クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞」を発表 2018年 日本からの受賞者は1名 ~京都大学 金久實氏(医学・生理学 )~

世界的な科学情報企業であるクラリベイト・アナリティクス(本社:米国フィラデルフィア、日本オフィス:東京都港区、以下「クラリベイト」)は、2018年の「クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞」を発表致しました。 本賞は、学術論文の引用データ分析から、ノーベル賞クラスと目される研究者を選出し、その卓越した研究業績を讃える目的で発表されています。2002年より毎年9月の発表が恒例化されており、17回目となる本年は、日本人研究者1名を含む17名が受賞しました。

日本からは、医学・生理学分野において1名が選出されました。京都大学化学研究所 特任教授 金久實氏は、「KEGG(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)の開発を含むバイオインフォマティクスへの貢献 」において今回の受賞となりました。

クラリベイト・アナリティクスのISI(Institute for Scientific Information)の引用アナリスト、David Pendleburyは次のように述べています。

『科学は新しい技術を生み出すだけでなく、それらの技術にも依存しています。今年は、仲間の研究者を大いに支援した2名の科学者を引用栄誉賞に選びました。彼らは、個人やチームが単独でできることを超えて、研究に影響を与えました。 KEGGとSHELXという研究コミュニティを提供してくださった、金久實教授とGeorge Sheldrick教授、おめでとうございます。お二人の貢献の重要性は引用記録にも反映されており、どちらも数万件の引用があります。過去のノーベル賞は革命的な影響を与える方法とツールを強調してきましたが、データベースとソフトウェアの重要性はまだ認識されていません。私たちの引用データは、この種の科学的貢献の多大な影響を明らかにしています。私たちは引き続き注視していきますが、研究成果は今日、いろいろな形で実現され、こうした動きも見過ごされるべきではないと考えています。』


<医学・生理学>
 
「 KEGGの開発を含むバイオインフォマティクスへの貢献 」
京都大学化学研究所 特任教授
金久 實(Minoru Kanehisa)氏

■受賞コメント
『1990年代のヒトゲノムプロジェクト以降、生命科学の分野では急速な技術革新によりゲノムをはじめとした分子レベルの様々な大量データが蓄積されるようになりました。KEGGはそこから生体システムの機能を解読し、医療や創薬につながる有用性を見いだすためのデータベース及びバイオインフォマティクス技術です。バイオインフォマティクスは実験研究を支援するための分野と思われがちですが、データの中から経験則を見いだし、生命の原理を探求する学問としての側面があることにも注目していただけたらと思います。 』


▼クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞とは
クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞(旧トムソン・ロイター引用栄誉賞)は、データベースを用いた論文・引用分析において、ノーベル賞クラスと目される研究者を発表するものです。世界トップクラスの研究者の功績を讃え広めることで、科学がより身近なものとして認知されることを目的に、2002年からノーベル賞に先駆けた発表を恒例化しており、本年が第17回目となります。
ノーベル賞のうち4賞(医学・生理学、物理学、化学、経済学)と同カテゴリで構成されており、2017年までの引用栄誉賞を受賞者のうち、46名が実際にノーベル賞を受賞しています。

▼クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞の選考基準
クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞は、過去20年以上にわたる学術論文の被引用数に基き、各分野における高インパクト論文(通常1,000回以上の引用)を選定します。その後、ノーベル委員会が注目すると考えられるカテゴリ(医学・生理学、物理学、化学、経済学)に振り分け、各分野で特に注目すべき研究領域のリーダーと目される候補者を決定します。
本賞は引用分析から「近い将来ノーベル賞を受賞する可能性の高い研究者」を発表することを目的としており、その年のノーベル賞受賞者を予測するものではありません。

▼選出に使用するデータベース
本賞は、世界最高水準の学術文献引用データベース「Web of Science™ Core Collection」を用いて、医学・生理学、物理学、化学、経済学のノーベル賞4分野において最も影響力があった研究者を分析・発表しています。当社の過去30年以上にわたる分析から、学術論文の被引用数と同分野における研究者間での高評価には、強い相関関係があることが分かっており、論文の引用頻度が高いことは、学術分野における影響度の大きさを示しています。


▼Web of Science Core Collectionとは
世界中の影響力の高い学術雑誌20,000以上(2018年3月現在)を厳選し、包括的なアクセスを提供するオンライン学術文献データベースです。引用文献情報も収載しており、文献の引用回数を調べたり、引用文献をたどって研究の発展や経過を調べることができます。詳しくは下記サイトをご覧ください。
http://clarivate.jp/products/web-of-science-core-collection/

▼過去の日本人受賞者
過去に本賞を受賞した のべ26名の日本人研究者については以下のサイトをご覧ください。
https://clarivate.jp/citation-laureates/laureates-jp/
26名の受賞者のうち、山中伸弥氏は2012年にノーベル医学・生理学賞を、中村修二氏は2014年にノーベル物理学賞を、大隅良典氏は2016年にノーベル医学・生理学賞をそれぞれ受賞しています。

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社
ホームページ
https://clarivate.jp/
代表者
ティモシー ニーリー
資本金
45,500 万円
上場
非上場
所在地
〒107-6119 東京都港区赤坂5丁目2番20号赤坂パークビル19階
連絡先
03-4589-3100

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • Facebook
  • デジタルPR研究所