乾癬性関節炎と強直性脊椎炎におけるfilgotinibの ポジティブな臨床試験結果をLancet誌に発表

乾癬性関節炎における有効性を示した第II相EQUATOR試験データは、2018年米国リウマチ学会議(ACR/ARHP)のPlenaryにおいても発表

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダッ ク:GILD、以下「ギリアド」)とガラパゴスNV(ユーロネクストおよびナスダッ ク:GLPG)は、本日、乾癬性関節炎と強直性脊椎炎の患者を対象とした現在開発中の選択的JAK1阻害剤 filgotinibの2件の臨床試験の結果がThe Lancetに掲載されたことを発表しました。第II相EQUATOR試験のデータは、2018年米国リウマチ学会議(2018 American College of Rheumatology/Association of Rheumatology Health Professionals, ACR/ARHP)のPlenary Sessionにおいても発表されます。

ギリアドの研究開発部門のヘッドであり、チーフ・サイエンティフィック・オフィサーのジョン・マクハチソン(John McHutchison, M.D.)は、次のように述べて います。「EQUATOR試験とTORTUGA試験は、前治療で効果が得られなかった乾癬性関節炎の患者さんや、強直性脊椎炎の患者さんの症状・徴候をfilgotinibが改善することを示しています。これら2試験の結果は、炎症性疾患の患者さんの転帰改善に向けた私たちの活動がまた一歩大きく進んだことを示す内容です。」

ガラパゴスのチーフ・メディカル・オフィサー(CMO)であるワリド・アビサー ブ (Dr. Walid Abi-Saab)は、次のように述べています。「乾癬性関節炎や強直性脊椎炎を含めた数々の炎症性疾患においてfilgotinibは一貫した安全性・有効性プロファイルを示しており、私たちは嬉しく思います。新たな治療の選択肢を必要としておられる患者さんに本剤をお届けできるよう今後も本化合物の開発を進め、引き続き最新情報をお知らせしていきます。」

乾癬性関節炎における第II相EQUATOR試験 [ACR/ARHP会議 アブストラクトNo.1821]
EQUATOR試験は第II相プラセボ対照試験で、従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(cDMARD)を1剤以上用いた治療が無効か不耐であった中等度から重度の活動性乾癬性関節炎を有する成人患者131例が参加しました。投与16週目の症状・徴候の改善(ACR20)を達成した患者の割合は、filgotinib 200 mg 1日1回投与群は80%、プラセボ群では33%で (p<0.001) 、試験の主要評価項目を達成しました。投与16週後のACR50とACR70も、filgotinib群がプラセボ群を有意に上回りました(ACR50: filgotinib群48%、プラセボ群15%, p<0.001、ACR70: filgotinib群23%、プラセボ群6%、p<0.01)。このデータは、2018年5月にも発表しています。

投与16週後に評価した他の指標においてもfilgotinib による有意な改善が認められ、(MDA)(Minimal Disease Activity)ではfilgotinib 200 mg 1日1回投与群23%、プラセボ群9%(p<0.05)、PASI75(Psoriasis Area and Severity Index 75%改善)ではfilgotinib 群45%、プラセボ群15%でした(p<0.01)。健康評価質問票の機能障害指数(HAQ-DI)のスコアの変化は、filgotinib群は-0.57、プラセボ群は-0.28とfilgotinibでより大きな改善がみられました(p<0.001)。

安全性に関する結果はfilgotinib群とプラセボ群で類似しており、試験治療下で発現した有害事象の発現率はそれぞれ57%と59%、感染症の発現率はそれぞれ22%と21%でした。重篤な有害事象は2件報告され、1件はプラセボ群で報告された股関節部骨折、1件はfilgotinib群で報告された肺炎による死亡でした。この1例以外には、重篤な感染症または死亡の報告はありませんでした。深部静脈血栓症、肺塞栓症、悪性腫瘍、消化管穿孔、日和見感染症/活動性結核や帯状疱疹の報告はありませんでした。

Swedish-Providence-St. Josephヘルスシステムズのリウマチ研究所長でワシントン大学臨床教授のフィリップ J. ミーズ医師(Dr. Philip J. Mease)は、次のように述べています。「乾癬性関節炎に伴う痛みと炎症を和らげ、関節破壊を予防するためにも有効な治療薬が必要とされています。残念ながら、現行の治療薬は全ての患者で効果が現れるわけではありません。今回の試験結果からfilgotinibは、さらなる治療の選択肢を必要としている患者さんを治療できる可能性があることを示しています。」

