32dBのチャンネル損失に対応可能な10:4のギアボックス用PHYチップ、大規模ネットワーク向けにサンプル出荷を開始
アバゴ・テクノロジー株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:米山周)は、本日、イーサネットとOTN(Optical Transport Network)をサポートするトランシーバ用PHY(物理層)デバイスとして、新製品「Vortex GearboxTM」を発表しました。このVortex Gearboxは、アバゴの実績ある28nm CMOS技術とSerDes技術を活用して開発されたものです。すでに、IEEE CAUIならびにCEI-11G-SR、CEI-25G-LR、CEI-28G-VSRを含むCEI(Common Electrical Interface)規格に適合することが実証されています。また、アバゴ独自のDFE(Decision Feedback Equalization:判定帰還等化)アーキテクチャを採用したことにより、消費電力とデータ遅延を抑えつつ、業界最高レベルのジッター性能とクロストーク性能が実現されています。
サンプル出荷を開始
「AVSP-1104」はVortex Gearboxシリーズの最初の製品です。高密度の100ギガビットイーサネット(GbE)およびOTNの分野を対象とし、シングルチップのPHYデバイスとして開発されました。バックプレーンとポートサイドの両方の用途に最適な製品です。
主な特長は、以下の通りです。
・32dBのチャンネル損失にも対応可能な長距離性能
・1Gbps(ギガビット/秒)~28Gbpsでのホールフリー動作
・4レーン(4×25Gbps、4×28Gbps)から10レーン(10×10Gbps、10×11Gbps)への全二重変換が可能なギアボックス機能
・オプションで、10レーンの全二重通信のためのリタイマ機能を構成可能
・あらゆるSerDesインタフェースに対するプログラミングが可能な送信/受信等価(イコライゼーション)機能
・10-20のビット誤り率(BER)
・容易に使用できるリモート・デバッグ用の診断ソフトウェア
米国の調査会社リンレイ・グループで上級アナリストを務めるジャグ・ボラリア氏は「アバゴは、実績のあるSerDes技術をはじめ、ASIC、ASSP、IP、光通信などの分野で培った幅広い技術を基盤として新製品を開発し、PHY層用ASSPの市場に参入しました。さまざまな関連技術での実績を有することから、同社がこの市場でもすでに信頼できる存在であることは間違いありません」と述べています。その上で同氏は、「Vortex Gearboxシリーズの最初の製品であるAVSP-1104は、バックプレーン、ポートサイドのアプリケーションで要求される機能/性能を十分に満足しています」と述べています。
アバゴ・テクノロジーのASIC製品担当副社長 兼 ジェネラル・マネージャのフランク・オストウィッチは、「当社は、これまでの10年間にチャンネル数に換算して2億5千万を超えるSerDes製品を出荷しました。これは、高性能のASICに向けた最先端のSerDesコアの開発実績としては記録となる数字です。このような実績を基盤とし、アバゴは、Vortex Gearboxシリーズの最初の製品となるAVSP-1104の供給を開始します。当社は、現在100GbEに対応したソリューションを提供中ですが、近い将来、28Gbpsを超える高速シリアル通信を利用するシステムの構築を可能にするソリューションの提供を開始する予定です」とコメントしています。
供給について
Vortex Gearboxシリーズの「AVSP-1104」のサンプル供給および量産販売については、アバゴ・テクノロジーの正規販売代理店までお問い合わせください。