【イベントレポート】国際女性デー “選べる未来”を考える ― セミナー&スペシャルDJイベントを開催
3月は女性史月間であり、3月8日は国際女性デーです。これにちなみ、WeWork アイスバーグ および WeWork 渋谷スクランブルスクエア にて、国際女性デーをテーマにしたイベントを開催しました。
<イベント概要>
International Women's Day 数字の先にある、私たちの選択
日時:2026年3月5日 18:00~20:00
会場:WeWork アイスバーグ
プログラム:
①セミナー
テーマ『ジェンダーギャップの"数字"から見る日本の現在地』
講師 公益財団法人 山田進太郎D&I財団 石倉 秀明 氏
②パネルディスカッション
テーマ『“選べる未来” はどうつくられるのか メディア・フェムテック・働く場の視点から』
登壇者・公益財団法人 山田進太郎D&I財団 常務理事COO 石倉 秀明 氏
・BuzzFeed Japan株式会社 ハフポスト日本版 編集長 泉谷 由梨子 氏
・LELO INTIMINA ビジネスデベロップメントマネージャー オルガ・コルトゥノヴァ 氏
日本のジェンダーギャップの現状をデータから読み解く
公益財団法人 山田進太郎D&I財団の石倉氏によるセミナーでは、まず世界および日本におけるジェンダーギャップの最新データをもとに、日本の現状と課題について解説が行われました。
石倉氏によると、日本はPIAAC(OECDが16〜65歳の成人を対象に、日常生活や職場で必要な「読解力」「数的思考力」「ITを活用した問題解決能力」を測定し、国際比較を行う調査)の結果を見ると世界トップクラスであり、男女差も小さいという結果が出ています。しかし、本来持っている能力を必要としない仕事にアサインされている女性が多く、その能力と配置のギャップが賃金格差の約25%を占めており、日本女性の高い能力が十分に活かされていない現状が指摘されました。
こうした課題を踏まえ、あらゆる人が自分の能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指して、山田進太郎D&I財団ではさまざまな取り組みを行っています。例えば、女子中高生がよりSTEM分野へ進学しやすくなるよう、文理選択のタイミングで理系を選択した学生に対して返済不要の奨学金を提供しています。
また、大学や企業と連携して実施するツアー形式のプログラム「Girls Meet STEM」では、女子中高生がSTEM分野の現場を訪問し、そこで活躍する女性の先輩たちと出会うことで、自分のやりたいことや関心のある分野を見つける機会を提供しています。
「選べる未来」はどうつくられるのか メディア・フェムテック・働く場の視点から
パネルディスカッションでは、「“選べる未来”はどうつくられるのか ― メディア・フェムテック・働く場の視点から」をテーマに議論を行いました。
小林:
ジェンダーギャップの「数字」の裏側には、どのような社会構造や無意識の前提があると感じていますか?
石倉:
制度やルールを決める側には男性が多く、結果として男性を基準に作られていることが多いという点があると思います。
泉谷:
制度自体が女性の生活に合っていないケースもあります。その結果、キャリアから離脱してしまうことも多いですよね。例えば、あるスタートアップ企業では就業時間を10:00〜19:00に設定していました。しかし多くの保育園は18:30までなので、この時点で子育て中の社員は時短勤務を選ばざるを得なくなってしまうのです。
オルガ:
制度やルールによって女性の選択肢が狭められてしまう経験でいうと、ある企業で「子どもを産む予定はありますか?」と聞かれたことがあります。出産は人間にとって自然なことですし、出産の有無でキャリアが左右される社会は変えていきたいですね。
小林:
では、社会を変えていくためには何から始めればよいのでしょうか?
石倉:
意思決定をする立場の女性を増やすことが重要だと思います。ただ、その前にまず男性がこの現実に気づくことが必要です。問題として認識し、男性から男性に働きかけていくことも一つの方法かもしれません。
小林:
泉谷さんにお伺いしたいのですが、若い女性が「自分にも選択肢がある」と感じるために、メディアや企業はどのようなストーリーを発信すべきでしょうか?
泉谷:
仕事、育児、家事をすべて完璧にこなす、いわゆる“キラキラした働くママ”のストーリーはよく見かけますよね。それはそれで良いと思います。ただ、SNSなど個人が発信できる時代になり、メディアの価値が改めて問われています。だからこそ、そうしたキラキラストーリーの裏側にある葛藤やリアルな部分を引き出すことが、メディアの役割の一つではないかと思っています。
小林:
なるほど。石倉さんは発信力のある男性として、意識していることはありますか?
石倉:
小林:
オルガさん、フェムテックの普及は女性の自己決定やキャリア選択にどのような影響を与えていると感じますか?
オルガ:
かつては女性の体に関する情報が少なく、まるでブラックボックスのように扱われていた部分があったと思います。フェムテックの普及によって自分の課題を解決できる選択肢が増え、より自由な選択ができるようになってきています。「自分にはいろいろな選択肢がある」「怖がらなくていい」と感じてもらえることが大切だと思います。
小林:
最後に、10年後、今の中高生が「選べる未来」を実感できている社会とはどのような状態だと思いますか?また、そのために今できる一歩は何でしょうか。
泉谷:
女性はリスク回避能力が高い一方で、挑戦を避けてしまう傾向もあるように感じます。ぜひ挑戦を続けていってほしいですね。
石倉:
社会では多様性が当たり前に存在しているのに、会社の中ではそうではないことがあります。企業の中でも多様性が当たり前に存在する状態になれば、「選べる未来」を実感できるのではないでしょうか。そのためには、違和感があったときに声を上げ、周囲の目ではなく自分の目で選択していくことが大切だと思います。
オルガ:
今ある固定観念を少しずつ払拭できるよう、私たちも後押ししていきたいと思います。社会はもっと柔軟になっていくと信じています。
LELO INTIMINAによるブースの出展
音楽で祝う国際女性デー
女性DJによるスペシャルイベント「Equal Beats」
イベントタイトルの「Equal Beats」は、電子音楽コミュニティをより多様でインクルーシブなものにしていくというAlphaThetaのミッションの一つを表しています。クラブカルチャーからクリエイティブな挑戦まで、これまで十分に光が当たってこなかった声や才能を増幅させることで、ジェンダーギャップの解消に取り組み、シーンの未来を形づくる新たな才能を可視化していくことを目指しています。
当日は、複数の女性DJがそれぞれ個性あふれるプレイを披露。会場には WeWork の入居メンバーやゲストなど、さまざまなバックグラウンドを持つ参加者が集まり、ジャンルを越えて音楽と交流を楽しむ時間となりました。
WeWorkコミュニティらしく、多様な人々が自然につながりながら週末の少し早い夜のひとときを過ごし、音楽を通じて国際女性デーを祝う特別な時間となりました。
WeWork Japan では今後も、コミュニティメンバーやパートナーとともに、インクルージョン&ダイバーシティの取り組みを推進し、誰もが自分らしい選択をできる社会の実現に向けた対話や機会を生み出していきます。今回のイベントが、参加者一人ひとりにとって「選べる未来」について考えるきっかけとなり、その輪がさらに広がっていくことを願っています。
