グローバルのイノベーションを結集し、IOWNエコシステムを構築する「IOWN AI Fund」を組成
また、IOWN AI Fundの組成にあわせて、シリコンバレーおよび東京を拠点とするファンド運営会社としてCatalight Capital株式会社(以下、Catalight Capital)を設立し、グローバルな運営体制のもと、有望なスタートアップの発掘および成長支援を推進します。
1.IOWN AI Fund立ち上げの背景と狙い
近年、フィジカルAIやAgentic AIの進展に伴い、AIの活用は大規模モデルの学習中心から、リアルタイム性や個別最適化が求められる推論利用へとシフトしています。これにより、利用主体もハイパースケーラーに加え、金融機関や自動車関連企業をはじめとする幅広い産業分野へ拡大しています。これに伴い、AI基盤に求められる姿も、大規模なパブリックデータセンター中心の構成から、中規模なエッジデータセンターを含む、より分散型の構成へと移行していくことが想定されます。
また、電力供給の制約が今後さらに重要な課題となる中、こうした変化に対応するためには、計算資源を効率的かつ柔軟に活用できる光ネットワークで接続された分散型光AIデータセンターの実現が強く求められています。
このような変化の中で、ネットワーク、コンピューティング、電力を一体的に最適化するIOWNの役割は一層重要性を増しており、光電融合をはじめとする関連技術は、次世代AIインフラの中核を担う成長領域となっています。
IOWN AI Fundは、こうした潮流を捉え、フォトニクス、半導体、先端パッケージング、電力最適化、分散コンピューティング基盤、AIソフトウェアやアプリケーション領域に至るまで、IOWN関連技術を核に幅広い先端技術への投資を通じて、IOWNエコシステムの形成による新たな事業創出を推進し、次世代のAIインフラおよび産業基盤の形成に貢献することを目的として組成されました。
2.IOWN AI Fundの概要
<グローバルなファンド運営体制>
IOWN AI Fundでは、以下のメンバーが運営パートナーとして参画します。
- 2019年にIOWN構想を掲げ、IOWN Global Forumを主導してきたNTT
- シリコンバレーを拠点に光通信・半導体を中心としたディープテック分野での豊富なベンチャー投資や企業経営実績を持つSohn氏
- AI・半導体分野での技術革新や先端技術の社会実装をリードするSK
- NTTとのAPN実証等を通じてIOWNの国際展開を推進する中華電信
- 国内外の企業・プロジェクトへの成長資金供給やリスクマネー供給に豊富な実績を有する日本政策投資銀行
<投資対象>
IOWN AI Fund の主な投資対象は以下のとおりです。フォトニクス技術、AI向け半導体・パッケージング、光デバイス・光電融合モジュール、分散型AI基盤制御といったIOWN関連技術のコア領域から、ソフトウェア、AIモデル・推論、アプリケーション・サービスまでの幅広いレイヤーに投資を行い、それぞれを有機的に結びつけることで、IOWNエコシステムを構築していきます。
- フォトニクス技術:光伝送、コヒーレント通信、光スイッチ等、データ伝送性能および電力効率の向上に資する技術
- AI向け半導体・パッケージング:AIアクセラレータ(GPU/ASIC/NPU)、チップレット、3D実装等、高密度・高性能な計算基盤を支える技術
- 光デバイス・光電融合モジュール:レーザー、VCSEL、変調器などの関連技術
- 分散型AI基盤制御:電力効率の最適化、冷却技術(液冷等)、リソース制御など、データセンター/エッジ環境における運用効率と持続性を高度化する技術
- ソフトウェア:クラウド、分散システム、AI基盤、データ処理基盤等のソフトウェア技術
- AIモデル・推論:推論最適化(軽量化・量子化等)、学習アルゴリズム、分散学習などのAI関連技術
- アプリケーション・サービス:医療、製造、金融などの産業分野におけるAI活用、ロボティクス、デジタルツイン、XR等の応用技術
また、ミドルステージを中心にアーリーからグロースに至る複数の成長段階の企業に対して投資と事業連携を行うことで、技術の実用化・事業化フェーズを重点的に支援しつつ、先端技術の発掘から社会実装・スケールまでを一貫して推進します。これにより、IOWNとの連携によるAIインフラの高度化に加え、新たなサービスやビジネスモデルの創出を通じた産業機会の拡大をめざします。
3.今後の展開
これまでIOWN Global Forumに参加する企業や日本の金融機関をはじめとして、日本のみならず米国やアジアの様々な企業から関心が寄せられています。IOWN AI Fundでは、出資者の方々と投資先となるスタートアップ企業との間において、サービスや製品といった事業開発や販売協力などのパートナリングを推進し、それぞれが持つ技術やケイパビリティとを組み合わせて、新しい事業のエコシステムを構築していくことをめざします。
これまで、出資参加に関心を示している企業は全世界から20社以上となっており、ファンドの規模は約800億円(約$500M)となる見込みです。($1=160円換算)
4.出資参加に関心を示している企業一覧
Accton Technology Corporation
中華電信股份有限公司
株式会社日本政策投資銀行
富士通株式会社
古河電気工業株式会社
GlobalFoundries Inc.
