【調査レポート】消費者市場の未来~明日の消費者のために今日から準備する
消費者市場ですでに起こっていた基本的な変化は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの発生により加速しました。本稿では、消費者市場で起きている以下5つのマクロトレンドの概要を説明し、チャンスを生かすために不確実性や課題を克服する示唆を提供します。
1. 未来の店舗: 未来の店舗は、オムニチャネルで体験重視であり、フィジカルな世界とデジタルな世界を融合したものになる
- テクノロジーは今後もオンラインと実店舗に変革をもたらし、急速な変化と革新を余儀なくされる
- 消費者は、フリクションレスな(煩わしさのない)、テクノロジーを駆使した体験を期待する
- 小売やメーカーがD2Cモデル(消費者への直接販売)を採用することで、従来のチャネルはますます曖昧になる
- フルフィルメント体験は、ますます重要な実行ポイントとなる
- 健康と安全への関心は、小売に残り続ける
2. ブランド・レレバンス:社会に配慮した消費行動は、人々が信頼し、自分の価値にあったブランドを求めるために、今後も拡大する
- 消費者は、自分が関心を寄せるブランドへの期待を高め続けている
- 消費者は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関するさまざまな懸念事項に対応した、目的志向の高いブランドを求め続ける
- ブランドが顧客を獲得するためには、意味のある価値提案を明確にしなくてはならなくなる
- ソーシャルメディアの世界が、ブランドの認知度や評判に影響を与えることが多くなる
3. デジタルサプライチェーン: 未来のサプライチェーンは、ほぼ自律型となり、「スマート」な判断で自己制御する
- 急速に変化する消費者の期待と行動のために、サプライチェーンではより迅速で透明性の高い対応をせざるを得ない
- オムニチャネルショッピング、複数のフルフィルメントポイント、地政学的問題は、サプライチェーンの課題をさらに大きくする
- エンド・ツー・エンドの可視化は、効果的なサプライチェーンマネジメントの第一条件となる
- デジタル化は、サプライチェーンを進化させる鍵となる
4. 食の未来:より健康的な商品を求める消費者の要求と、フードバリューチェーンにおける透明性と持続性の向上への期待は、ともに、高まっている
- 食の世界には、ローカル、量産、パーソナライズという3つの主要なトレンドが影響を与える
- デジタル化されたD2Cのビジネスモデルが発展するにつれ、小売と消費財メーカーが顧客獲得のためにどこでどのように競争するのか、その境界線はさらに曖昧になる
- 個人の健康や環境の持続可能性への関心、パーソナライズされた製品への欲求は、今後も食品業界に変革をもたらす
5. ESGの興隆:規制当局や取締役会からのESG重視への圧力は今後も強まる
- 長期的な価値創造のためには、ESGへの取り組みが不可欠である
- ESG課題への取り組みを強化するための規制はあり得る。企業は、ESGの目標や理想を、企業文化や日々の業務行動に組み込まなくてはならなくなる。
■本調査レポートのURL
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https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/consumers-today.html