芸術の新たな価値を社会に開く場づくりを進めています。

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