伊藤忠商事株式会社
JA三井リース株式会社
KDDI株式会社
株式会社みずほ銀行
株式会社三菱UFJ銀行
日本電気株式会社
NTT株式会社
Samsung Electronics Co., Ltd.
SBIグループ
SK hynix Inc.
SK Telecom Co., Ltd.
ソニーグループ株式会社
株式会社三井住友銀行
三井住友信託銀行株式会社
東京センチュリー株式会社
株式会社 東芝
(以上、英語表記アルファベット順)
※各社の参加および出資主体は暫定的であり、最終的な契約等により変更される可能性があります。上記の企業名は識別および参考目的でのみ記載しており、実際の出資主体は記載された企業と異なる場合があります。
5.運営パートナー各社コメント
NTT株式会社 代表取締役社長 島田 明
AIの活用領域が企業のコア業務、Agentic AI、フィジカルAIへと広がる中で、推論を中心としたAIが中核に据えられたインフラストラクチャーの重要性が高まっています。AIネイティブインフラの実現には、NTTが培ってきた光・ネットワーク技術に加え、世界中の先端技術やパートナーの力と結びつくことが不可欠です。IOWN AI Fundを通じて、有望なスタートアップとの事業連携を推進し、グローバルなパートナーの皆さまとともにIOWNエコシステムを構築し、新たな産業基盤の創出に貢献してまいります。
Young Sohn
(日本語訳)
AIが大規模推論および分散型インテリジェントシステムへと進化する中、業界は、コンピューティング、ネットワーキング、メモリ、エネルギー効率にまたがる新たなインフラ課題に直面しています。私たちは、フォトニクスを活用したインフラおよび分散型光コンピューティングが、この変化に対応する上で重要な役割を果たすと考えています。Catalight CapitalおよびIOWN AI Fund構想を通じて、グローバルな事業者、ディープテクノロジーに関する専門知見、そしてスタートアップのイノベーションを結集し、次世代AIインフラの基盤構築を支援していきます。
SK Group Chairman Chey Tae-won
(日本語訳)
AI分野における国際的な競争力を高めるためには、AIインフラへの先行的かつ大規模な投資が不可欠であり、信頼に基づくグローバルな連携が極めて重要です。IOWN AI Fundがアジアのみならず世界中の有望なAIスタートアップの発掘・育成という役割を果たしてくれることを期待しています。
中華電信股份有限公司 Chairman Chih-Cheng Chien
(日本語訳)
台湾最大の通信事業者である中華電信は、NTTおよび戦略パートナー各社と連携し、本ファンドにおけるコア・オペレーティング・パートナーを務めます。当社が有する「海・陸・星・空」にわたる強靭なネットワーク基盤と、IOWNの国境を越えた活用実績を通じて、私たちは「境界を越え、無限につながる」ことの真の可能性を実証してきました。
「AIで未来を照らす」というビジョンのもと、IOWNエコシステムの拡大に向けて、私たちは単なる資金提供にとどまらず、通信事業者としての専門性を活かし、厳格な技術評価と国境を越えた事業開発を通じて、グローバルなスタートアップ企業を支援していきます。
私たちは、先端技術の商用化を加速し、高効率な次世代AIエコシステムを構築していくことを期待しています。
株式会社日本政策投資銀行 代表取締役 地下 誠二
AIの進展を受け、IOWN関連技術の重要性はますます高まっています。本ファンドを通じたスタートアップへの投資とエコシステム形成は、参加企業を含む多数の企業の有機的な連携が重要です。DBJは、企業理念「金融力で未来をデザインします」に基づき、この枠組みの価値を最大化できるよう、金融機関の立場から積極的にサポートしてまいります。
6.ファンドへの出資や事業連携・共同投資等に関心を示していただいている各社コメント
Accton Technology Corporation President Jackal Lee
(日本語訳)
AIインフラが分散型かつ推論主導のアーキテクチャへと進化する中、IOWN関連技術は、拡張性に優れ、電力効率の高いコンピューティング基盤を実現するうえで重要な役割を果たすと考えています。
台湾におけるIOWN関連プロジェクトへの参画を含む、エコシステム・パートナーとの継続的な協業を通じて、私たちはIOWNがもたらす変革の可能性を実感してきました。
