内視鏡検査で大腸ポリープ・癌を自動検知する人工知能(AI)を開発 -- 昭和大学・名古屋大学の医工産官連携研究 --



昭和大学横浜市北部病院消化器センター(工藤進英センター長)は、名古屋大学大学院情報学研究科(森健策教授)と共同で、人工知能(AI)による大腸内視鏡検査支援システムを開発しました。このAIは、ポリープ・癌をリアルタイムで検知し、医師による病変の発見をアシストするシステムです。このAIによって、微小癌や前癌病変を見落とすリスクを低減し、大腸癌による死亡を抑制することが期待されます。この研究成果は、昭和大学三澤将史講師らにより、米国消化器学会誌である『Gastroenterology』誌の2018年6月号に掲載されました。病変を自動検知する大腸内視鏡AIの論文報告は医師として世界初。




 大腸がんは日本人女性のがん死数の1位、男性でも3位と近年増加傾向であり、効果的な対策が求められるがんである。大腸内視鏡検査は大腸がんの発見・治療だけでなく、予防にも有用であるとされる。これは、内視鏡検査の際に腫瘍(ポリープやがん・前がん病変を含む)を切除することで大腸がん罹患・死亡が大幅に減ることが知られているからである。一方で、1回の検査で小さな腫瘍性病変のうち約25%が見逃されているという報告もある。



 このような見逃しを低減する目的で、2013年より昭和大学横浜市北部病院・消化器センター長工藤進英らのグループは、名古屋大学大学院情報学研究科・森健策教授らと共同で、内視鏡診療を包括的に支援する人工知能の開発を行ってきた。今回は名古屋大学が開発したAI(ディープラーニングを採用)を用い、リアルタイムでポリープやがんを検知し、医師による病変の発見をアシストするAIの開発に成功した。
 この人工知能は昭和大学横浜市北部病院で撮影された大腸内視鏡(オリンパス株式会社の内視鏡を使用)の動画約20万フレームを学習し、学習していない50病変の動画でテストしたところ94%の病変が人工知能で検知できた。本研究では静止画ではなく、動画で検証することで、実際の臨床に近い厳格な環境で評価していることが特長である。この研究結果は昭和大学横浜市北部病院の三澤将史講師がまとめ、米国消化器病学会雑誌であるGastroenterology誌(論文の影響力を示すインパクトファクターが20.773)の2018年6月号に掲載された。大腸内視鏡のAIを用いた自動検出論文は、これまで情報科学専門家からの報告しかなく、医師が報告した論文としては世界初である。
 このAIは名古屋大学大学院情報学研究科とサイバネットシステム株式会社によってリアルタイム動作可能なソフトウェアとして実装されている。現在は、学習画像を大幅に増加し約280万フレームを学習したシステムで、すでに臨床研究を開始している。このようなAIは診療に影響を与える可能性があり、薬機法承認の取得が必要であると考えられており、昭和大学らは2019年度には薬機法申請を目指した試験を開始する予定である。



 本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)8K等高精細映像データ利活用研究事業(研究代表者・工藤進英)およびJSPS科研費 JP17K15971の支援を受けて実施されている。

●論文掲載ページ
 https://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(18)30415-3/fulltext

●昭和大学横浜市北部病院消化器センターHP
 http://showa-ddc.com/

●名古屋大学大学院情報学研究科森健策研究室HP
 http://www.suenaga.cse.nagoya-u.ac.jp/wiki/index.php?%BF%B9%B8%A6%B5%E6%BC%BC


【更新】 PDFを差し替えました。(2018/08/02 16:10)


▼本件に関する問い合わせ先
学校法人 昭和大学 総務課 広報担当
TEL:03-3784-8059


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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