当社は、iF International Forum Designが主催する国際的なデザインアワードである「iFデザインアワード2023」の将来技術のカテゴリーである「Professional Concept」において、当社のMEMS(*1)水素センサー技術を応用した「呼気水素モニター」が最高賞である金賞を受賞しました。この他に、「水素漏洩チェッカー」と「SASP™(超小型アンテナ一体型無線通信モジュール)を用いたソリューション」(*2)のデザイン提案が「iFデザイン賞」を受賞しました。

　iF International Forum Designは、ドイツ・ハノーバーを拠点とする、世界で最も長い歴史を持つ独立したデザイン団体で、毎年「iFデザインアワード」として優れたデザインを選出しています。本アワードは、国際的に権威のあるデザインアワードのひとつとして認知されています。

受賞対象

１．呼気水素モニター
　世界的に長寿命化が進む中、健康寿命を長くするために腸内細菌の働きにより発生する水素量を測定する腸内環境診断の活用が注目されています。当社は、当社研究開発センターの先端MEMS技術を活用して開発した数mm角サイズの超小型チップ上に水素センサーを搭載した「呼気水素モニター」の先行デザインと使用シーンの可視化を行いました。一般家庭での日常的な呼気内水素量をセンシングすることで腸内環境をモニタリングし、人々の食生活や体調管理を担い、健康寿命を延伸させ、QOL（Quality Of Life）が向上した社会の実現に貢献するためのデザイン提案が高く評価されました。


２．水素漏洩チェッカー
　水素漏洩チェッカーは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、次世代エネルギーとしての水素インフラの普及拡大とそれを支える保守員の安心安全を確保し、持続可能な社会に寄与するセンシングデバイスのデザイン先行提案です。MEMS技術を活用し、スマートフォンに接続して使用することを想定してデザインされた小型機器は、携帯性や導入のしやすさだけではなく、スマートフォンの通信回線を介した緊急時の円滑な連絡、保守情報の記録、共有のしやすさに配慮しています。保守員の安全確保に寄与し、安心安全なカーボンニュートラル社会の実現に貢献することが期待されており、ありたい未来を創造し、可視化するデザインの取り組みが評価されました。



３．SASP™ (超小型アンテナ一体型無線通信モジュール)を用いたソリューション
　SASP™ は、当社独自の技術を搭載した世界最小レベル（*3）の高性能なBluetooth通信モジュールです。小型化・軽量化によりスマートウォッチや耳装着型デバイスなどのウェアラブルデバイスだけでなく、スポーツウェアや洋服のボタン、洋服自体への組み込みなど、従来は考えられなかった分野にも利用範囲を拡大することができます。さまざまなデバイスのデザインの自由度を飛躍的に向上させ、IoT社会におけるさまざまなデータサービスにおいて顧客の体験を向上させることが可能です。今回、当社は、顧客の生活に自然に溶け込み、その存在を全く気にせず使用できるデバイスとしての使用シーンを、顧客それぞれに響くユースケースとして可視化しました。⼈々や社会に新たな価値を創造し、日々の生活における体験価値を想起させるデザインの取り組みが評価されました。



iFデザインアワードについて
　ドイツ・ハノーバーを本拠地とするiF International Forum Designは、世界で最も長い歴史を持つ独立したデザイン団体で、国際的に権威のあるデザインアワードのひとつとして毎年優れたデザインを選出し「iFデザインアワード」を授与しています。本アワードは、製品、パッケージング、コミュニケーション、サービスデザイン、アーキテクチャ、インテリア・内装、プロフェッショナルコンセプト、ユーザーエクスペリエンス（UX）、ユーザーインターフェース（UI）の９分野で構成されており、2023年は、56の国・地域から集まった11,000件を超えるデザインが厳正に審査され、75件にのみ最優秀デザインとして「iFゴールドアワード」が授与されました。

*１：MEMS…Micro Electro Mechanical Systems
*２：SASP™…Slot Antenna on Shielded Package
*３：アンテナ・シールド付きタイプ32KHz/32MHz水晶振動子内蔵モジュールとして。当社調べ。