タイパの次は「メンパ」の時代へ 情報過多の時代に、働く女性の約6割が感じる「選択の心理的負担」

〜タイパだけでは心は整わない。脳研究者 池谷 裕二氏に聞く「メンパ」を高めストレスを減らす「チョイパ思考」とは〜

 株式会社AOKI(代表取締役社長:小出大二朗)が運営する『ジャケジョ研究所』では、ジャケットに関する悩みやHOW TO情報を提供し、ジャケットを着用する女性をサポートする活動を行っています。
 「メンタルパフォーマンス(以下、メンパ)」は、SNSの普及や膨大な情報による「心のエネルギー消耗や失敗ストレスを最小限に抑えたい」という、Z世代を中心に広がる心理傾向です。仕事からプライベートまで常に意思決定を求められる現代の働く女性は、日常的な「選択時の判断疲れ」による認知的な疲労やメンタルへの負荷を抱えています。
 そこで、本調査では、ジャケットを着用する機会のある20代~50代の女性1,000名を対象にメンパを低下させる「選択時の判断疲れ」の実態と、「選択の効率化(チョイスパフォーマンス、以下チョイパ)への関心」の実態を調査し、「迷わず納得して選びたい」という切実なインサイトと、働く女性たちがどのように日々の判断労働を減らしメンパを保っているのかを明らかにしました。
 さらに本リリースでは、脳研究者 池谷 裕二氏をお迎えしてインタビューを実施。脳科学の第一人者として「選択時の判断疲れ」を認知負荷のメカニズムから解説していただき、「選択の効率化」をするためのヒントをうかがいました。

ジャケジョ研究所:https://www.aoki-style.com/feature/jacketjoshi/

【TOPICS】
①「メンパ(メンタルパフォーマンス)」の台頭
 約6割の女性が日常の選択時の判断疲れとメンパ低下を実感。 
②「選択時の判断疲れ」が引き起こす悪循環
 判断疲れにより時間浪費だけでなく、行動力やモチベーションまでもが減退。
③「チョイパ(選択の効率化)」への強いニーズ:約7割がチョイパ向上を希望
「チョイパ」を高めて選択の負担を軽減させることが、心の余裕やモチベーションを維持する。
④朝の最大の悩みは「服選び」
 「天気・気温への対応」や「TPOに最適なコーディネート」など、出社前の多角的な判断が負担に。
⑤【特別インタビュー】脳研究者 池谷 裕二氏が語る「メンパ」を保つための脳科学
認知コストの観点から「判断疲れ」の正体を紐解き、選択を減らして心の余白を作る重要性を提言。


■約6割の働く女性が商品・サービス選択時に「判断疲れによるメンパ低下」を実感
 日常生活において、商品やサービスを選ぶ際、「選択肢が多すぎて選ぶのが面倒だ(疲れる)」と、メンタルパフォーマンス(メンパ)の低下を感じることがあると回答した人は、全体の61.7%(「頻繁にある(14.2%)」+「時々ある(47.5%)」の合計)にのぼりました。過半数を超える女性たちが、溢れる選択肢を前に日々消耗し、判断疲れを感じている実態が明らかになりました(Q1)。

■日常生活の「選択時の判断疲れ」が行動力やモチベーションを低下させる要因に
 日常生活で何かを選ぶ・決める際の負担について尋ねたところ、最も多かったのは「選択肢が多すぎる(30.5%)」、次いで、「失敗したくないと思い、決めるまでに時間がかかる(28.7%)」、「比較情報が多すぎる(26.8%)」、という結果になりました。情報過多や過度な失敗回避の意識が、日々の判断におけるストレスを生み出している実態がうかがえます(Q2)。さらに、生活の中で「選ぶ・決める」ことに疲れた結果起こりやすい状態については、「予定より時間がかかった(25.4%)」が最多となり、選択作業そのものの所要時間が増加することが判明しました。続いて「その後の行動が面倒になった(21.2%)」、「気分が下がった・やる気がなくなった(20.2%)」が上位となりました。これらの結果から、「判断疲れ」は単に時間を浪費させるだけでなく、その後の行動力やモチベーションまで減退させ、顕著な「メンタルパフォーマンスの低下」を引き起こしている実態が明らかになりました(Q3)。


