シノプシス、GTC 2026において NVIDIA社とのパートナーシップがもたらす効果とエコシステムが生み出すイノベーションを紹介
シノプシスが提供するNVIDIA社アクセラレーション・テクノロジ対応エンジニアリング・ソリューションにより、業界にまたがる企業各社が、設計手法を変革し製品のイノベーションを加速
概要
- NVIDIA社との協業を通じ、シリコンからシステムまでをカバーする、オープンかつセキュアなハードウェア・アクセラレーション対応のエンジニアリング向けAIエージェント基盤を構築。
- アプライド・マテリアル社は、シノプシスと協業し、NVIDIA cuESTで最適化されたシノプシス QuantumATK®を用いて、大規模で動的な材料モデリング構築のための複雑な量子化学シミュレーションを最大30倍高速化。
- 本田技研工業株式会社は、GB200を4基用いて実用的かつ高忠実度の流体解析(CFD)を実現。クラウド上のCPUコア1,920個での解析実行と比較して計算を34倍高速化、コストを38%削減。
- アステラ・ラボ社は、AWS上でB200 GPUを用いてシノプシス PrimeSim™を実行し、マルチコアCPUでのシミュレーションと比較して3.5倍の高速化を達成、最先端のAIワークロード向け高速接続チップの開発期間を短縮。
- アナログ・デバイス社は、シノプシスおよびNVIDIA社との協業を通じて、実運用を踏まえたロボティクス・ベンチマークと高忠実度のセンシング・シミュレーションを提供することにより、シミュレーションと実機のギャップを削減し、実世界でのロボット作業の高精度化を促進。
シノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は、NVIDIA GTC 2026において、NVIDIA社との戦略的パートナーシップの進捗とその効果を紹介し、業界横断で設計/エンジニアリングを変革する取り組みを披露した。半導体産業から航空宇宙、自動車、産業機器分野など、様々な業界のR&Dチームは、ワークフローの複雑化、開発コストの増大、市場投入までの期間短縮といった重大な開発課題に直面している。GTCでシノプシスは、NVIDIA社のAIおよびアクセラレーテッド・コンピューティングの強みを、シノプシスが市場をリードするエンジニアリング・ソリューションと統合することで、R&Dチームがより低コストかつ、より高い精度と速度で、インテリジェント製品の設計/シミュレーション/検証を行えるようになることを実演した。
関連リンク:
https://www.nvidia.com/gtc/
https://www.synopsys.com/ja-jp/japan/press-releases/2025-12-01-nvidia-and-synopsys-announce-strategic-partnership-to-revolutionize-engineering-and-design.html
シノプシス 社長兼CEO Sassine Ghaziは次のように述べている。「従来型のエンジニアリング手法では、今日のソフトウェア定義型のインテリジェント・システムが持つ複雑性に、もはや追随できなくなっています。シノプシスとNVIDIA社は、エコシステム・パートナー各社との協業を通じて、製品の設計/開発の在り方そのものを再構築しています。エレクトロニクスとマルチフィジックスの協調設計を可能にし、計算負荷の高いワークロードを加速し、デジタルツイン技術を活用した仮想プロトタイピングを可能にすることで、お客様各社が未来をエンジニアリングすることを支援しているのです」
NVIDIA社 創業者兼CEO Jensen Huang氏は次のように語っている。「AIとアクセラレーテッド・コンピューティングは、製品の設計方法から製造・運用の方法に至るまで、エンジニアリングを根本から刷新しています。現代のエンジニアリングは、シミュレーションとデジタルツインの中で行われます。シノプシス社との協業を通じて、当社のCUDA-X、Omniverse、AIを、シノプシス社のシリコンからシステムまでをカバーする開発プラットフォームと組み合わせることにより、AI時代に向けたエンジニアリングを再構想し、増大する複雑性を強力な優位性へと変えているのです」
NVIDIAアクセラレーテッド・コンピューティングにより、計算負荷の高いエンジニアリング・ワークロードを短縮
シノプシスは、エンジニアリング・ワークロード全体にわたりAIおよびGPUによるアクセラレーションを可能にする、業界で最も幅広いエンジニアリング用ソフトウェア製品群を提供しており、エンジニアリングをよりスマートに、より高速に、より直感的なものとしている。顧客企業各社は、シノプシスが提供するNVIDIA GPUアクセラレーション対応ソフトウェア製品を活用し、計算負荷の高いワークロードを高速化している。シノプシスは本日、その例を複数発表した。
アプライド・マテリアル社は、シノプシスおよびNVIDIA社と協業し、材料モデリングの高速化を通じて、AIおよび量子化学の研究開発を前進させている。QuantumATKの新たなNVIDIA cuEST統合を活用したアプライド・マテリアル社の初期結果では、CPU上で動作するオープンソース・モデルと比較して、複雑な量子化学ワークロードで最大30倍の高速化が可能となる見込みである。アプライド・マテリアル社は以前に、約25,000原子から成る複数ナノメートル領域のアモルファス材料モデルに対するシミュレーションにおいて、NVIDIA GPUを活用することでマルチコアCPUと比べて8倍の高速化を達成していた。
