「Circular Design Collective」の新たな推進体として「CDC協創会議」を発足。ロフトワークを運営事務局に迎え、知見の実践と課題解決に向けた協創を加速
株式会社日建設計(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大松敦、以下「日建設計」)が発案し、推進してきた建築・土木領域のサーキュラーデザインプラットフォーム「Circular Design Collective(以下 CDC)」は、業界全体としてサーキュラーエコノミーの取り組みを本格化させるため、多様なステークホルダーが参加する推進体として「CDC協創会議」を始動します。 新たに株式会社ロフトワークを運営事務局として迎え、これまで蓄積してきた思想や知見を基盤に業界横断のネットワーク化を促進し、循環型建築の社会実装に向けた取り組みを協創により加速させていきます。
■プロジェクト概要と前年度の取り組み
建設業は、資源消費量や廃棄物排出量の観点で国内環境負荷が大きい産業の一つです。日本では建設業が国内総資源消費量の約57%を占め、建設廃棄物は全産業廃棄物の約20%に上ります(※1)。こうした状況のなか、近年では資源枯渇や建設廃棄物の最終処分場不足、温室効果ガス排出削減といった課題への対応が社会的に強く求められており、建物の解体や再資源化までを見据えた「循環型建築」の実現に向けた仕組みづくりが業界全体として急務となっています。
これらの課題に対応するため、日建設計は2024年に、建設業界におけるサーキュラーエコノミーおよびカーボンニュートラルの推進に向け、「ヒト・モノ・コト」を研究・集合知化する「Circular Design Collective(CDC)」を発足しました。CDCでは、建築・土木業界から「廃棄物」という概念を無くすミッションのもと、解体後の建築部材の再利用や素材の価値転換を見据えた具体手法の構築と知見の蓄積を進めてきました。
※サーキュラーエコノミー:経済活動において原材料や製品を可能な限り廃棄せずに再利用することで、環境負荷低減や持続可能な資源利用を達成する循環型のしくみ
【主な取り組み】
初年度の取り組みとして、循環型建築の設計アイデアや先進事例、社外専門家との知見を体系化したナレッジ基盤「Circular Idea Catalog(以下 CIC)」を立ち上げ社内運用を開始。誰もがサーキュラーデザインを実践できる土台を構築してきました。
図:「Circular Idea Catalog」
日建設計主体のもと、実務における有用性を検証するため、「CIC協創」の名目でゼネコンや空間デザイン・内装領域などの企業7社の有志および株式会社ロフトワークとともに協創会議を発足し、実際の設計現場で活用できる評価基準の策定やプロトタイプの検証を重ねてきました。また、当協創会議に参加した有志とともに、彰国社の建築専門誌『ディテール』246号「サーキュラーデザイン」特集の編集協力・執筆に参画しました。
さらに、中央省庁の有志を交えて、建築・都市における資源循環の障壁を因果関係とともに可視化した「Circular Issue Map(以下 CIM)」を作成。政策立案者、設計者、施工者、解体業者など、多様なステークホルダーが直面する課題を整理し、解決に向けた介入ポイントを特定するなど、業界横断の推進基盤づくりに取り組んできました。
図:「Circular Issue Map」
■本年度の展開
本年度は、「設計者目線」にとどまらない多角的な議論を加速させ、建設業界におけるさまざまなステークホルダーが参加しやすい環境を整えるため、業界外から株式会社ロフトワークを運営事務局に迎え、「CDC協創会議」を発足します。
CDC協創会議では、日建設計がファウンダーとして策定した全体理念やビジョンを基に、ロフトワークが運営事務局として全体企画や議論の編集・情報発信、および運営管理を行っていきます。
【具体的な活動内容】
・東京・大阪・京都などを拠点に月1回の定例会議を開催。サーキュラーデザインに関する取り組み事例の紹介に加え、実現に向けたステークホルダーとの連携という観点から、事業者、設計者、デザイナー、施工者など多角的な視点から議論を深めます。協議された事例や知見は「Circular Idea Catalog(CIC)」に集約していきます。
※CICはCDC協創会議に参加している協創パートナーおよび協創企業パートナーのみ閲覧可能
・CDC協創会議で議論した事例や内容を「Circular Issue Map(CIM)」にマッピングし、資源循環に関する課題と解決策が紐づいた具体事例として集約・体系化していきます。
・年1回の視察合宿を実施。サーキュラーデザインの取り組みを現地で共通体験するとともに、議論を深めていきます。
■ 株式会社日建設計 金子公亮 コメント
私たちが目指す循環型建築は、資源の再利用にとどまらず、地域の人々に長く愛され、次世代へ受け継がれる建築です。これまで、志を同じくする企業および個人の皆さまと、知見を共有し、実践の土台を育ててきました。今回、ロフトワークを運営事務局に迎え、この「協創」の輪をさらにひらいていきます。共に業界の「あたりまえ」を底上げし、その先で各社の強みを活かす「競創」へ。資源と愛着が循環する豊かな社会を、建築・土木の領域から実現していきたいと考えています。
■株式会社ロフトワーク 木下浩佑 コメント
循環型建築を社会に根付かせるには、技術や素材の知見に加え、自然資本や地域の文化、営みと経済合理性をつなぐ視点が欠かせません。運営事務局として、CDCが目指す、誰もがサーキュラーデザインを実践できる共有知と関係性の構築への共感のもと、これまでの協創を支えてきた皆さまとともに、業種や専門領域を越え、多様な問いを具体的な試行へとつなぎ、過程と成果をひらくことで、実践が生まれる場を育ててまいります。
日建設計は今後、CDC協創会議を通じて得られる知見やプロセスをオープンな共有知として、参画企業・団体をはじめとする業界全体へと展開していきます。特定分野や領域にとどまらない連携を深めることで、建築・土木領域におけるサーキュラーデザインの社会実装をさらに推し進めていきます。
※1 出典:
環境省「令和3年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」
国土交通省「主要建設資材需要見通し 令和元年 公表資料」「平成30年度建設副産物実態調査 」
■日建設計について
日建設計は、建築・土木の設計監理、都市デザインおよびこれらに関連する調査・企画・コンサルティング業務を⾏うプロフェッショナル・サービス・ファームです。1900年の創業以来120年にわたって、社会の要請とクライアントの皆様の様々なご要望にお応えすべく、顕在的・潜在的な社会課題に対して解決を図る「社会環境デザイン」を通じた価値創造に取り組んできました。これまで⽇本、中国、ASEAN、中東で様々なプロジェクトに携わり、近年はインド、欧州にも展開しています。
URL:
https://www.nikken.jp/ja/