また解決策として、日々の生活で、「選ぶ・決める負担を減らすのに役立った」と感じる工夫ついて尋ねたところ、「前日までに予定や身支度を決めておく(25.4%)」が最も多く、次いで「自分なりの判断基準やマイルールを決める(24.9%)」という回答となりました(Q4)。あらかじめ選択の機会を減らす「ルーティン化」や自分なりの「軸」を持っておくことが、日常の判断負荷を軽減し、メンタルパフォーマンスを維持するための有効な打開策となっているようです。

■約7割が選択の効率性と納得感を両立する「チョイパ(チョイス・パフォーマンス)」向上を希望
 単なる時短ではなく「自分に最適な選択肢を、迷わずに納得感を持って選べる効率性」を意味する「チョイパ(チョイス・パフォーマンス)」について、自身のチョイパを高めたいと思うか尋ねたところ、「非常にそう思う(19.6%)」と
「まあまあそう思う(48.9%)」を合わせて68.5%が前向きな回答を示しました。単に時間を短縮するだけでなく、ストレスなく後悔のない決断を下したいと望む現代人の意識が色濃く反映されています(Q5)。さらに、日々の「自分で選ぶ手間(チョイパ)」が改善され、思考にかかる時間やストレスがなくなった場合に「メンパ(メンタルパフォーマンス)」が高まると思うか尋ねたところ、70.0%が「高まると思う」(「非常にそう思う」18.0%+「まあまあそう思う」52.0%の
合計)と回答しました。「チョイパ」を高めて選択の負担を軽減させることが、心の余裕やモチベーションを維持する「メンパ向上」に直接つながると考える人が7割に達していることが分かります(Q6)。



■チョイパ向上による最大のメリットは「精神的ストレスの軽減」。「AI提案」の活用意向も上位に
 選択の手間や負担が省けて「チョイパ」が向上した場合の生活の変化について尋ねたところ、最も多かったのは「精神的なストレスが減る(37.0%)」でした。次いで「自分の本当にやりたいことに時間を使える(26.5%)」、「失敗
(ハズレ)を引くリスクが減る(23.8%)」が続き、判断疲れの緩和や時間の有効活用への期待が高いことが伺えます(Q7)。また、チョイパを高めるために信頼している(または利用したい)情報源・サービスについては、「友人・家族の口コミ(28.5%)」が最多となったものの、「信頼している特定のブランド・メーカー(27.8%)」や「AIによるパーソナル提案(24.6%)」が上位にランクインしました。定番ブランドへの信頼に加え、近年急速に普及するAI技術を判断のサポート役として取り入れ、賢く選択の手間を削減したいと考える人が増えている様子が見て取れます(Q8)。







■出社前の「服選び」が一番の負担に。「身支度」に関する意思決定が上位を独占
 仕事に行く日の朝、選ぶことに負担を感じるものを尋ねたところ、1位は「着る服を選ぶこと(32.2%)」、2位は「メイクや髪型を決めること(26.9%)」となり、朝の身支度における選択が上位を占める結果となりました(Q9)。さらに、服装選びで「迷う」と感じる理由は、1位「天気や気温に合わせた服装を考えること(29.3%)」、2位「今日着る服を決めること(28.1%)」、3位「コーディネートを考えること(24.5%)」となりました。気候への配慮に加え、その日の予定やTPOに最適な服を決め、上下の組み合わせを一度に考えるなど、出社前の忙しい時間帯において、複数の検討を同時におこなう多角的な判断が、朝の意思決定の負担となっているようです(Q10)。







■服選びの手間削減に求められるのは「マルチウェイ・着まわし力」と「セットアップ化」
 新しい服を購入する際、最も選ぶのが面倒(ストレス)と感じることを尋ねたところ、1位は「手持ちの服と合わせやすいか判断すること(22.6%)」となりました。3位には「洗濯やアイロンなど、手入れがしやすいか確認すること(15.6%)」が入りました(Q11)。そこで、服選びの「手間」を減らすために取り入れたい工夫や機能についても尋ねたところ、1位は「マルチウェイ・着回し力(34.4%)」となりました。次いで2位に「セットアップ化(26.6%)」、3位に「機能性(21.8%)」がランクインしました。1着で何通りも着こなせる汎用性の高さや、上下を悩まず完結できるセットアップなど、毎朝コーディネートに頭を悩ませずに済む「仕組みづくり」や「服自体の仕様」への期待が高いことがうかがえます(Q12)。
■脳研究者 池谷 裕二氏が語る「メンパ」を保つための脳科学
 現代の働く女性たちは、過剰な情報と選択肢の中で「選択時の判断疲れ」を起こし、日常的に「メンタルパフォーマンス」を低下させています。忙しいジャケジョたちの解決策は、単なる時間短縮(タイパ)にとどまらず、前日準備やマイルール化、AIやマルチウェイ・セットアップといったアイテムの力を賢く借りて判断労働を減らす「チョイスパフォーマンス」を向上させていくことこそが、心の健康と満足度を維持する現代を賢く生き抜くための実践的な知恵と言えるのではないでしょうか。そこで、本リリースでは、脳研究者の池谷裕二氏に、意思決定や認知負荷のメカニズムから「選択時の判断疲れ」の正体を紐解いていただくとともに、脳科学的アプローチからどうやって脳を味方につけて心地よく働くかを解説していただきました。

