業界初、ノイズフィルタリング機能内蔵の加速度センサ「KX13x-1211」を開発

産業機器のマシンヘルスモニタリングをフレキシブルにサポート

<要旨>
ロームグループのKionix, Inc.(本社:ニューヨーク州イサカ)は、産業機器やウェアラブル機器など、高精度かつ低消費電力でモーションセンシングを行いたいアプリケーションに最適な、加速度センサ「KX132-1211」「KX134-1211」を開発しました。

本製品は、産業機器におけるモータ振動解析などのマシンヘルスモニタリングに最適な3軸加速度センサです。独自のAdvanced Data Path(以下、ADP)を搭載しており、従来マイコン側で行っていたセンサ信号の処理やノイズフィルタリングを加速度センサ側でフレキシブルに行うことができるため、マイコンの負荷を軽減し、アプリケーションの消費電力低減と性能向上に貢献します。また、産業機器に向けて、センシングの周波数帯域は最大8,500Hz、加速度は最大±64gまでの高周波(高速振動)・高加速度検知が可能で、動作温度範囲も105℃まで高めました。加えて、センサ単体としてもKionix従来品と比較して半分以下の消費電流(低消費モード時0.67µA)を実現。電力の低消費化に貢献するWake Up機能とBack to Sleep機能も搭載したことで、ウェアラブル機器などバッテリーで駆動する機器のセンシングにも対応します。

なお、本製品はすでに2019年9月より月産10万個の体制で量産(サンプル価格1,500円/個:税抜)を開始しています。今後もKionixは、高精度かつ低消費電力のセンサラインアップを拡充し、社会のIoT化に貢献していきます。

<背景>
近年、多くの工場が省人化・効率化を進める中で、産業機器の故障が顕在化する前に異常を検知する予知保全の考え方が広まっています。それにともなってマシンヘルスモニタリングが注目を集めるようになり、状態検知のためのデバイスとして、センサの重要度は年々増大しています。

Kionixはこれまでモバイル機器向け小型加速度センサを中心に開発してきましたが、産業機器向けのラインアップを拡充することで、社会の幅広いニーズにお応えしていきます。


<製品の特長>
1. 独自のADP(Advanced Data Pass)でマイコンの負荷軽減に貢献
ADPは、マイコンのフィルタリング機能を代替するKionix独自の新機能です。具体的には、センサに内蔵されたカスタマイズ可能な複数の周波数フィルタが、自由度の高いフィルタを構築することで不必要なノイズ信号を除去し、必要信号のみを抽出します。また、それぞれのフィルタはオンとオフを切り替えられるため、柔軟な運用が可能です。従来マイコン側で行っていたセンサ信号のFFT解析(※1)などからなる周波数解析やノイズフィルタリングの役割を加速度センサ側で行うことで、フレキシブルに求めるデータのみを伝えられるため、マイコンの負荷を軽減し、アプリケーションの消費電力低減と性能向上に貢献します。

2. 産業機器のマシンヘルスモニタリング用途に最適
KX132-1211は、最大周波数帯域4,200Hz、加速度(g)範囲±2g~±16gを検知でき、上位製品であるKX134-1211は、最大周波数帯域8,500Hz、加速度(g)範囲±8g~±64gまで検知可能です。また、動作温度も従来品が85℃までだったのに対して、これらの2製品は105℃においても適正な動作を提供します。高温下でも動作できるラインアップで周波数と加速度検知に幅広く対応できるため、産業機器におけるモータ振動解析などのマシンヘルスモニタリングに最適です。


3. デバイスとアプリケーションの低消費電力化を同時に実現
本製品は、Kionix従来品と比較して半分以下の消費電流(低消費モード時0.67µA)を実現しています。さらに、加速度検知時にスリープモードから自動起動するWake Up機能に加えて、逆に加速度が一定期間検知されなかった場合にマイコンに対して省エネモードへの切り替えを促すBack to Sleep機能を新たに実装しており、マイコン側の低消費電力化が可能です。このように、加速度センサだけでなく静態にあるマイコンの低消費電力化も行うことにより、アプリケーション全体の高効率動作を可能にし、ウェアラブル機器や自動車用スマートキーなど、バッテリーで駆動するアプリケーションの長時間稼働に貢献します。

<アプリケーション例>
・モータを搭載した産業機器の健全性、予知保全および状態・振動監視(マシンヘルスモニタリング)
・GPSと組み合わせた物流のトラッキング
・ウェアラブル機器
・自動車用スマートキー

<用語説明>
※1) FFT解析
Fast Fourier Transformの略で、高速フーリエ変換ともいう。さまざまな波形の信号を周波数成分に分解することができる。

ロームグループのKionix, Inc.は、米国ニューヨーク州イサカに本社を置く、MEMSセンサのリーディングカンパニーです。高精度かつ低消費電力のモーションセンサを中心に、豊富なソフトウェアライブラリを組み合わせて、システムやハードウェア・プラットフォームなどを幅広くサポートします。自動車や産業機器、民生機器市場など、あらゆる市場に向けて、センシングによるソリューションを提供し、社会の安全・快適に貢献しています。

本件に関するお問合わせ先
ローム株式会社 広報宣伝部 広報宣伝課
〒615-8585 京都市右京区西院溝崎町21
TEL(075)311-2121、FAX(075)311-1317

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この企業の情報

組織名
ローム株式会社
ホームページ
https://www.rohm.co.jp/
代表者
松本 功
資本金
86,969,000,000 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒615-8585 京都府京都市右京区西院溝崎町21
連絡先
075-311-2121

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