PwCネットワークの戦略コンサルティングチームStrategy&は、この度、調査レポート 『カスタマーエクスペリエンスの台頭:製薬業界におけるカスタマーエンゲージメントの変革』を公開しました。
多くの製薬企業は、以前より従来の「シェア・オブ・ボイス」主導の販促モデルから顧客中心かつ価値ベースのカスタマーエンゲージメントに移行する必要性を認識しており、変革に向けた取り組みを始めていました。しかし、その取り組みには全体ビジョンや戦略、重要コンテンツが十分ではないなどさまざまな課題があるだけでなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、カスタマー・エンゲージメント・モデルの再定義が急務となっています。
製薬業界におけるこうしたカスタマーエンゲージメントの変化については、Strategy&が2020年後半に日本、ドイツ、英国、イタリアの医療従事者、500人以上を対象に実施した調査により、以下の点が特定されています。
- 変化の程度は国によって異なるが、COVID-19前と比較して、医療従事者の患者への診療や製薬会社の営業担当者とのやり取りはバーチャルでのコミュニケーションが増加、中でも英国における増加の割合が大きい
- これまでデジタルチャネルの活用を「最後の手段」としていた「伝統派」の間にもデジタルチャネルを用いたエンゲージメントは拡大傾向にある。患者からの相談は最大50%が今後もバーチャルで対応されると予想されている。また、すでに半数以上の医師が医薬品・疾患・治療方法に関する疑問を日常的にGoogleなどの検索エンジンで調べている
- 製薬企業が支援する既存のポータルやフォーラムの利用率は低く、ソートリーダーシップや付加価値のあるリソース(特定の製品情報に限定されないコンテンツ)をより多く提供する機会があると示唆している