休んだはずなのに、正月明けってなんでこんなに疲れるのだろう?

大正製薬株式会社

~「正月疲れ」は、睡眠の不調が原因?~

休んだはずなのに、正月明けってなんでこんなに疲れるのだろう?
~「正月疲れ」は、睡眠の不調が原因?~

           
【ポイント】
・「正月疲れ」を感じている人は6割。原因として多いのは「睡眠の不調」。
・正月には普段よりも生活リズムや食生活が乱れている人が多く、食生活の乱れが「睡眠の不調」に影響を与えることが確認されている。
・「正月疲れ」から回復し、すっきりとした日々を過ごすために、生活リズムや食事の栄養バランスの見直
しに加え、「タウリン」「GABA」「グリシン」「トリプトファン」といった栄養素の摂取を意識してみると
良いでしょう。

大正製薬より正月疲れに関する調査と和らげる方法の紹介です。
お正月は新しい年のスタートを祝う特別な時期ですが、その後の日常に戻ると、なんとなく疲れを感じることがありますよね。新年の始まりに伴う様々な準備やイベント、人との交流などが身体や心に負荷をかけることも考えられます。

1:正月明けに疲れを感じている人は6割。
そこで、30-50代男女を対象に、お正月明けの疲労(以下、正月疲れ)の実態についてアンケート調査しました。今回は調査結果と共に対策についてもご紹介します。
 有職者男女(30代~50代)2,416人に、正月明けに疲労の症状があったかを伺いました。結果として、62.0%が「疲れ」があったと回答しました。多くの方が何かしらの疲労悩みを抱えていることが伺えます。

 
2:正月明けに疲れを感じるのは睡眠不調が原因!?
「寝正月」という言葉があるように、正月休みには普段以上にゆっくりと寝て過ごしている方も多いかもしれません。しかし、正月明けに「疲れがあった」と答えた方240人に「疲れの原因はなんだと思いますか?」と尋ねたところ、「睡眠の不調」と答えた方が47.9%と、意外なことに他の原因に比べ「睡眠の不調」が目立つ結果となりました。では、なぜ正月明けに睡眠の不調を自覚するのでしょうか。

1) 生活リズムの乱れ
同様に正月明けに「疲れがあった」と答えた方240人に、「正月の生活リズムは普段と比べてどうでしたか?」と尋ねたところ、「生活リズムがいつもより乱れていた」が63.8%、「生活リズムはいつもと変わらなかった」が28.8%、「生活リズムはいつもより良かった」が7.5%と、正月はいつもより生活リズムが乱れていることが分かりました。

2) 暴飲暴食
「正月はどのような食生活(食事)を送りましたか?」と尋ねたところ、「間食が多かった」が39.2%、「量が多かった」が33.3%、「献立に偏りがあった」が30.0%、「いつもと変わらなかった」21.7%と、食生活の乱れが散見される結果となりました。正月期間中、特別な料理やお酒を楽しむ機会が増える一方で、食べ過ぎや食べる食材の偏りが見られたことが分かります。では食生活の乱れと「睡眠不調」の間には実際にどういった関係があるのでしょうか。調べてみると、なんと・・・飽和脂肪と砂糖の摂取量が多 く、食物繊維の摂取が少ないと、睡眠が浅く、覚醒度が高くなるとの報告がありました※1。また高脂肪食の摂取が、睡眠やホルモン分泌、代謝などの1日のリズムを調節する時計遺伝子に悪影響を及ぼす※2ことが分かっているのです。
※1:J Clin Sleep Med. 2016 Jan;12(1):19-24.
※2:Sci Rep. 2016 Nov 18;6:36801.


3:正月疲れを和らげるための方法
① 睡眠リズム・環境を整える
規則正しい生活習慣や寝具など、睡眠環境の見直しが最も重要です。良い睡眠を促すために、寝る前に読書や軽いストレッチ、瞑想などリラックスできる時間を設けることで、心身の緊張を和らげましょう。
② 栄養バランスを整える
暴飲暴食を控えることはもちろんですが、正月期間中の栄養素の過剰摂取を挽回するために、摂取した栄養素を代謝させることも重要です。果物、野菜、ビタミン剤などを積極的に摂取し、エネルギー代謝に役立つビタミンB群を補いましょう。

さらに、睡眠の質と疲労回復に意識したい栄養素として、タウリン、GABA、グリシン、トリプトファンについて解説します。

●タウリン
タウリンは抗酸化作用を発揮する非タンパク質性のアミノ酸の1種です。2023年6月には『Science』誌でタウリンの寿命延長作用や骨量増加、筋力増強作用など、抗老化にまつわる作用が報告されました。また、2024年3月には大正製薬株式会社から、タウリンが睡眠を調節する因子(睡眠調節因子)の発現異常を抑制するという研究成果が発表されました。タウリンを摂取することは、疲労回復や良質な睡眠にもつながり、快適な朝のスタートをサポートすることが期待されます。一方で、タウリンの血中濃度は年齢とともに減少するため、日々の摂取を意識したい栄養素です。

●GABA
GABA(γ-アミノ酪酸)は非タンパク質性のアミノ酸の1種であり、食品として手軽に摂取できる成分です。GABAの摂取は、入眠までの時間の短縮やノンレム睡眠時間の増加に効果的です。近年では、健康維持の観点から腸内環境を整えることが注目されており、一部の乳酸菌やビフィズス菌はGABAを産生することが報告されています。GABAを増やすためには、GABAそのものを摂取するだけでなく、乳酸菌やビフィズス菌を摂取することも有効です。

●グリシン
グリシンは体内でも産生されるアミノ酸の1種で、様々な生理機能に関与しています。疲労や睡眠には細胞にダメージを与える酸化ストレスが関わっていますが、グリシンは酸化ストレスを抑制するグルタチオンの元になる成分として知られています。グリシンの摂取は深部体温(体の内部の体温)を低下させ、睡眠の質を向上させることが報告されています。

●トリプトファン
トリプトファンは乳製品や魚類などに含まれる必須アミノ酸の1種で、日々の食事から摂取しなければならないアミノ酸です。トリプトファンは睡眠を促すホルモンであるメラトニンへと体内で変換されます。メラトニンは深部体温を下げることで睡眠を促しますが、日中に光を多く浴びることで夜間の分泌量が増加します。また、ビタミンB6はトリプトファンからメラトニンへの変換をサポートする栄養素として知られています。睡眠を促すメラトニン分泌のためには、トリプトファンの摂取だけでなく、日光浴やビタミンB6の摂取も意識したいです。

最後に
正月明けには、多くの人が十分休んだのに疲れを感じており、それらが睡眠の不調と関連することが見えてきました。さらに、十分な対処ができていれば不調が軽減される実態も明らかになりました。
正月中にバランスの整った食事を食べ続ける、いつもと変わらない睡眠をとるということを心がけることが最も大切ですが、栄養成分に着目した睡眠不調、ひいては「正月疲れ」への対処を行ってみてはいかがでしょうか。少しでも、正月疲れを軽減して元気に過ごせるかもしれません。

【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024/12/13(金)~2024/12/17(火)
調査機関:株式会社マーケティングアプリケーションズ
調査対象:全国の30歳~59歳の男女(有職者) 
有効回答数:①2,416人 ②240人

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