*本プレスリリースは、2020年8月25日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
- 2020年度第1~3四半期の収益は全事業分野で堅調に成長
- 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響は長期化
- 全主要市場で雇用を守るという意欲的な目標を掲げる
2020年8月25日ロンドン-2020年6月30日終了の会計年度におけるPwCグローバルネットワークの営業総収益は、前年度から現地通貨建てで3%、米ドル建てでは1.4%増加し、430億米ドルとなりました。
2020年3月末までの9カ月間の収益は前年同期比で7%近い伸びを見せ、全主要市場の全事業分野で拡大しました。しかし、世界中がCOVID-19のパンデミックと闘う中、4~6月期はロックダウン(都市封鎖)とそれに続く景気低迷の影響を大きく受け、前年同期比で6%の減益となりました。
PwCグローバル会長のボブ・モリッツ(Bob Moritz)は、次のように述べています。
「まず初めに申し上げたいのは、COVID-19の世界的流行は人類にとっての悲劇であるということです。PwCのスタッフやその家族・友人を含め、世界中で多くの人々の人生が一変しました。大切な方を亡くされた皆様に心よりお悔やみを申し上げます」
「COVID-19の世界的な感染拡大以降、PwCではスタッフの安全とウェルビーイングを第一に考え、雇用を守るとともに、COVID-19の影響に立ち向かうクライアント企業とPwCが拠点を構える地域社会を支援しています。昨年行った取り組みについてはもちろんのこと、PwCのスタッフがこの計り知れない大きな変化に機敏に対応しつつ、世界中のステークホルダーのために、つながりと連携を絶やさず、イノベーションに取り組み続けていることを誇りに思っています」
「この2~3カ月間は誰にとっても大変厳しい状況ではありましたが、私たちは自社の事業に改めて注力し、クライアントがパンデミックによる影響に対処し、将来の発展のために事業を再構築できるように支援してきました。PwCのステークホルダーに最高品質のサービスを届けることが、今ほど重要なときはありません。また、将来に向けて持続可能なPwCを築くために、テクノロジーと、スタッフのアップスキリング(スキルの向上)に引き続き大規模な投資も行ってきました。そうしたテクノロジーへの投資が効果を発揮したのは、まさにロックダウンの真っただ中のことでした。PwCスタッフ284,000人のうち95%が在宅勤務を余儀なくされる中、私たちのサービスが中断することは一度もなかったのです」
地域別の収益
米州の収益は、米国とカナダで特に業績が好調だったことを受け、3%増加しました。西欧の収益は2%の増加、中東欧では4%の増益となりました。
中東・アフリカの収益は10%増となりましたが、特に中東が好調で14%増を記録しました。アジアは5%の成長を収めましたが、オーストラレーシア・太平洋諸島は、2020年度の市況の厳しさを受けて1%の減益となりました。
2020年度通期では地域別の収益は概ね伸びを示しており、COVID-19の影響をカバーしました。これは、2020年3月末まで全地域で業績が予想通りに推移し、その後、ロックダウンによる経済活動制限の影響が4月から6月にかけて現れたためです。2020年度第4四半期には、世界のほとんどの市場で収益が前年同期から減少し、一部の国については最大で30%の落ち込みを見せました。
事業分野別の収益
私たちは世界中で最高品質のサービスを提供することに力を注ぎ、クライアント企業が、一段と複雑さと厳しさを増す事業環境に対応し、現在と未来の機会に対処できるよう支援しています。2020年度も全事業分野で収益が拡大しましたが、いずれの事業もCOVID-19による経済的影響は避けられず、新会計年度に入り、全事業の市況は厳しいものと見込んでいます。
アシュアランス:世界中のPwCで最も大きな規模を誇り、私たちのブランドを代表するアシュアランス事業は、主要ステークホルダーにサービスを提供し、世界の資本市場で信頼を築いています。2020年度のアシュアランス事業の収益は、中核となる監査業務への強い需要が引き続き追い風となって、3%増の176億米ドルとなりました。経営陣をはじめとするステークホルダーがオペレーション、各種リスク、業績に関するインサイトを求め、自社の信頼度と強靭性を高めようとしていることを受け、内部監査/ガバナンス、リスク/統制などの幅広いアシュアランスサービスは、引き続き力強い成長を見せています。また、デジタル・リスク・ソリューションに対する需要も、クラウドへの移行を加速させる企業がその支援を求めていることを背景に堅調に推移しています。全世界でおよそ119,000人のプロフェッショナルが、世界最大規模を誇るアシュアランス事業を支えています。
アドバイザリー:アドバイザリー事業の収益は4%増の147億米ドルとなりました。2020年第1~3四半期には、戦略やビジネストランスフォーメーション、価値創造にかかわる助言の需要が世界全体で高まり、成長を牽引することとなりました。PwCのアドバイザリー事業は、コンサルティング、ディール、サイバーセキュリティを専門とする各プロフェッショナルが一体となって業務に従事している点で他社と差別化を図っています。また、戦略立案から実行に至るまでクライアントが求める助言と支援を一体的なサービスとして提供すべく、税務およびリスクアシュアランスのスタッフとも連携を強化したことが奏功しました。現在、アドバイザリー事業には71,000人を超えるプロフェッショナルが所属しています。
税務および法務サービス:税務および法務サービス事業の収益は、2020年第1~3四半期の税務報告・戦略、人事・組織、法務サービスに対する需要を、第4四半期のCOVID-19の影響が相殺した格好となり、2%増の107億米ドルとなりました。税務および法務サービスに携わる55,000人超のプロフェッショナルは、PwCのグローバル税務行動基準の下、専門知識とノウハウを駆使して、個人から大手グローバル企業まで各クライアントが複雑で厳しい環境を切り抜け、人事・法務の問題に対処し、税務および報告義務を順守できるよう支援しています。
