株式会社チェンジホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長:福留大士)は、子会社で人材育成・ DX コンサルティング事業を展開する株式会社チェンジ(本社:東京都港区、代表取締役兼執行役員社長:野田知寛)、および「 AI BPO センター」への転換を推進するイー・ガーディアン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:高谷康久)とともに、 AI と人間の「役割分担」に関する意識を明らかにするため、全国の会社員・役員 1,104 名を対象にインターネット調査を実施しました。
課題整理・データ分析・議事録作成・最終的な意思決定など 13 の業務について、 AI の活用方法として最も適切だと思うものを尋ねたところ、「人が主体で実施する」とした回答が平均61.2%にのぼり、「 AI が主体的に実施する」とした回答は 38.8 %にとどまりました。 AI の活用が進む一方で、業務の主導権はいまも人にあるとする回答が多数を占める結果となりました。
■調査ハイライト 1. AI 時代でも、業務全体の 6 割は「人主導」。 AI が主体になれているのは 4 割弱
13 業務の平均で、「人が主体で実施する」( AI は不使用または補助)とする回答が 61.2 %、「 AI が主体的に実施する」(人は確認・最終判断のみ、または関与なし)とする回答は 38.8 %。 AI が実務に浸透しつつある一方で、多くの業務では依然として人が主導権を持つと考えられている
2. 役職が上がるほど AI 活用を容認する傾向。部長 55.4 %をピークに、役員は 43.7 %まで急落
一般社員から部長までは役職が上がるほど「 AI が主体的に実施してよい」とする回答が増加する一方、役員層では 13 業務すべてで部長を下回る結果に(平均 11.7 ポイント差、最大は「課題の整理」で 21.5 ポイント差)。前回調査で見られた「役員層は評価が定まっていない」という傾向と同様の構造が、今回も確認された
3. 業種別では金融が最も AI 活用に前向き( 59.4 %)。医療・介護は最も慎重( 23.4 %)
13 業務中 12 業務で、 AI が主体的に実施してよいとする回答が最も多かったのは金融業。一方、医療・介護は 13 業務中 12 業務で最も回答割合が低く、業種によって受け止め方に大きな差が見られた
4. 世代によって「 AI に委ねられる範囲」は最大 5 倍の差
「最終的な意思決定」を AI が主体的に行ってよいとする回答は 20 代で 59.1 %にのぼる一方、 50 代ではわずか 12.1 %。「 AI に仕事を奪われる懸念」も 20 代 67.5 %・ 50 代 26.5 %と、世代によって受け止め方が大きく異なる
5. 勤務形態によっても AI 活用への態度は 20 ポイント以上の差
出社中心の社員(平均 33.1 %)に比べ、ハイブリッド・フルリモート勤務者(平均 55.8 %、 56.1 %)で AI 活用を容認する回答が 20 ポイント以上高い。一方、「 AI に仕事を奪われる懸念」はハイブリッド勤務者が最も高く、フルリモート勤務者が最も低いという、単純には比例しない結果も見られた
■本調査の設問について
Q. 以下の業務について、 AI の活用方法として現時点でのお考えに最も近いものをお選びください。
選択肢
内容
①人主導
人が主体で実施し、 AI は使用しない
②サポート
人が主体で実施し、 AI は補助として活用する
③レビュー
AI が主に実施し、人が内容を確認・修正する
④責任保持
AI が主に実施し、人は最終判断のみ行う
⑤完全自動
AI が自律的に実施し、人は基本的に関与しない
(わからない)
どうしても判断できない場合
※本リリースでは、①②を「人主導」、③④⑤を「 AI 主体」として集計しています
上記について、以下の 13 業務それぞれで回答を尋ねました。
分類
業務
描く(構想・設計)
課題の整理/企画のアイデア出し/資料などの構成設計
問う(探索・検討)
情報収集・調査/データ分析/複数案の比較検討
整える(実務・アウトプット)
情報の整理/議事録作成/資料などの最終化/数値・データのファクトチェック
働きかける(対人・責任)
社内報告(上司・役員)/顧客への提案/最終的な意思決定
■調査結果詳細 1. 業務全体の 6 割は「人主導」。 AI が主体になれているのは 4 割弱
前述の設問( 13 業務それぞれについて、 AI の活用方法として最も近いものを選択)で尋ねたところ、 13業務の平均で「人主導」(①②の合計)が 61.2 %、「 AI 主体」(③④⑤の合計)が 38.8 %となりました。
業務別に見ると、 AI が主体的に実施してよいとする回答が最も多かったのは「議事録作成」( 44.7 %)、「データ分析」( 44.0 %)、「情報の整理」( 43.8 %)でした。一方、「人が主体で実施すべき」とする回答が最も多かったのは「課題の整理」( AI 主体回答 25.3 %)、「最終的な意思決定」(同 33.5 %)、「社内報告(上司・役員)」(同 35.2 %)でした。
情報を扱う実務領域(データ分析・情報整理など)では AI の活用が比較的容認されている一方、構想や対人関係、意思決定が伴う業務では、人が主体を担うべきだと考える傾向が明確に表れています。
なお、本調査では「自分の仕事が AI に代替されることについて、どの程度懸念しているか」も併せて尋ねました。その結果、「懸念している」(非常に懸念+やや懸念)が 43.6 %、「懸念していない」(あまり懸念していない+全く懸念していない)が 44.2 %となり、両者はほぼ同水準で拮抗しました。チェンジ社が 2026 年 6 月に発表した前回調査(「企業の AI 活用が 働き手のキャリア判断に与える影響」)で見られた「 AI 活用の評価が拮抗する」という傾向は、今回も別の指標で再現される結果となっています。
前回調査でも、役員層は「 AI 活用の遅れが転職理由になり得る」との回答について肯定・中立・否定が拮抗し、評価が定まっていない結果が示されていました。今回の調査でも役員層に同様の傾向が見られたことから、現場に近い管理職層ほど AI 活用への態度が明確になりやすく、経営層はより慎重・多様な見方をしている可能性がうかがえます。
今回の調査では、役職が上がるにつれて AI 活用を容認する割合が高まる一方、役員層では再び低下しました。これは、現場レベルで AI 活用が着実に浸透する反面、最終的な意思決定や経営判断は依然として「人が主体であるべき」との認識が強いことを示しています。
また、業種や世代間の大きな意識差も、単なるリテラシーの差ではなく、業務構造や働く意識の違いを映し出しています。間接業務の多いとされる金融業で活用が進む一方、対人対応が求められる業種では慎重な姿勢が残っています。さらに若年層の「 AI を容認しつつ、代替への懸念も強い」という両面性は、定型業務が置き換わる未来を見据え、自身の時間をより付加価値の高い業務へ振り向ける模索の表れと考えられます。 AI はもはや単なる効率化の手段ではなく、人が取り組むべき仕事を再定義する存在として捉えられ始めているのです。
これまで AI 活用は、議事録作成やデータ分析といった間接業務を中心に進んできました。 AI による業務代替から、人と AI の強みを活かし成果を最大化する時代へ移行する中、今後は企画立案や課題解決など、企業の競争力を左右する「コア業務」へ AI をどう組み込むかが重要なテーマになるでしょう。