Society5.0社会の通信大容量化に向けた仮想化EPONを開発

~光ファイバアクセス回線の光回線終端装置を自動化し、インフラの価値向上に貢献~

● 光ファイバアクセス回線のIEEE規格であるEPONを仮想化するSDN技術を開発
● 通信会社側の光回線終端装置OLTで制御設定の自動化が可能に
● Society5.0の社会に向けて、ネットワーク運用や光アクセスインフラの高度化に貢献

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区丸の内2丁目2番3号、代表取締役社長:小林敬一)は、現在インターネット通信などの光ファイバアクセス回線に使われるEPON(注1)装置において、ソフトウェアによって仮想的なネットワークを作り上げるSDN(Software Defined Networking)技術を開発しました。Society5.0の社会に向けて、光ファイバアクセス回線の大容量化が進んでいます。本技術は、通信会社側の光回線終端装置OLT(Optical Line Terminal)において、回線状態をサービスの使われ方に応じて自動制御したり、通信の需要に応じた最適な設定に動的に制御したりすることができるなど、今後のネットワーク運用や光アクセスインフラの高度化に重要な要素となります。


■背景
 これまでの光ファイバアクセス回線は、高速インターネット接続、電話、ビデオ配信などが主な用途でしたが、近年は光ファイバアクセス回線への期待と需要はますます増大し、モバイル通信や無線通信用のフロントホールなどへの利用や、IoTインフラ、モビリティインフラなどへの利用にも期待されています。当社グループでは、「古河電工グループ ビジョン2030」を掲げ、情報とモビリティの融合領域の研究開発を進めるとともに光ファイバアクセス回線の付加価値を高める開発を行っています。


■内容
 今回開発した技術は、IEEE(米国電気電子学会)により規格化されているEPONにおける仮想化を実現するための技術で、ONF(Open Network Foundation)(注2)にて推進されているVOLTHA(注3)と呼ばれるオープンソースをベースとしています。本技術の開発成果について、ONFにて世界公開しています(注4)。
 世界的な光ファイバを使ったアクセス回線は、ITU-T(国際電気通信連合の電気通信部門)などで推進して策定されたGPON(注5)方式と、IEEEなどが推進して策定されたEPON方式があります。日本ではIEEE方式が通信事業者やケーブルテレビ事業者で使われており、今回の開発はIEEEのEPON方式に対応した光ファイバアクセス回線用の技術になります。

本技術革新がもたらす真に豊かで持続可能な社会の実現とは
 少子高齢化による労働人口減少という社会課題は、日本をはじめ、情報通信ネットワークの運用においても顕在化しており、多様な市場の要求を満足させる運用を実現するためには現行の技術方式では難しいと言われています。今回開発した技術により、将来的には光ファイバアクセス回線の終端装置の運用を自動化し、この運用に携わる人がより高付加価値なセクターに配置されることで、経済生産性をさらに引き上げることができると考えています。

<イメージ>
既存のシステム



今回の開発技術を使ったシステム

■用語解説
注1 EPON(Ethernet Passive Optical Network):米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)にて標準化されたアクセス系光伝送技術。イーサネットフレームを用いて1本の光ファイバを多重化することにより、複数のユーザーで共有することが可能。
注2 ONF(Open Network Foundation):ソフトウエアディファインドネットワーク(SDN)の中核技術として知られるOpenFlowの標準化を進めている非営利団体。
注3 VOLTHA(Virtual OLT Hardware Abstraction):世界各国の主要通信事業者(AT&T、Deutsche Telekom、Türk Telekom、NTTなど)が参画するオープンソースソフトウェア開発プロジェクト。
注4 https://github.com/opencord/voltha-eponolt-adapter
   https://github.com/opencord/voltha-epononu-adapter
注5 GPON(Gigabit Passive Optical Network):国際電気通信連合の電気通信標準化部門(ITU-T:International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)にて標準化されたアクセス系光伝送技術。ATMパケットを用いて1本の光ファイバを多重化することにより、複数のユーザーで共有することが可能。



■古河電工ブロードバンドシステム
https://www.furukawa.co.jp/broadband/
https://twitter.com/furukawa_bbs

古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。」を基本理念に掲げて、4つのコア技術(メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波)を軸に、事業活動をしています。さらに、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、当社グループの事業領域を明確にした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定し、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。

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この企業の情報

組織名
古河電気工業株式会社
ホームページ
https://www.furukawa.co.jp/
代表者
小林 敬一
資本金
6,939,500 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒100-8322 東京都千代田区大手町2丁目6番4号常盤橋タワー
連絡先
03-6281-8500

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