強直性脊椎炎における第II相TORTUGA試験
第II相TORTUGA試験は、中等度から重度の活動性強直性脊椎炎の成人を対象とし、投与12週後のASDAS(強直性脊椎炎活動性スコア)の変化を主要評価項目として検討しました。その結果、ASDASのベースラインからの変化(平均)はfilgotinib 200 mg 1日1回投与群 -1.5、プラセボ群 -0.6でfilgotinibで有意な改善が認められました(p<0.0001)。投与12週後のASAS20とASAS40もfilgotinib群はプラセボ群より有意に高く、ASAS20はそれぞれ76%と40%(p<0.0001)、ASAS40はそれぞれ38%と19%でした(p<0.05)。

有害事象の重症度は概ね軽度または中等度で、filgotinib群とプラセボ群の発現率は同じでした(31%)。臨床検査値の変化は、過去のfilgotinibの臨床試験の結果と同様で、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。試験治療下で発現した重篤な有害事象は、filgotinib群の1例でみられた肺炎の1件で、入院加療による抗生剤の投与により回復しました。遺伝的に血栓症のリスクが高い患者1例がfilgotinib群に割り付けられ、試験治療を完了した後に非重篤の深部静脈血栓症を発現しました。死亡、悪性腫瘍、肝臓系有害事象、消化管穿孔、日和見感染症/活動性結核や帯状疱疹の報告はありませんでした。

上記2試験の詳細な結果は、The Lancetに掲載されています。

Efficacy and safety of filgotinib, a selective Janus kinase 1 inhibitor, in patients with active psoriatic arthritis (EQUATOR): results from a randomised, placebo-controlled, phase 2 trial (活動性乾癬性関節炎患者における選択的JAK1阻害剤 filgotinibの有効性と安全性(EQUATOR):無作為化プラセボ対照第II相試験の結果):
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32483-8/fulltext

Efficacy and safety of filgotinib, a selective Janus kinase 1 inhibitor, in patients with active ankylosing spondylitis (TORTUGA): results from a randomised, placebo-controlled, phase 2 trial (活動性強直性脊椎炎患者における選択的JAK1阻害剤 filgotinibの有効性と安全性(TORTUGA):無作為化プラセボ対照第II相試験の結果):
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32463-2/fulltext

Filgotinibは現在開発中の新規化合物で、いずれの国でもまだ承認されていません。本剤の有効性と安全性は確立されていません。filgotinibの臨床試験に関する情報は、 www.clinicaltrials.govでご覧ください。

EQUATOR試験について
第II相EQUATOR試験は、ガラパゴスが2017年4月に開始した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(cDMARDs)を用いた治療が無効か不耐であった中等度から重度の活動性乾癬性関節炎の成人患者を対象にfilgotinib の安全性と有効性を評価することを目的としています。EQUATOR試験は、ウクライナ、ポーランド、エストニア、ブルガリア、スペイン、チェコ共和国およびベルギーで行われました。試験に参加した患者131名を16週間filgotinib 200mg 1日1回投与する群またはプラセボを1日1回投与する群のいずれかに1:1で無作為に割り付けました。患者の85%は、抗TNF剤による治療経験がない患者でした。

EQUATOR試験の主要目的は、乾癬性関節炎の症状・徴候に関するプラセボを対象としたfilgotinibの有効性評価であり、投与開始16週間後のACR20を指標としました。副次目的は、ACR50/70と(MDA)、ならびに乾癬、指炎(指の炎症)と腱付着部炎(腱の炎症)に対する有効性としました。

TORTUGA試験について
TORTUGA試験は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第II相試験で、中等度から重度の強直性脊椎炎の成人患者を対象にfilgotinibの安全性と有効性を評価することを目的としています。TORTUGA試験は、ベルギー、ブルガリア、チェコ共和国、エストニア、ポーランド、スペインおよびウクライナで行われました。試験に参加した患者116名をfilgotinib 200mg 1日1回12週間投与する群またはプラセボを1日1回投与する群のいずれかに1:1で無作為に割り付けました。
TORTUGA試験の主要目的は、強直性脊椎炎の症状・徴候に関するプラセボを対象としたfilgotinibの有効性評価であり、投与開始12週間後のASDASを指標としました。

ガラパゴスとギリアドとの提携について
ガラパゴスとギリアドは、炎症性疾患におけるfilgotinibの開発と商業化について世界規模の提携契約を締結しました。Filgotinibは現在、炎症性疾患を対象に各種の臨床試験を実施しており、関節リウマチにおける第III相FINCH1、2および3試験、乾癬性関節炎における第II相EQUATOR試験、強直性脊椎炎におけるTORTUGA試験、クローン病における第III相DIVERSITY試験(小腸型、および瘻孔を合併するクローン病における第II相試験も実施中)、潰瘍性大腸炎における第III相SELECTION試験なども行われています。