次年度の見通し
ボブ・モリッツは次のような見解を示しています。「私たちはCOVID-19がもたらした新たな難題の多くに機敏に対応しましたが、今後1年以上にわたって厳しい状況が続くことは間違いありません。PwCのエコノミストは、世界経済が2021年末には5.5%のマイナス成長になると予測しています。回復のスピードは国によって異なるものの、景気の悪化が私たちと世界中のクライアントに影響をもたらすことは明らかです」
私たち
は現在、いくつもの優先課題に全力を挙げて取り組んでいます。
- 雇用:雇用を守るために適切に行動すること。事業の持続可能性を維持しながら、将来に備えて必要な人材基盤の構築に投資を続けています。残念なことに世界では一部の市場、特にアドバイザリー分野で雇用の喪失が見られていますが、PwCは、不必要なコストや投資を抑えることで、雇用の喪失に歯止めをかけるべく努力しています。
- 安全とウェルビーイング:オフィスでの勤務を再開する際に、スタッフの安全と安心を確保するとともに、該当する安全手順に則りスタッフを守るべく、各種手続きとテクノロジーを確実に整備すること。在宅勤務を継続するスタッフに対しては、在宅勤務がもたらし得る課題に対応する上で必要となる支援を引き続き行っていきます。
- 品質:パンデミックとその経済への影響によって先行きが不透明になったことで、制度や情報、高い透明性に対する信頼の重要性に、ますます大きな注目が集まっています。そうした中、私たちが最優先で取り組みを継続しているのが、ステークホルダーに提供する全サービスの品質向上を目指した投資です。例えば、昨年発表した10億米ドルの投資は、世界最先端のクラウド環境を整えた組織になることで品質向上とイノベーションの推進を目指したものです。
- クライアント:パンデミックの影響への対応をはじめ、事業の再開、財務状況の改善、ビジネスモデルの見直しに取り組む全世界のクライアント企業を支援すること。
- イノベーション:PwCネットワーク全体のイノベーションと新たな製品・サービスの開発を推進・拡充すること。目下の経済情勢がもたらす困難に立ち向かっている私たちのステークホルダーに対して、将来に向けた持続可能な事業を構築するための最善策について助言と支援を行えることが何よりも重要です。
- スキルの向上:PwCスタッフのスキルを向上させること、また、世界中の若者のスキル向上を実現するための「Generation Unlimited(無限の可能性を秘めた世代)」を支持してUNICEFと連携することは、パンデミックによってテクノロジーの活用や在宅勤務が加速する中、ますます重要になっています。経済情勢は不透明ですが、引き続きPwCのスタッフをはじめ、多くの人が新しい仕事の世界に十分備えることができるように、多額の投資を行っていきます。
- ダイバーシティ&インクルージョン:自分は評価されている、意見を聞いてもらっていると誰もが実感でき、成長と成功の機会が全員に与えられる組織文化の醸成になお一層努力し、PwCが中心となって、ダイバーシティに関するグローバルな対話を推進すること。ダイバーシティ&インクルージョンを推進するため、PwCで初めてのグローバル・リーダーシップ・カウンシルを設置しています。
「パンデミックは多くの困難をもたらしましたが、同時に、将来について考え、見直しを行う機会もある程度もたらしました。例えば、協働やテクノロジーの活用、所有する土地建物の要否、頻繁な出張の再考、イノベーションの推進、ステークホルダーとの連携、健康とウェルビーイングを優先した取り組みを、いかに進めるかといった問題です。私たちは将来のPwCのあり方について考える中で、こうした課題の全てに積極的に取り組んでいます。」とボブ・モリッツは述べています。
2020年10月に発表予定の「PwCグローバル・アニュアル・レビュー」
では、COVID-19のパンデミックに対する私たちの対応をはじめ、クライアントやステークホルダー、PwCが拠点を構える地域社会に対する取り組み、PwCスタッフに行った支援、品質検査
の結果、PwC全体でいかに質の高い組織文化を根付かせていくか、ダイバーシティ&インクルージョンなどの重要課題に関する行動について、具体的にご紹介いたします。
以上
地域別PwCメンバーファームの総収益(単位:百万米ドル)
サービスライン別PwCメンバーファームの総収益(単位:百万米ドル)
*恒常為替レートの増減率は、米ドル建ての為替レートの影響を除外した現地通貨建てでの数値です。
*FY20の収益は、PwC全ファームの合計収益で、FY20の為替レートの平均で換算し米ドルで表示しています。FY19の合計収益はFY19の為替レートの平均で表示しています。収益にはクライアントに請求した経費も含まれます。会計年度は6月30日終了です。
PwCについて:https://www.pwc.com
PwCは、社会における信頼を築き、重要な課題を解決することをPurpose(存在意義)としています。私たちは、世界157カ国に及ぶグローバルネットワークに284,000人以上のスタッフを有し、高品質な監査、税務、アドバイザリーサービスを提供しています。詳細はhttps://www.pwc.com をご覧ください。
PwC Japanグループについて:https://www.pwc.com/jp
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約9,000人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。
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