こうした経験を踏まえ、IOWN AI Fundに参画できることを大変嬉しく思います。今後、スタートアップ企業やサプライチェーン・パートナーの支援に加え、IOWNを活用したデータセンターインフラおよびラックソリューションの開発を推進し、AIおよびデータセンターインフラ領域におけるIOWNビジョンの実用展開を加速していきます。
Arm Holdings plc Chief Executive Officer Rene Haas
(日本語訳)
AIインフラには、より高速なプロセッサだけでは不十分です。コンピュートと同じくらい効率的にスケールするネットワークと、オープンなエコシステムが必要です。CatalightとIOWN AI Fundは、こうした重要な技術レイヤーを支えるフォトニクス分野のイノベーションを後押ししています。
Broadcom Inc. President Charlie Kawwas
(日本語訳)
次世代AIインフラを拡大していくには、オープンで、幅広い企業が製品・技術を提供できるフォトニクスエコシステムが不可欠です。Young、NTT、Catalightが、IOWN AI Fundの設立と、AIの未来を形づくるイノベーターへの支援を通じて、エコシステム構築を推進していることを大変うれしく思います。
Cadence Design Systems CEO Anirudh Devgan
(日本語訳)
AIは、私たちのイノベーションのスピードを根本的に変革し、加速させるものです。Cadenceは、AIのさらなるスケールを可能にするフォトニクス領域において、IOWN/Catalight Capitalのエコシステムを支援できることを誇りに思います。
Corning Incorporated Chairman, CEO, and President Wendell Weeks
(日本語訳)
フォトニクスは、AIインフラを効率的に拡張していくうえで基盤となる技術です。光技術の業界リーダーであるCorningは、この重要なエコシステムにCatalight CapitalおよびIOWN AI Fundが投資していることを大変心強く思います。
富士通株式会社 代表取締役社長CEO 時田 隆仁
富士通グループはNTT様と2021年に戦略的業務提携を発表して以来、ネットワーク技術に関する共同研究開発を推進してきました。このたびIOWN AI Fundの趣旨に賛同し、当社技術領域と掛け合わせたIOWNの社会実装と事業化を共に加速させます。光通信×AI×コンピューティング技術の確立により、フィジカルAIをはじめとする新たな価値創出とエコシステム拡大に貢献します。
古河電気工業株式会社 代表取締役社長、CEO 森平 英也
IOWN AI Fundの設立を心より歓迎いたします。IOWNエコシステムによる次世代AIインフラおよび産業基盤が形成され、新たな事業機会が創出されることを期待しています。当社もコア技術であるフォトニクスを基盤に、光電融合等の技術開発を通じてIOWN構想のパートナーとして次世代ネットワークの実現に貢献してまいります。
GlobalFoundries Inc. Chief Executive Officer Tim Breen
(日本語訳)
GlobalFoundriesは、CatalightおよびIOWN AI Fundを支援できることを誇りに思います。先端パッケージングやシリコンフォトニクスを含む、次世代コネクティビティと半導体イノベーションに向けた共通のビジョンを推進し、日本、米国、そしてグローバルな技術エコシステム全体におけるブレークスルーの加速に貢献していきます。
伊藤忠商事株式会社 代表取締役社長COO 石井 敬太
AIの急速な進展に伴い、消費電力やデータ量の増加が社会課題となる中、光電融合技術の一日も早い社会実装が期待されています。伊藤忠グループはIOWN AI Fundへの参画を通じて、NTT様をはじめとする多様なパートナー企業様とともに、IOWNの実用化に向けた製品実証やソリューション開発を推進します。マーケットインの視点に立ち、次世代インフラ領域における新たな価値創出を目指してまいります。
KDDI株式会社 代表取締役社長 CEO 松田 浩路
KDDIは、「AI前提社会」におけるAI需要拡大に伴い課題となる、通信インフラの省電力化と高レスポンス化に向け、光電融合技術に取り組んでいます。IOWN AI Fundへの参画を通じて、世界のスタートアップやパートナー企業と共に、オールフォトニクスネットワークの社会実装および本技術の標準化を加速してまいります。