ガラパゴスについて
ガラパゴス(ユーロネクストおよびナスダック: GLPG)は、新たな作用機序をもつ低分子化合物の創薬と開発に特化したバイオテクノロジー企業で、その開発品は現在臨床段階にあります。 ガラパゴスのパイプラインは、創薬プログラムから第III相開発品まで多岐にわたり、炎症、線維症、嚢胞性線維症、変形性関節症などを対象に研究を行っています。ガラパゴスの標的創薬プラットホームからは、新たな作用機序をもつ化合物が生まれており、それぞれ炎症性疾患、特発性肺線維症およびアトピー性皮膚炎の治療に向けた開発を行っています。ガラパゴスは、人々の生活の改善につながる新薬の開発と商業化に注力しています。ガラパゴスグループは、成功報酬型の開発受託企業Fideltaを含め約675名の従業員を擁し、ベルギー・メッヘレンの本社と、オランダ、フランス、スイス、米国およびクロアチアの事業所で事業を展開しています。詳しくは www.glpg.comをご覧ください。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、医療ニーズがまだ十分に満たされない分野において、革新的な治療を創出、開発、製品化するバイオファーマ企業です。会社の使命は、生命を脅かす病を抱える世界中の患者さんのために医療を向上させることです。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35か国以上で事業を行っています。ギリアド・サイエンシズに関する詳細は、www.gilead.comをご覧ください。

ガラパゴスの将来予想に関する記述
このプレスリリースには、ガラパゴスの将来予想に関する記述を含みます。このような記述にはガラパゴスの戦略的目標、filgotinibの作用機序と安全性と有効性に関する可能性、filgotinibの臨床試験の実施時期に関する見込み、ならびにこのような臨床試験の経過と結果などが含まれます。将来予想に関する記述は、将来の業績を保証するものではないことに留意してください。将来予想に関する記述には、既知・未知のリスク、不確定要素などの要因が含まれており、実際の成果、財務状況および財務流動性、ガラパゴスの業績・実績または業界実績は、将来予想で表明または暗示された過去または将来の成果、財務状況および財務流動性、業績または実績と大きく異なる可能性があります。また、ガラパゴスの成果、業績、財務状況および財務流動性、および同社が活動する業界における開発状況が将来予想に関する記述と矛盾しない場合であっても、将来の結果や開発を予測するものではありません。相違をもたらす可能性がある要因には、開発競争、臨床試験および製品開発活動に固有の不確定要素、承認に必要な要件(現在実行中および計画中の臨床研究プログラムのデータが安全性、有効性その他の理由により承認あるいは開発続行の根拠とならない場合等)、ガラパゴスが第三者(filgotinibのパートナーであるギリアドを含む)と提携に依存していること、およびガラパゴスの製品の商業的可能性などがあります。上記のリスク、不確定要素およびその他のリスクの一覧と詳細は、ガラパゴスの最新のフォーム20-Fの年次報告書をはじめとする米国証券取引委員会(SEC)に提出する報告書、ならびに今後のSECへの届出や報告などをご参照ください。 これらの不確定要素があるため、このような将来予想に関する記述に全面 的に依拠することはお控えください。将来予想に関る記述は、あくまでも公表日現在における予想です。本リリースでの将来予想に関する記述の根拠となり、将来予想の記述と実際の結果が異なる可能性に影響を及ぼすおそれのある出来事、条件または状況のいかなる変化に関しても、法令に定められた場合を除き、本リリースの将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。

ギリアドの将来予想に関する記述
本プレスリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。これには、現在実施中および今後行うfilgotinibの臨床試験で好ましくない結果が得られる可能性や、現在予定しているスケジュール通りに試験が完了しない可能性などがあります。また、当事者の戦略的判断によりfilgotinibの開発を中止し、その結果、filgotinibの商業化に至らない可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は、将来予想に関する記述とみなしてください。これらのリスクや不確定要素、その他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。本記述の内容は確定したものではありませんのでご注意ください。これらのリスクやその他のリスクについては、米国証券取引委員会に提出している、2018年6月30日までの四半期のギリアド社四半期報告書(フォーム10-Q)で詳細に説明しています。将来予想に関する記述はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。
本件に関するお問合わせ先
ギリアド・サイエンシズ株式会社  広報部 野間
E-mail: JPPublic.Affairs@gilead.com
TEL:03-6837-0790
FAX:03-5224-5270

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組織名
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ホームページ
http://www.gilead.co.jp
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資本金
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上場
非上場
所在地
〒100-6616 東京都千代田区丸の内グラントウキョウサウスタワー 16F
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