AIによる乗務員の異常時対応力強化を支援
~生成AIと情報共有プラットフォーム「Buddycom」のAPI連携で、規程類・マニュアル検索を効率化~
≪本機能実装イメージ≫
本機能は、当社の各種規程類を参照させた「KEIO AI-Hub」と乗務員や指令員等が使用する「Buddycom」アプリをAPI連携させたもので、ユーザーが「Buddycom」を通じて音声またはテキストで質問を入力すると、「KEIO AI-Hub」が社内マニュアル等のデータベースを検索・要約し、「Buddycom」上で読み上げ・チャットで回答します。
これにより、分厚い紙のマニュアルや電子ファイルの中から必要な情報を「探す」時間を大幅に短縮し、マニュアル・規程類の検索時間を、自発的かつ繰り返し学習へ置き換えるなど、個々の乗務員が異常時対応力を強化できる環境を構築します。
当社では、今後もデジタル技術を積極的に活用することで、鉄道事業の根幹である「安全・安心」をより強固にし、お客さまへのサービス向上および従業員の働きがい向上を目指してまいります。
※API連携(Application Programming Interface):異なるソフトウェアやアプリケーション同士をつなぎ、機能を共有・拡張する仕組み。
【本件のポイント】
①京王独自の生成AIツールと情報共有プラットフォーム「Buddycom」を連携させた鉄道現場DX施策
②膨大なマニュアルや規程類を「音声」で検索・要約し、異常時の初動対応スピードと判断の正確性を向上
③心理的負担の軽減と対話形式による自己学習の促進により、乗務員・指令員の人財育成および業務の生産性向上を図る
1.生成AIツール「KEIO AI-Hub」と情報共有プラットフォーム「Buddycom」のAPI連携について
(1)背景と目的
鉄道の運行業務においては、運転の取り扱いにおけるマニュアルや乗務員実務マニュアルなど、膨大な規程類の習熟と、状況に応じた迅速な対応が必要であり、特に異常時においては、正確な情報を素早く入手し、的確な判断を行うことが求められます。
当社ではこれまで、タブレット端末によるマニュアル閲覧等のDX施策を進めてまいりましたが、更なる「異常時対応力の強化」と「情報探索の生産性向上」を目指し、現場の最前線で使用されているコミュニケーションツールと最新の生成AI技術を連携します。
(2)システムの概要
本システムは、当社の各種規程類を参照させた「KEIO AI-Hub」と、乗務員や指令員等が使用する「Buddycom」をAPI連携させ、ユーザーが「Buddycom」アプリを通じて業務に関する質問を音声またはテキストで入力すると、「KEIO AI-Hub」が社内マニュアルなどのデータベースを検索・要約し、回答を「Buddycom」上のチャット(テキスト)および音声読み上げで返答します。
これにより、分厚い紙のマニュアルや電子ファイルの中から必要な情報を「探す」時間を大幅に短縮し、業務そのものに集中できる環境を構築します。
(3)運用開始日
3月10日(火)から運用開始
(4)導入範囲
全線の乗務員・指令員等を対象に導入
※その他鉄道部門(車両電気部・工務部)は順次展開予定
(5)導入による効果
①生産性の向上
規程・マニュアル類の検索に要していた時間を短縮することで、教育や業務に集中できる時間を創出します。新人や経験が浅い社員が情報探索に伴う心理的・身体的負荷を軽減し、働きやすい環境づくりを推進します。
②人財育成の高度化
通常の教育・研修に加えて、業務端末から対話形式で気軽に規程類に触れられる環境を作ることで、乗務員の自己学習を促進し、スキルの底上げに寄与します。
③異常時対応力の強化
トラブル発生時、必要なマニュアル情報を音声入力等で迅速に入手可能となります。初動対応のスピードアップと判断の正確性を向上させ、ヒューマンエラーの抑制を図ります。
【参考1】生成AIツール「KEIO AI-Hub」について
「KEIO AI-Hub」は、京王グループ33社・約2700名の従業員が文章作成、画像生成、文書検索等幅広い業務に活用しているほか、現在、業務課題解決に特化したAIエージェント機能を開発・運用しています。セキュアな環境下で複数の最新生成AIモデルを利用できるだけでなく、感性AIが独自開発した「感性分析・テキストマイニング機能」を搭載している点が特徴です。利用用途は、文章作成、翻訳、画像生成、社内ドキュメント検索、アンケート分析等幅広い業務に活用されています。
詳細は下記リンクよりご参照ください。
URL:https://www.keio.co.jp/news/update/announce/announce2025/pdf/20260310_keioai-hub.pdf
【参考2】情報共有プラットフォーム「Buddycom(バディコム)」の導入・活用について
「Buddycom」は、フロントラインワーカーをつなぐライブコミュニケーションプラットフォームで、インターネット通信を利用し、音声通話やチャット、位置情報共有などが可能なスマートフォンアプリです。京王電鉄では2022年より、駅係員・乗務員等の連携強化および緊急時の安全確保を目的に、本ツールを導入・活用しています。本ツールの導入により、場所を選ばない即時通話が可能となったほか、映像ライブ配信による遠隔での状況把握、音声の自動テキスト化による正確な情報伝達を実現しました。平時・緊急時を問わず関係者間の連携を密にすることで、1秒でも早い復旧 および的確なお客さま対応につなげています。
