大阪産業大学環境理工学科の井上昭雄准教授らの国際チームが132.8億光年かなたの銀河で酸素を検出 -- 観測史上最遠方の記録を更新



大阪産業大学(大阪府大東市)デザイン工学部環境理工学科の井上昭雄准教授と橋本拓也博士研究員、東京大学宇宙線研究所ICRRフェローの馬渡健氏、国立天文台などで組織された国際チームがこのたび、チリにある電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」で132.8億光年かなたの銀河(MACS1149-JD1)に酸素を検出した。今回の発見により、正確に距離の求められたものとして、史上最も遠い銀河の記録を更新。この成果は5月16日付の英科学誌『ネイチャー』に掲載された。




 宇宙は138億年前にビッグバンで生まれ、そのあと数億年が経過したころに最初の銀河が誕生したと考えられている。ではそれは具体的にはいつ頃で、銀河はどのようにして成長してきたのか。これは、現代天文学における大きな謎のひとつである。
 遠くの天体から光が届くには時間がかかるため、宇宙のはるか彼方にある天体からの光を観測することは、その天体の昔の姿を見ていることに相当する。そのため、遠くの天体を観測することで、直接その現場に行くことはできなくても宇宙初期の銀河の様子を垣間見ることができる。

 井上准教授らのチームは、ハッブル宇宙望遠鏡で発見された遠方銀河MACS1149-JD1をアルマ望遠鏡で観測。その結果、この銀河が地球から132.8億光年の距離にあることが判明した。今回観測した銀河は宇宙誕生の2億5000万年後にできたと推定され、正確に距離の求められたものとしては人類史上最遠方の銀河となる。

 今回の研究成果により、138億年前の宇宙誕生から約5億年後には酸素が存在していたことになり、今回の研究メンバーも関わった従来の観測記録を8000万光年更新した。

 また、ハッブル宇宙望遠鏡とスピッツァー宇宙望遠鏡を組み合わせた調査の結果、この銀河が星形成を開始したのは、宇宙年齢約2.5億年(約135.5億年前)と、成熟した銀河であることが判明。人類未踏の宇宙最初期の星形成に知見を得たことになる。

 井上准教授、橋本博士研究員らは現在も多くの銀河を研究中で、さらに遠方の銀河の酸素観測や、宇宙初期の銀河について解明を続けていく。

※研究についての詳細は下記URLを参照。
 http://www.osaka-sandai.ac.jp/news/16301.html

(関連記事)
・大阪産業大学教養部井上昭雄准教授らの研究チームが観測史上最遠方の酸素を捉える -- 米国の科学雑誌『サイエンス』オンライン版に掲載(2016.06.20)
 https://www.u-presscenter.jp/2016/06/post-35710.html


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【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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