・ アプライド・マテリアル社 社長兼CEO Gary Dickerson氏は次のように語っている。「当社は、シノプシス社、NVIDIA社と協業し、先端半導体デバイスのエネルギー効率向上に資する材料の創出につながる材料エンジニアリングのイノベーションを加速しています。この協業により、原子レベルにおける材料挙動のシミュレーション実行に要する時間を大幅に短縮でき、その結果として、業界ではチップ設計のブレークスルーをより迅速に市場投入できるようになるのです」
・ 本田技研工業株式会社は、GPUで高速化したアンシスの流体シミュレーション・ソフトウェア Fluent®の実行により、従来CPUでは現実的でなかった、非定常/大規模/高忠実度のCFDを実現した。
本田技研工業株式会社 アシスタントチーフエンジニア 宇田 有佑氏は次のように語っている。「クラウド上のCPUコア1,920個と比較して、GB200 GPUを4基用いることで計算を34倍高速化し、コストを38%削減しました。シノプシス社との緊密な協業を通じて、当社はCPUベースCFDのGPUベースへの移行を加速しています。この革新により、環境への配慮を踏まえつつ、適正なコストで、より安全で高品質な製品をお客様にご提供し続けることが可能となります」
アステラ・ラボ社が、AWS上でNVIDIA Blackwell GPUを活用してシノプシス PrimeSimを実行することにより、AIワークロード向け高速接続チップを加速
AIの高度化/大規模化により、膨大なデータセットをほぼゼロ遅延で転送するための高速接続の需要が高まっている。超高速SerDesインターフェイスを備えた先端チップでは、回路レベルのシミュレーションを大規模に実行する必要がある。アステラ・ラボ社は、AWS上のB200 GPUアクセラレーテッドEC2インスタンスを用いてPrimeSimを実行することで、CPUのみのインスタンスと比較して3.5倍の高速化を達成した。これによりデザイン検証サイクルが大幅に短縮され、次世代の接続ソリューションの市場投入までの期間を短縮した。
AWS上でGPUリソースにシームレスにアクセスできるため、アステラ・ラボ社の設計チームはインフラのセットアップではなくイノベーションそのものに注力できる。これにより優れた設計精度を維持しつつ、製品の市場投入の更なる迅速化が可能となる。
アステラ・ラボ社 CEO Jitendra Mohan氏は次のように語っている。「当社と、シノプシス社、NVIDIA社、AWS社の協業により、AIワークロード向け高速接続チップを設計する当社の能力は大きな変革を遂げています。AWS上でNVIDIA B200 GPUによるアクセラレーテッド・コンピューティングの力を活用することで、シミュレーション時間を大幅に短縮し、設計精度を高めることができました。これにより、これまで以上に迅速に、革新的な高速接続ソリューションを市場に提供できるようになりました」
AWS社 自動車・製造業担当ゼネラルマネージャー Ozgur Tohumcu氏は次のように語っている。「AIを支える高速接続ソリューションの設計サイクルを大幅に高速化したアステラ・ラボ社のAWSでの取り組みは、クラウド技術が産業全体にわたってイノベーションをどのように変革しているかを示しています。当社は、企業が最先端のコンピューティング環境を必要なときにすぐ利用できるようにしています。これにより、複雑なインフラを自社で運用・管理する負担を負うことなく、画期的な技術をより迅速に開発できるようになります」
フィジカルAIを進化させる精密物理で強化されたデジタルツイン
シノプシスは、フィジカルAI開発において存在感を増している。現実世界の物理法則に基づいて仮想開発プロセスを支えることで、シミュレーションと現実のギャップを縮小する。自動運転車からヒューマノイド・ロボットに至るまで、精密なシミュレーションは開発のやり直しを減らし、学習に使える合成データの精度を向上させる。
NVIDIA Omniverseのライブラリ上に構築されたアナログ・デバイス社のIsaac Sim™環境は、シノプシスの高精度な物理モデルが組み込まれて、シミュレーションの現実味/精度が向上した。アナログ・デバイス社はIsaac Simを活用し、触覚センシングのプロトタイプおよびToF(Time-of-Flight)ビジョン・システム向けの高忠実度シミュレーション資産に加え、次世代のロボットの器用さ(dexterity)ベンチマークのデジタルツインを作成している。これらのベンチマークは、データセンターや自動車製造などの実アプリケーションを対象に、ロボットのポリシー(制御方策)を評価するものである。Ansys Mechanical™およびAVxcelerate Sensors™は、光ファイバー・ケーブルやプラグ、センサーの深度知覚など、テストベンチの重要な要素をシミュレーションするための高忠実度な物理モデルを提供し、シミュレーションと現実の距離をさらに縮める。
アナログ・デバイス社のプラットフォームは、川崎重工業株式会社を始めとするアーリーアダプターを支援する。より高い予測精度でロボットの性能をシミュレーションし、合成データを生成できるようにすることで、反復的な実機テストの必要性を減らし開発を加速する。GTCにおけるシノプシス・ブースでは、力覚/視覚/接触センシングを備えた両腕ロボットアーム構成と、それに対応するIsaac Sim上での可視化を含むデモンストレーションを展示する。
アナログ・デバイス社 エッジAI担当副社長 Paul Golding氏は次のように語っている。「シノプシス社の高忠実度マルチフィジックス・シミュレーションは、現実的なロボット用テストベンチを実現する上で不可欠な要素です。NVIDIA社とも協力し、現実に近いシミュレーション精度を活かして、産業用途の器用な作業に必要なロボット制御を“シミュレーションで作って実機に持ち込める”ようにするためのベンチマークやデジタルツインを構築しています」
