アストラゼネカのLOKELMA(ZS)第III相HARMONIZE Global試験でアジアの高カリウム血症患者さんの正常血清カリウム値を維持する有効性を確認

アジア4カ国の患者さんが維持療法期8~29日間で正常血清カリウム値を維持

本資料はアストラゼネカ英国本社が2018 年10 月25日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、同社が開発するカリウム吸着剤Lokelma (ジルコニウムナトリウム環状ケイ酸化合物、以下、ZS) の安全性および有効性について、日本、台湾、韓国、ロシアの高カリウム血症患者さんを対象としてプラセボと比較検討した国際共同第III相HARMONIZE Global試験(以下、HARMONIZE Global)の詳細結果を、2018年10月25日に発表しました。本結果は第52回米国腎臓学会(ASN、カリフォルニア州・サンディエゴ)年次総会において発表されました。

高カリウム血症は、循環器、腎および代謝疾患に伴い血清カリウム値が上昇した重篤な病態です。1,2,3,4

HARMONIZE Globalは、アジア太平洋地域の47試験施設から登録された267例の高カリウム血症患者さん(平均血清カリウム値5.0 mEq/L超)を対象とした、ランダム化多施設共同二重盲検プラセボ対照試験です。ZS10gを1日3回投与し、治療開始から48時間以内に血清カリウム値正常域(平均3.5-5.0 mmol/L)に達した患者さん(93%; 症例数:248)が、28日間の維持療法期に移行しました。維持療法期の患者さんは無作為にZS 5g、10gもしくはプラセボ群に割り付けられ、1日1回の投与を受けました。その結果、維持療法期8~29日間にわたる平均血清カリウム値は、ZSの用量に関わらず、ZS投与群がプラセボ群に対して統計学的有意差をもって正常血清カリウム値が維持されたことが示されました。

HARMONIZE Globalで得られたZSの安全性プロファイルは、過去の試験と一貫していました。

アストラゼネカのバイスプレジデント兼グローバル医薬品開発部門循環器・腎・代謝疾患領域の責任者である Elisabeth Björkは次のように述べました。「HARMONIZE Globalの良好な結果によって、慢性腎疾患、心不全、糖尿病などの疾患や、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系阻害剤の使用に伴う高カリウム血症という重篤な病態をもつ患者さんに対するZSでの治療を裏付けるエビデンスが、更に拡充されました。当社の強固な臨床プログラムを通じて、アンメットメディカルニーズが高い国をはじめ、できる限り広範な患者集団を対象として、ZSの可能性を検討していきます。」

ZSは現在、米国およびEUにおいて成人の高カリウム血症患者さんの治療薬として承認されており、その他の地域での承認取得も予定しています。第III相HARMONIZE Globalのデータは、日本、韓国、台湾、ロシアにおける承認申請に使用されます。
以上
*****
高カリウム血症について
高カリウム血症は、慢性腎疾患(CKD)患者さんおよび血清のカリウムレベルを上昇させるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (RAAS) 阻害剤などの心不全(HF)治療薬を服用している患者さんにおいて発症リスクが大幅に高まります。高カリウム血症は、慢性腎疾患、心不全のいずれか、もしくは両疾患の既往がある患者さんの23~47%に発症し、それぞれの推定患者数は世界中で2億人および3,800万人です。高カリウム血症は心停止を引き起こし死に至る可能性があり、致死率は最大30%になると言われています。

LokelmaZSについて
ZSは不溶性かつ非吸収性のジルコニウムナトリウム環状ケイ酸化合物で、選択性の高いカリウム吸着剤として作用する、経口懸濁用の粉末製剤です。本剤は無味無臭で室温保存できる経口投与製剤です。高カリウム血症患者さんを対象に、3つの二重盲検プラセボ対照試験および1つの12カ月非盲検試験を実施しています。海外において、ZSでの治療はZS10gを1日3回投与で開始することが推奨されています。血清カリウム値が正常域に達した後は、ZS5gの1日1回投与が推奨されますが、正常値の維持を目的としたZS10gの1日1回投与までの増量、あるいはZS5gの 隔日投与までの減量も認められています。本邦ではZSの第III相試験を実施中です。ZSは本邦では未承認です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域(CVRM)について
循環器・腎・代謝疾患はアストラゼネカの主要治療領域のひとつであり、重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、循環器疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、CVRM疾患の治療・進展抑制、さらには臓器及びその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはastrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1 Kosiborod M, Rasmussen HS, Lavin P, et al. ‘Effect of Sodium Zirconium Cyclosilicate on Potassium Lowering for 28 Days Among Outpatients With Hyperkalemia.’ JAMA. 2014. doi:10.1001/jama.2014.15688.
2 Packham D, Rasmussen HS, Lavin P, et al. ‘Sodium Zirconium Cyclosilicate in Hyperkalemia.’ New Engl J Med. 2015; 372:222-31. doi:10.1056/NEJMoa1411487.
3 Ash S, Bhupinder S, Lavin P, et al. ‘A phase 2 study on the treatment of hyperkalemia in
patients with chronic kidney disease suggests that the selective potassium trap, ZS-9, is safe and efficient.’ Kidney Int. 2015; 88:404-411. doi:10.1038/ki.2014.382.
4 National Kidney Foundation. ‘Clinical Update on Hyperkalemia." 2014. Accessed 5 January 2017.
https://www.kidney.org/sites/default/files/02-10-7260%20Clinical%20Bulletin.pdf.
本件に関するお問合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
コーポレートアフェアーズ統括部 池井
JPN.Ex.Comm@astrazeneca.com
Tel: 03-6268-2800 / 070-1369-2228

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組織名
アストラゼネカ株式会社
ホームページ
https://www.astrazeneca.co.jp/
代表者
ステファン・ ヴォックスストラム
上場
海外市場
所在地
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪タワーB

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