桐朋学園宗次ホール 木材活用コンクールで優秀賞受賞 木材の新しい用途、木造化、木質化への波及効果が評価

住友林業株式会社

 住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)が前田建設工業株式会社(社長:前田操治 本社:東京都千代田区)と共同企業体(JV)で設計・施工した桐朋学園宗次ホールが、第25回木材活用コンクールで優秀賞(日本木材青壮年団体連合会会長賞)を受賞しました。木材活用コンクールでの受賞は当社筑波研究所新研究棟に続き2度目となります。
 本施設はCLT(直交集成板)を意匠・構造・音響面で採用した音楽ホールで、折板構造(床や壁等平面の構造を屏風状に折り曲げ平板の強度を増す構造)による17mスパンの無柱空間、木質空間による豊かな音質環境を実現しています。建築物の木造化、木質化への波及効果、木材の新しい用途の普及への寄与、木の良さが活かされ豊かな暮らしや社会の実現に通ずる点等が評価されました。

<特長>
・CLT(直交集成板)を意匠・構造・音響の材料として大空間を実現した音楽ホール。CLTの折板構造でスギとヒノキのハイブリッドCLTを現し(あらわし)として壁と天井に使用。音響効果と木質感の美しさを両立。

・建物はフルオーケストラが演奏できる広い舞台と234の客席(可動席含む)を持つホール棟、レッスン室と教室がある教室棟で構成。ホール棟のCLTは西日本を中心に、教室棟の梁材は関東甲信越中心に調達したカラマツ材を使用。

・外観は楽器の弦をイメージする木製ルーバー(スギ集成材)で包まれたデザイン。耐久性に配慮して住友林業オリジナルの水性シリコン系木材保護塗料「S-100」を塗布。「S-100」は木目を活かす半透明の塗料で、高い撥水性と潤滑性が特長。汚れを付き難くし、太陽光・風雨・温度変化などに対しても変質や劣化を抑え、木の外観の美しさを保持。

・本施設の主要構造躯体部分の資材製造時のCO2排出量は1,757トン。試算では鉄骨造とした場合より21%、鉄筋コンクリート造とした場合より29%削減。本施設に使用した木材は930 m3、746トン(CO2ベース)の炭素を建物に固定。

 住友林業は木を伐採・加工、利用、再利用、植林という住友林業の「ウッドサイクル」を回すことで森林のCO2吸収量を増やし、木材の活用で炭素を長く固定し続けます。木材需要を増やすためには非住宅建築物の木造化が重要で、当社グループは脱炭素社会の実現に向け教育施設や商業施設など非住宅建築分野での木造化・木質化を推進します。木質部材の調達や製造、設計・施工にいたるまで、木の魅力を最大限に活かす建築物を通して付加価値の高い商品、サービスを提供し持続可能な社会の実現に貢献します。

<施設概要>
<木材活用コンクールについて>
 木材活用コンクールは日本木材青壮年団体連合会が主催し、農林水産省・国土交通省などが後援しています。木材の新たな利用、普及の可能性をさぐり、木材業界の活性化に寄与することを目的に1997年に創設され今年で25回目となります。表彰対象は木の伝統と文化を次世代へ繋ぐため「木の良さ」を活かした作品、新しい木材の利用や見せ方、新工法など「木材の新たな一歩(可能性)」を実現し、木材の良さの普及と利用拡大に貢献する作品です。
 

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