エンジニアリング向けエージェント型AIの進化
シノプシスはNVIDIA社と協力し、シリコンからシステムまでをカバーするユースケースに対応する、オープンで安全かつ一連のタスクをハードウェア・アクセラレーションで高速化したエージェント型AIスタックを構築している。
シノプシスのAgentEngineer™によるマルチエージェント・ワークフローは、NVIDIA Agent Toolkitを活用し、NVIDIA社の推論基盤であるNVIDIA NIMならびにLLMのNemotronをサポートしている。これにより、ユーザーは推論性能の向上を図りつつ、複数のモデルや構成を選択できるようになる。
GTCではシノプシスが、AgentEngineer技術を基盤としたAIエージェント型EDAワークフローを実演する。これはAIが段取りして各工程やツールを連携させて複雑なチップ設計タスクを進め、HPCクラスタ全体に処理を広げて大規模に実行し、しかも最終的な判断や介入の主導権はエンジニアが握れるようにするものである。これにより、生産性を加速し、増大する設計の複雑性を管理し、AI時代におけるシリコンの作り方を再定義する。実演には、設計および検証向けの業界初となる新しいL4エージェント型ワークフローも含まれる。
関連リンク:https://nvidianews.nvidia.com/news/ai-agents
GTC 2026でのシノプシス・セッションについて
GTCでは、ブースでの最新のAI活用エンジニアリング・ソリューションのデモの他に、以下のような技術セッションも行う。
・産業用ロボティクスにおけるSim2Realギャップの縮小
シノプシスのDistinguished Engineer and ScientistであるSrinivasa Mohanが、シノプシス、アナログ・デバイス社、NVIDIA社がデジタルツインによりフィジカルAI開発をどのように加速しているかを解説する。
https://www.nvidia.com/en-us/on-demand/session/gtc26-ex82340/
・AIで切り拓く半導体製造の未来
シノプシスのChief Product Development OfficerであるShankar Krishnamoorthyが、AIとデジタルツインがEDAや計算リソグラフィから先端ファブの設計・運用に至るまで、半導体製造をどのように再形成しているかを解説する。
https://www.nvidia.com/en-us/on-demand/session/gtc26-s81834/
・GPU上で加速する量子化学 - 最新の進展
シノプシスのTechnical Product ManagerであるAnders Blomが、NVIDIA GPU上のガウス基底量子化学が世界をどのように変え得るかを議論する。本セッションでは、このパラダイムシフトを加速するNVIDIA社の新技術と提供内容を概観する。
https://www.nvidia.com/en-us/on-demand/session/gtc26-s81770/
・シミュレーションとAIが患者ケアのためのデジタルツインに生命を吹き込む方法
シノプシスのヘルスケア分野Field CTO兼Lead Chief TechnologistであるMark Palmer博士が、ウェアラブル機器、シミュレーション、AIの融合がデジタルツインを通じて患者個別のケアをどのように改善するかを紹介する。
https://www.nvidia.com/en-us/on-demand/session/gtc26-s81643/
・最先端のインタラクティブCFD:Omniverseによるデジタルツインと都市シミュレーションの体験
シノプシスのPrincipal Application Engineerである藤井明が、Ansys FluentとNVIDIA Omniverseの統合により、製品開発や都市計画におけるシナリオ検証がどのように容易になるかを解説する。
※本プレスリリースは、米Synopsys, Inc. が2026年3月16日(現地時間)に発表したリリースの抄訳です。原文は、https://news.synopsys.com/2026-03-16-Synopsys-Showcases-NVIDIA-Partnership-Impact-and-Ecosystem-Innovation-at-GTC-2026 をご参照ください。
シノプシスについて
Synopsys, Inc. (Nasdaq上場コード: SNPS)は、シリコン to システムのエンジニアリング・ソリューションのリーディング・カンパニーであり、AIを活用した製品の迅速なイノベーションを支援し、業界をリードするシリコン設計/IPならびにシミュレーション/解析ソリューション、設計サービスを提供している。幅広い業界の顧客企業と緊密に連携して、その研究開発能力と生産性を最大化し、明日の創造性に火をつける今日のイノベーションを推進している。
詳細情報は、https://www.synopsys.com/ja-jpより入手可能。
Synopsys、Ansys、SynopsysおよびAnsysのロゴ、その他Synopsysの商標は下記の通り。https://www.synopsys.com/company/legal/trademarks-brands.html
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産である。
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