日本電気株式会社 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田 隆之
NECは「AIネイティブカンパニー」への変革を進めており、IOWN AI Fundが目指す「ネットワーク・コンピューティング・電力の一体最適による次世代AI基盤の構築」の重要性を強く認識しています。本ファンドへの参画を通じて、世界の先端技術を結集しながら次世代AIインフラと新規事業の創出を加速し、AIネイティブな社会創造へ共に貢献していくことを期待します。
SK Telecom President and CEO Jung Jai-hun
(日本語訳)
AIインフラがグローバルなイノベーションを支える重要な基盤としてますますその重要性を高める中、私たちはNTTのIOWN AI Fundに参画できることを大変嬉しく思うとともに、この変革を共に加速していけることを期待しています。SKテレコムは、AIデータセンターおよびネットワーク運用分野で培ってきた知見とノウハウを活かし、有望なスタートアップとの連携を通じて、次世代AIインフラの実現に貢献してまいります。
ソニーグループ株式会社 代表執行役 社長 CEO 十時 裕樹
ソニーグループは、AI活用が幅広い産業分野に拡大していく中で、持続可能なインフラ構築を目指すIOWNエコシステムの重要性を認識しています。 本ファンドは、最先端技術を有するスタートアップとの連携や、グローバルパートナーとの協働によるイノベーション創出に資するものであり、今後の産業発展の基盤確立に向けた取り組みに大きく貢献されることを期待しています。
Synopsys, Inc President and CEO Sassine Ghazi
(日本語訳)
次世代AIインフラに向けてシリコンフォトニクスを大規模に展開していくためには、エレクトロニクス、フォトニクス、パッケージング、製造にまたがるシステムレベルの知見に基づいた共同設計を可能にする、強固で協調的なエコシステムが不可欠です。CatalightおよびIOWN AI Fundは、このイノベーションを前進させるために必要な企業やケイパビリティを結びつける役割を果たしています。
株式会社東芝 代表取締役 社長執行役員 CEO 島田 太郎
当社は、IOWN AI Fundへの参画を通じて、参画企業との連携強化ならびに、量子技術・AI・データセンター・半導体等の先端領域におけるスタートアップとの協業を推進し、技術動向の獲得を通じた当社成長戦略への展開に大きな期待を寄せています。本ファンドを起点に、光技術を核としたネットワークとコンピューティングの融合による次世代ITインフラの実現を目指すIOWN構想に参加することで、持続的な社会価値の創出に取り組んでまいります。
7.本活動へのお問い合わせ先
本活動へのお問い合わせについては、以下連絡先までご連絡をお願いします。
info@catalightcapital.com
※本プレスリリースは、現在検討している事業に関する情報のご提供を行うことのみを目的とするものであり、金融商品取引法に基づく開示資料又は勧誘資料ではありません。
※本プレスリリースは、特定の金融商品等の勧誘若しくは推奨又は投資助言その他の金融サービスの提供を目的とするものではありません。
※IOWN AI Fundの持分は、改正後の1933年米国証券法またはいかなる州証券法に基づく登録も行われていません。当該持分は、米国において、証券法に基づくRegulation DのRule 506(c)に従い、適格投資家であることが確認された投資家に対してのみ募集・販売されます。
※Catalight Capital株式会社は、IOWN AI Fundに対して投資助言サービスを提供するためにCatalight Capital US, LLCを設立し、Catalight Capital US, LLCは、1940年米国投資顧問法第203条(l)に基づくVenture Capital Fund Adviser Exemptionに依拠するExempt Reporting Adviserとなることを予定しています。
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