ジャケジョ研究所 特任研究員  池谷 裕二(いけがや ゆうじ)氏

東京大学薬学部教授・脳研究者。1970年生まれ。専門分野は大脳生理学。とくに海馬の研究を通じて、脳の健康について探究している。また、2018年よりERATO 池谷脳AI融合プロジェクトの代表を務め、AIチップの脳移植によって新たな知能の開拓を目指している。文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2008年)、日本学術振興会賞(2013年)、日本学士院学術奨励賞(2013年)、日本薬学会賞(2025年)などを受賞。
 テレビや書籍を通じて脳の仕組みを分かりやすく解説し、認知負荷や判断に関する研究でも広く知られる。

【「脳が疲れた」は本当に“脳の疲労”なのか?】
ー調査では、働く女性の約6割が日常生活の選択時に「判断疲れ」を感じています。これは脳科学的にどのような状態なのでしょうか。

 私の著書に『脳は疲れない』という言葉がありますが、これは「仕事に集中している時も、ボーッとしている時も脳のエネルギー消費量はずっと一定で変わらない」という意味です。
 しかし、精神的な疲労がないわけではありません。実際に脳内に疲労物質が溜まると、普段なら難なくできることでも「認知コスト(脳が情報を理解し判断を下すまでに使う『エネルギー量』のこと)」を高く見積もるようになります。脳自身が『これ以上頑張ると割に合わない』と判断して、行動にブレーキをかけている状態。これが、世間で言う「脳が疲れた」や「モチベーションが下がった」という感覚の正体なのです。

【なぜ「選ぶ」ことは、こんなに疲れるのか?】
ーでは、なぜ「選択すること」はそこまで脳の負担になるのでしょうか。

 意思決定というのは、複数の選択肢を比較して、どれが労力が少なくて楽か、どれが報酬が良いかを天秤にかける作業です。実はこれは、脳にとって非常に認知負荷が高いことなのです。何かに膨大なエネルギーを使うと、他のところにエネルギーが回らなくなってしまう。これを「自我消耗」と呼びます。
 例えば、午前中よりも午後の方が嘘つきが多いというデータがあります。朝はエネルギーがあるから平気でも、午後になって疲れてくると判断が適当になってしまうんですね。他にも、旅行先という新しい場所で認知コストを食われてしまい、冷静な判断ができずに財布の紐が緩んでしまうこともあります。これらもすべて自我消耗です。エネルギーを使い果たして残っていないと、冷静な判断ができなくなるのです。

【朝の服選びは、なぜ負担になりやすい?】
ー朝の身支度の中でも、特に「服選び」に負担を感じる人が多いようです。なぜ朝から疲れてしまうのでしょうか。

 天候に合わせた服装やTPOはもちろん、ご自身の体調や、相手からどう見られるかなど、多角的な判断を求められます。絶対的な正解が一つに定まらない上、実際に外出してみないと分からない不確定要素も数多く存在します。そのため、非常に高度な判断を行っていると言えます。
 「単なる服選びで、なぜ朝から疲れてしまうのか」と思われるかもしれません。しかし、そもそも地球上で人間しか服を着ないことからも分かるように、本来、脳は服を選ぶために進化してきてはいません。そのため脳からすると、服選びは非常に高度で過剰な負荷がかかる作業なのです。
 しかも、脳は起床してから1〜2時間ぐらいは十分には機能しないのです。あまり働いていないからこそ、余計なことを考えるのが、さらに負担になります。エンジンが温まり切る前に高度な判断を要求されるため、朝の選択はパフォーマンスが悪いと言わざるを得ません。したがって、朝から服選びにエネルギーを消耗している場合ではない、ということになります。

