アストラゼネカのLOKELMA(ZS-9)成人の高カリウム血症患者さんの治療薬として米国にて承認を取得

迅速かつ持続的な血中カリウム濃度のコントロールにより患者さんのアンメットニーズに対応

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は5月18日、同社が開発するLokelma(開発コード:ZS-9、一般名:ジルコニウムナトリウム環状ケイ酸塩、以下、ZS-9)が成人の高カリウム血症患者さんに対する治療薬1として米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したことを発表しました。高カリウム血症は、循環器、腎および代謝疾患に伴い血中カリウム値が上昇した重篤な病態です2

高カリウム血症は、慢性腎臓病(CKD)患者さん、および血中のカリウムレベルを増加させるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)阻害剤などの心不全(HF)治療薬を服用している患者さんにおいて、発症リスクが大幅に高まります2,3。高カリウム血症の再発を防ぐために、RAAS阻害剤による治療が最適に行われず、減量されたり中止されることがありますが、それによって既に明らかとなっている心血管系や腎臓に対する保護効果が損なわれ、死亡リスクが高まる可能性があります3,4
アストラゼネカのグローバル医薬品開発担当エグゼクティブバイスプレジデント兼チーフメディカルオフィサーのSean Bohenは、「本日、FDAからZS-9の承認を取得できたことをうれしく思います。当社は、長期にわたる臨床ニーズであった成人の高カリウム血症患者さんの治療に、迅速かつ持続的な効果を持つ新薬で応えることができるのです。高カリウム血症は非常に重篤な転帰をたどることがありますが、慢性腎臓病、心不全、糖尿病の患者さんや、RAAS阻害剤による薬物治療を受けている患者さんにおいて、ZS-9がカリウム値を低下させることが検証され承認を受けたことは、診療にあたる医師の方々にとって心強い結果になるものと思います」と、述べています。

ZS-9は選択性の高い経口カリウム排出剤です1。今回のFDA承認は、3つの二重盲検プラセボ対照試験と2つの非盲検試験の結果に基づくものです。これらの試験では、ZS-9による治療を受けた患者さんにおいて血中カリウム値低下の作用発現までの時間は1時間、正常な血中カリウム濃度に達するまでの時間の中央値は2.2時間、48時間以内に血中カリウム濃度が正常化する患者さんが92%という結果が得られました1,8。こうした治療効果は慢性期の持続投与によって最長12カ月間まで持続することが確認されました1,5,6,7,8

ニューヨーク州Donald and Barbara Zucker School of Medicine at Hofstra NorthwellのSteven Fishbane教授(MD)は、「本日のFDAの承認は、高カリウム血症に苦しむ米国の患者さんに、迅速かつ有効な治療効果と総じて良好な忍容性を有する治療選択が提供されたという、非常に喜ばしいマイルストンとなりました」と、述べています。

ZS-9は2018年3月22日に、欧州委員会から欧州連合における販売承認を取得しました。本邦ではZS-9の第III相試験を実施中です。ZS-9は本邦では未承認です。
以上

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高カリウム血症について
高カリウム血症は、慢性腎臓病患者さんおよび血中のカリウムレベルを増加させるRAAS阻害剤などの心不全治療薬を服用している患者さんにおいてリスクが大幅に高まります。高カリウム血症は、慢性腎疾患、心不全のいずれか、もしくは両疾患の既往がある患者さんの23~47%に発症し、それぞれの推定患者数は世界中で2億人および3,800万人です。高カリウム血症は心停止を引き起こし死に至る可能性があり、重症化した高カリウム血症の治療が早急に行われない場合、致死率は最大30%になると言われています。

ZS-9(製品名:Lokelma)について
ZS-9は不溶性かつ非吸収性ジルコニウムナトリウムケイ酸で、選択性の高いカリウム排出剤として作用する、経口懸濁用の粉末製剤です。本剤は無味無臭で室温保存できる経口投与製剤です。海外では成人の高カリウム血症患者さんを対象に、3つの二重盲検プラセボ対照試験および2つの12カ月非盲検試験を実施しています。本邦ではZS-9の第III相試験を実施中です。ZS-9は本邦では未承認です。

アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域について
アストラゼネカが主要治療領域として注力してきた循環器・代謝疾患領域のポートフォリオに ZS-9が追加されたことをうけ、本治療領域名を循環器・腎・代謝(CVRM)領域としました。
アストラゼネカは、心臓、腎臓、膵臓などの臓器の関連性をより明確に解明するサイエンスを追及し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資しています。当社は、世界中の何百万人ものCVRM領域の患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。
詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)を フォローしてご覧ください。

参考文献
1AstraZeneca.LokelmaPrescribing Information. May 2018.
2National Kidney Foundation. "Clinical Update on Hyperkalemia." 2014. Accessed 8 May 2018.https://www.kidney.org/sites/default/files/02-10-6785_HBE_Hyperkalemia_Bulletin.pdf.
3Kuijvenhoven MA, Haak EA, Gombert-Handoko KB, Crul M. Evaluation of the concurrent use of potassium-influencing drugs as risk factors for the development of hyperkalemia.Int J Clin Pharm. 2013 Dec;35(6):1099-104.
4Epstein M, Reaven NL, Funk SE, McGaughey KJ, Oestreicher N, Knispel J. Evaluation of the treatment gap between clinical guidelines and the utilization of renin-angiotensin-aldosterone system inhibitors.Am J Manag Care. 2015 Sep;21(11 Suppl):S212-S220.
5Kosiborod M, Rasmussen HS, Lavin P, et al. “Effect of Sodium Zirconium Cyclosilicate on Potassium Lowering for 28 Days Among Outpatients with Hyperkalemia.”JAMA. 2014. doi:10.1001/jama.2014.15688.
6Packham D, Rasmussen HS, Lavin P, et al. “Sodium Zirconium Cyclosilicate in Hyperkalemia.”New Engl J Med. 2015; 372:222-31. doi: 10.1056/NEJMoa1411487.
7Ash S, Bhupinder S, Lavin P, et al. “A phase 2 study on the treatment of hyperkalemia in patients with chronic kidney disease suggests that the selective potassium trap, ZS-9, is safe and efficient.”Kidney Int. 2015; 88, 404-411. doi:10.1038/ki.2014.382.
8Fishbane S, Pergola PE, Packham DK, et al. Long-term efficacy and safety of sodium zirconium cyclosilicate for hyperkalemia: 12-month, open-label, phase 3 study. Poster presentation at: American Society of Nephrology Kidney Week 2017; November 2017; New Orleans, LA. Abstract #2759765.


本件に関するお問合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
コーポレートアフェアーズ統括部 池井、杉本
JPN.Ex.Comm@astrazeneca.com
Tel: 03-6268-2800 / 070-1369-2228

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組織名
アストラゼネカ株式会社
ホームページ
https://www.astrazeneca.co.jp/
代表者
ステファン・ ヴォックスストラム
上場
海外市場
所在地
〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪タワーB

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