2022年12月20日
独立行政法人情報処理推進機構
受験しやすさ向上のため、情報処理安全確保支援士試験の所要時間を90分短縮
~情報処理技術者試験では高度試験の組込み分野で出題構成を変更、一つの試験区分に集約~
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:富田達夫)は、DX進展に伴う人材ニーズやスキルニーズの変化に対応しつつ、受験しやすさを向上するため、情報処理安全確保支援士試験と一部の情報処理技術者試験において、午後試験の出題構成等を変更しました。
URL:
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20221220.html
企業・組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、IT人材が活躍する領域はますます拡大し、重要性も増しています。IT人材に求められる役割の重要性と多様性が高まるなか、受験しやすさの向上によるIT人材育成・確保の推進を目的として、IPAは「情報処理安全確保支援士試験(SC)」、「エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)」、「ITストラテジスト試験(ST)」、「システムアーキテクト試験(SA)」の午後試験等の変更を行いました。
SCは、高度なサイバーセキュリティに関する知識・技能を問う試験で、合格者は所定の手続きを経て国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者になることができます。今回、午後I試験と午後II試験を統合し、試験時間を3時間30分から2時間30分へと60分短縮し、さらに休憩時間の30分を削減することで全体の所要時間を90分短縮しました。出題数・解答数も午後I試験で3問出題・2問選択解答、午後II試験で2問出題・1問選択解答であったものを、4問出題・2問選択解答へと変更し、選択問題の幅と時間配分の自由度を拡大しました。(表1)
表1:SCの出題構成の変更
ESは、IoTを含む組込みシステムの専門的な知識・技能を問う試験です。これまで情報処理技術者試験は、高度試験の組込み分野について、ST、SAおよびESの3試験区分でそれぞれの役割に応じた出題をしてきました。このたび、組込み分野の出題をESに集約することで、ESの対象とする工程が企画・要件定義まで広がり、IoTソリューションの企画・要件定義・設計・仕様変更にも柔軟に対応しつつプロダクトの価値を最大化する、フルスタック・マルチロールなスキルを評価できるようになります。ESの主な変更点は、午後II試験の出題範囲に企画・要件定義分野を追加するとともに出題形式を記述式から論述式へと変更し、3問出題・1問選択解答としたことです。IoTソリューションの適用対象となる事業ドメインが多様化するなか、受験者にとっては自身の専門的な実務能力や経験を活かした解答がしやすくなります。(表2)なお、STとSAの午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験からは出題数が各1問減り、組込み分野の出題が無くなります。
表2:ESの出題構成の変更
今回の変更の適用時期は、SCとESは令和5年度秋期試験から、STとSAは令和6年度春期試験からです。IPAは今回の変更により、サイバーセキュリティの確保を担う情報処理安全確保支援士や、ビジネス視点をより意識してIoTソリューションの設計・開発を担う人材の育成・確保を一層推進していきます。
今回の変更を反映した試験要綱(Ver.5.1)、シラバスについては、以下のURLをご参照ください。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html