【脳の得意な“自動化”を味方につける。マイルールや「セットアップ」がもたらす効果】
ー服選びの手間を減らす工夫として、「マルチウェイ」や「セットアップ」など選択肢を減らす仕組みづくりは脳にとって良いことなのでしょうか

 非常に理にかなっています。そもそも脳は、パターン化や自動化が得意であり、そうするために発達してきたという側面があります。新しいことを学習し、『これが良い』と思ったらそれを繰り返すのが脳の本質的なタスクなのです。
 最初は意識して行っていた動作も、慣れると大脳皮質を使わずに、すぐ下にある「線条体」という
部分を使い無意識のルーティンとしてこなせるようになります。初心者が箸を持つ時は意識しますが、
慣れたら無意識に持てるのと同じ理屈です。
 毎日の服をマイルールで固定化したり、上下の組み合わせに悩まないセットアップを活用して選ぶステップの回数を減らしたりするのは、まさにこの自動化の作業に他なりません。脳がそのようにできている以上、この恩恵を積極的に取りに行くことこそが、脳の正しい使い道と言えます。

【AIを味方につける。選択の手間が減る時代にこそ問われる「選ぶセンス」】
ーチョイパを高めるために、AIによる提案を有効活用したいと考える人も増えています。

 AIに頼ることで、人間の脳が退化してしまう懸念はないのでしょうか。
 何かを失ったからといって『脳が衰えた』と嘆くのは、脳科学の考え方ではありません。例えば、人類史上最も記憶力が低下した分岐点は『文字の発明』です。文字ができたことで全てを覚えなくてもよくなりましたが、それは退化ではなく、記憶に使っていたリソースを他に回せるようになったのです。
 インターネットが普及した現代では、代わりに「情報を検索する能力」が人類史上最も高まっています。また、ワープロやスマートフォンでタイピングをするようになり、漢字を手書きしなくなった分、同音異義語から文脈に合わせて正しい変換を選ぶ能力は、昔の人類よりも飛躍的に高まっています。
 AIが発達し、自分でゼロから選択肢を生み出す必要がなくなれば、今度はAIが提示した複数の選択肢の中から『どれを選ぶのが最適か』を見抜くセンスや見識、判断力が問われるようになります。選択が上手になればなるほど選択にかかるコストは減りますから、AIという新しい選択肢を賢く取り入れることは、脳のリソースを有効活用する上でとても良いことだと思います。

【頑張る女性たちへ。100点を目指さず、心地よく働くためのエール】
ー最後に、日々の選択に追われながらも働く女性たちへ、脳を味方につけて心地よく働くためのアドバイスをお願いします。

 まずは、100点満点の毎日を目指さなくてもよい、ということです。選択の失敗自体も自分の成長に
結びつくので、上手く選択できなかったこと自体も幸運だと思えるメンタリティが大切です。その上で、毎日の服選びなど必ずしなければならない選択についてはマイルールを作り、重要度の濃淡をつけること。
 自分にとって大切な選択にはしっかり向き合うポリシーや個性を大切にしていただきたいと考えます。気合と根性だけで乗り切るのではなく、考えなくてよい部分を自動化して意図的に脳の余白を作る。それは単なる手抜きではなく、浮いた認知資源を仕事や人間関係など、他の大切な局面でどれだけ実力を発揮できるかという賢い戦略と言えるでしょう。
 私たちは新幹線や飛行機がある時代でもハイキングを好むように、AIが使える時代になってもあえて自分で選ぶプロセスを楽しむこともできます。自分を守るための脳の仕組みを理解し、ツールや仕組みに頼れるところは頼って賢く選択することが、心地よく働くための近道になるはずです。

「選択時の判断疲れ」と「選択の効率化(チョイスパフォーマンス)への関心」の実態調査」概要
・調査期間:2026年8月 ・調査機関:調査委託先 株式会社クロスマーケティング
・調査対象:ジャケットを着用する機会のある20代~50代の女性 ・有効回答数:1,000件
・調査方法:インターネット調査



本件に関するお問合わせ先
■報道関係からのお問い合わせ
ジャケジョ研究所 事務局(共同ピーアール株式会社内)​
担当: 浜辺 TEL: 080-2032-2924 / Mail: aoki-pr@kyodo-pr.co.jp​

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この企業の情報

組織名
株式会社AOKI
ホームページ
https://www.aoki-corporate.co.jp/
代表者
青木 彰宏
資本金
10,000 万円
上場
非上場
所在地
〒224-8688 神奈川県横浜市都筑区葛が谷6番56号
連絡先
045-941-3588

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