日本製鉄 アルセロールミッタルとエッサール スチールの共同買収完了

ArcelorMittal(アルセロールミッタル、以下、AM)と日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)は、12月16日、Essar Steel India Limited(エッサール スチール、以下、ESIL)の共同買収を完了しましたのでお知らせいたします。本買収は、AMと日本製鉄の合弁会社を通じて実行され、ESILはArcelorMittal Nippon Steel India(アルセロールミッタル ニッポンスチール インディア、以下、AM/NS India)として新たにスタートします。

インドの鉄鋼市場は、世界の中でも経済成長と人口増により着実な成長が見込まれる一方、鉄源も含めた自国産化が進展しているマーケットです。AM/NS Indiaは、鉄鋼需要の多いインド西部に単一製鉄所としてインド第3位にあたる規模の鉄源一貫製鉄所を保有し、鋼板系を中心に多様な製品群を持ち、今後の更なる拡大、成長に向け大きなポテンシャルを持つ会社です。今回のAM/NS Indiaの共同買収・再生により、AMと日本製鉄は、インド国内に鉄源一貫製鉄所を有する鉄鋼メーカーとして、拡大するインドの鉄鋼需要を中長期的に取り込むことが可能となります。

AMと日本製鉄は、米国等において両社が共同で運営する他の合弁事業と同様、イコールパートナーとしてAM/NS Indiaを運営していきます。両社はそれぞれの強みを生かし、AM/NS Indiaのポテンシャルを最大限引き出し、競争力ある鉄鋼メーカーに再生させていきます。

AM ラクシュミ ミッタル会長兼CEOコメント
「ESILの買収は、AMにとって重要な戦略的ステップです。インドは、当社にとって長年魅力的なマーケットであり、10年以上に亘ってインドで有意義な生産面でのプレゼンスを構築する適切な機会を模索してきました。インドという国とESILという企業の魅力は、いずれも揺るぎないものです。ESILは、規模が大きく、収益性が高く、立地条件の良い事業を営んでおり、インド経済の長期的な成長ポテンシャルによって、インドに鉄鋼需要がもたらされることは広く認識されています。今回の取引はまた、インドが倒産破産法から受ける恩恵、すなわち倒産破産法がインド経済全体に広くプラス影響を及ぼす真に前向きな改革であることも表しています。」
「また、私たちは、信頼できる長期的な協力関係を築いてきた日本製鉄と一緒に事業を始められることを嬉しく思っています。両社の強みと技術力を組み合わせることで、粗鋼生産能力を2030年までに年間3億トンに拡大しようというインドの目標に対して、またより広くインド製造業に対して、積極的に貢献できる新たな機会になると信じています。」

日本製鉄 橋本 英二代表取締役社長のコメント
「インドは世界鉄鋼市場において最も有望な市場の一つであり、AM/NS Indiaは薄板・厚板・鋼管を製造する粗鋼生産公称能力960万トン/年の鉄源一貫製鉄所を中心に、国内に幅広い販売網と東部地区に鉄鋼原料となるペレット製造工場を持つ会社です。」
「日本製鉄とAMが、両社の事業経験と世界最高水準の技術力の提供を通じて、AM/NS Indiaのポテンシャルを引き出すことで、速やかな再建計画の実行および更なる事業拡張を実現し、インド鉄鋼業界の一員として、今後、インド鉄鋼業界の発展の一翼を担う存在になることを確信しています。」
「日本製鉄は、ブラジル、アメリカ、中国、アセアン等の多くの国々で長きにわたって技術先進性を活かせる分野への直接投資による自国産化を着実に進めてきました。今後は、インドにおいて製鉄業の自国産化の方針に沿って、そのプレゼンスを確立していくことで、『総合力世界No.1の鉄鋼メーカー』に向け、更に進化を続けていきます。」

AM アディティヤ ミッタル社長兼CFOのコメント
「インドは巨大な戦略的マーケットであり、私たちは、今ここにいられることを喜ばしく思っています。私たちの目的は、インド国内において第一線級の鉄鋼メーカーになることで、持続可能で長期に亘る価値を創造することです。ESILには高品質な設備があり、すぐに大きな生産能力を発揮できます。また生産と品質の両方で更なる成長のための優れたプラットフォームを獲得していきます。この買収によって、私たちは、今後数十年に亘ってインドのインフラや都市の近代化に貢献することができるでしょう。これを実現するため、私たちは、共同事業運営の強み、熟練したオペレーション、安全へのコミットメント、持続的でかつ業界をリードする研究開発力をもとに、設備投資を行っていきます。」
「これまでにも実績のある日本製鉄とのパートナーシップによって、AM/NS Indiaは、株主、ビジネスパートナー、従業員やインドのコミュニティにとって、大きな価値をもたらすと確信しています。」

本買収による連結財務諸表への影響については、現時点で未確定です。今後、公表すべき事項が発生した場合は速やかに公表いたします。

【事案の概要】
1.共同買収の概要
・買収金額:5,000億INR(7,700億円 *為替:1.54円/INR)
      うち 4,200億INR:ESILの債務返済
          800億INR:初期資金投入(設備投資・運転資金用)
2.合弁事業の概要
・合弁事業会社:ArcelorMittal Nippo Steel India(旧 ESIL)
・所在地:インド西部Gujarat州Hazira
・出資構成:日本製鉄40%、AM60%(日本製鉄・AMとも持分法適用会社として連結)
      (日本製鉄とAMのイコールパートナーシップに基づく事業運営)
・取締役:日本製鉄、AMが同数名ずつ指名
・CEO:Dilip Oommen氏(ディリップ オーメン)
・生産拠点:Hazira(ハジラ)一貫製鉄所(インド西部Gujarat州Hazira)
      Pune(プネ)下工程製造拠点(インド西部Maharashtra州Pune)
      Paradeep(パラディプ)ペレット工場(インド東部Odisha州Paradeep)
      Visag(バイザック)ペレット工場(インド東部Andhra Pradesh州Visakhapatnam)
・生産能力:粗鋼生産公称能力960万トン/年(鉄源一貫プロセス)
・生産品種:熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板、厚板、鋼管
・売上高:2,603億INR(2018年3月期)(4,000億円 *為替:1.54円/INR)
・従業員数:3,806名(2018年3月31日現在)



問い合わせ先:総務部広報センター 03-6867-2977、3419、2135、2146


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この企業の情報

組織名
日本製鉄株式会社
ホームページ
http://www.nipponsteel.com
代表者
橋本 英二
資本金
41,952,497 万円
上場
(旧)東証1部,名証1部,札証,福証
所在地
〒100-8071 東京都千代田区丸の内2-6-1丸の内パークビルディング
連絡先
03-6867-4111

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