AIが「正しい手」を生成するとき、誰の身体が消されるのか 国際メディアアート賞「アルス・エレクトロニカ」受賞作で考える、AI・身体・「正常」の境界
2026年7月8日(水)20:00〜21:30 【Flashセミナー Vol.149】《AIが消し去る声》上映会。今だからこそ、AIと偏見について考えよう。
生成AIに出力させた画像を「指が5本でない」という理由で選ばなかった、削除した経験はありませんか? その行為がAIに「正しさ」を教えているとしたら——。
| 開催概要 日時:2026年7月8日(水)20:00〜21:30 形式:オンライン 費用:無料 参加要件 本セミナーはWACA会員限定です。非会員の方は先に会員登録をしたうえでお申し込みください。年会費は4400円(2026年のみ)です。 会員登録はこちら https://membership.waca.or.jp/course/register/54636/ |
■セミナー概要
生成AIが生み出す「5本指ではない手」は、しばしば失敗画像として廃棄され、修正やモデル改善の対象となります。
しかし「正しさ」は、誰の身体を基準に設計されているのでしょうか。
『AIが消し去る声』は、生成上の不具合と現実の身体差異を同一視する作品ではありません。むしろ「5本指ではない」という一点によって、異なるものを一括してエラーや例外へと振り分ける視線の構造を問題にします。
窪田氏は裂手症(れっしゅしょう)とともに暮らす当事者や家族、医療従事者との対話を重ね、技術についての抽象的な議論ではなく、具体的な生活と語りから作品を制作しました。AIの精度が高まる過程で、どの身体が標準として選ばれ、どの身体が見えなくなっていくのか。本作は、分類システムの背後にある「正常」の基準を静かに問い返します。
■『AIが消し去る声』概要
裂手症とともに暮らす当事者とその家族、医療従事者へのインタビューを通して制作した24分28秒のドキュメンタリー映像作品です。失敗画像を修正する行為の是非だけでなく、修正を可能にしている「正しい身体」という前提がどのようにつくられ、誰を視界の外へ追いやっているのかを問います。
20:00〜20:30 『AIが消し去る声』上映
20:30〜21:00 参加者とのディスカッション
21:00〜21:30 窪田氏によるトークセッション「私たちはAI時代にどう生きるのか」
■講師
窪田望(くぼた・のぞむ)
現代美術家、映像作家、AIエンジニア、発明家
ウェブ解析士マスター
AIや分類システムがどのように「正常」を定義するのかを主題に制作している。技術の進歩、安全性、精度向上といった言葉のもとで排除され、誤読され、不可視化される身体や声に着目。ハッキング、グリッチ、エラー、誤認識を芸術的な方法として用い、映像、インスタレーション、平面作品などを発表している。
2003年、慶應義塾大学在学中に株式会社Creator's NEXTを創業。日本、米国、中国、香港で出願・取得された20件のAI関連特許の発明者でもある。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了、MFA(美術学修士)。
司会進行 積高之(せき・たかゆき)
一般社団法人ウェブ解析士協会 理事
■プリ・アルス・エレクトロニカ(Prix Ars Electronica)
1987年に始まったメディアアート・コンペティション。オーストリア・リンツを拠点に、アート、テクノロジー、科学、社会が交差する領域で、時代を先取りする表現や実践を国際的に顕彰してきました。単に新しい技術を使った作品ではなく、テクノロジーが人間や社会に何をもたらすのかを深く問いかける作品が評価される点に特徴があります。
デジタル・ヒューマニティー(Digital Humanity)部門とは
デジタル技術と人間社会の関係を扱う部門です。AIやデータ、ネットワークが私たちの暮らしに深く入り込む時代に、技術が誰を可視化し、誰を見落とし、どのような社会を形づくるのかを問う芸術的・社会的プロジェクトを対象としています。 技術の新しさだけでなく、デジタル社会における人間の尊厳、包摂、文化的多様性、開かれた市民社会への視点が重視されます。
■その他・注意事項
- 講座はZoomを利用します。当日までにご準備ください。
- 受講者に起因する接続不良などについては中断せずに講座を進めます。
- コンピューターやソフトウェアなどの動作不良に関するサポートは行いません。
■主催
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)
