江戸川大学社会学部人間心理学科の福田一彦教授らが、北海道東部胆振地震後の大規模停電が中学生の睡眠に与えた影響を調査 -- 日本睡眠学会のオフィシャルジャーナル『Sleep and Biological Rhythms』に掲載



江戸川大学(千葉県流山市)社会学部人間心理学科の福田一彦教授らは、2018年9月6日に発生した北海道東部胆振地震に伴う大規模停電が中学生の睡眠に与えた影響を調査した。その結果、停電の夜には中学生は普段よりも1.5時間早く眠り、翌朝の起床時刻は普段と変わらなかったことが判明。米国睡眠財団や米国睡眠医学会が推奨するこの年齢の子どもの理想的な睡眠時間の長さである9時間半の睡眠をとっていたことが明らかになった。この研究結果は、7月8日付で日本睡眠学会のオフィシャルジャーナル『Sleep and Biological Rhythms』に掲載された。




 睡眠や生体リズムは、目から入る光の影響を強く受ける。夜の時刻に光に暴露されることで、夜更かし朝寝坊の方向に生体リズムがずれることが知られている。また、光には覚醒効果もあるので、夜に明るい環境にいることで睡眠が妨害されることも分かっている。
 その一方、日本は老若男女問わず極端な夜更かしで寝不足の国民であることで知られている。

 2018年9月6日、北海道胆振東部を震源地とする大規模な地震が発生。その後、北海道全域で大規模な停電が起こった。
 福田一彦教授は、地震から約1週間後に北海道東端に位置する浜中町での講演を依頼されており、その際に町立霧多布中学校の生徒らに地震後約1ヶ月の就寝時間・起床時間についてアンケートを実施。52名の生徒から回答を得た。その結果、停電の夜に中学生は普段よりも1.5時間早く眠り、翌朝の起床時刻は普段と変わらなかったことから、生徒らは9時間半の睡眠をとっていたことが明らかになった。この9時間半という睡眠時間は、米国睡眠財団や米国睡眠医学会が推奨するこの年齢の子どもの理想的な睡眠時間の長さと一致する。

 浜中町は震源から約258km離れており、地震の被害はなかったが、全道停電の影響は受けたため、9月6日の夜は住宅照明のない状態だった。日本の住宅照明は欧米と比較して非常に明るく、白い光を使用していることが多いが、その中には生体リズムに強く作用するブルーライトが多く含まれている。こうしたことから、福田教授らは日本の住宅照明について見なおす必要があるのではないかと結論づけている。

 なお、この研究は科学研究費補助金(JP18K02492)の支援を受けて行われたものであり、研究成果は、日本睡眠学会のオフィシャルジャーナルである『Sleep and Biological Rhythms』(2020年7月8日:Published Online)に掲載された。

●発表者
 江戸川大学 社会学部 人間心理学科 教授(睡眠研究所所長) 福田一彦

●論文情報
 Fukuda, K., Shibata, Y., Sato, H. et al. How the large-scale blackout following the 2018 Hokkaido Eastern Iburi earthquake impacted adolescents' sleep patterns. Sleep Biol. Rhythms (2020).https://doi.org/10.1007/s41105-020-00278-6

<参考リンク>
■教員紹介:福田一彦 教授
 https://www.edogawa-u.ac.jp/colleges/d_psychology/teachers/index3.html

■社会学部 人間心理学科
 https://www.edogawa-u.ac.jp/colleges/d_psychology/

■江戸川大学睡眠研究所
 https://www.edogawa-u.ac.jp/facility/sleep/


▼本件に関する問い合わせ先
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住所:千葉県流山市駒木474
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【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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